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白堊スポーツ - since 2004.09.18

母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

雨に消えた夢・昭和49年夏5-作:平舘俊弥(S50)

2016年09月10日 | 白堊野球物語
◆一高まさかの延長サヨナラ負け①

千葉の鋭い切れのストレートを花泉選手のバットが捉た。
打球は緩やかな弧を描きセンター平原光彦の頭上を襲う。
平原必死の形相で背走、背走。
「バックだ、バック、バック」
「取ってくれ、取ってくれ」
後退する平原の足がゆっくりになる。
そして、止まった。
「うそだろ」
真っ白なボールが緑濃い芝生に落ちた瞬間だ。
平原が首うなだれて、腰に手をあてる。
そして、ゆっくりと振り向く。

「まさか」