珠玉の１冊

かなり前・・・そう、成田空港の書店で買って「ハワイで読もう」なんて思っていたけど
結局忘れ去っていた1冊。
GW後半、ふと目について、手にとってみた。
体調もすぐれず、テレビを見る気もなく、布団にもぐりながらパラパラとめくる。

「西の魔女が死んだ」で思いつくのは「オズの魔法使い」だけど、
それとは関係なく、ちょっとした謎解きのようなタイトル。

最初の３ページはちょっと入り込めなかったけど、
そのあとはぐんぐん引き込まれていく。
特に「おばあちゃん」がでてきてからの、やわらかい情景はなんと表現したらいいのか・・・
美しい絵本をめくる喜びのような、いや、素晴らしい絵画の前に立って心から何かが湧き出る驚きのような・・・
ページをめくると、そのたびに、その情景の中にスッと入って、
少し離れたところから、私もやりとりを見ている気持ちになる。

最後の「おばあちゃん」の「まい」へのメッセージを見たときの驚き。
思わず「あっ」と小さく声を上げてしまった。
「まいちゃん、よかったね、よかったね、やっぱりそうだったよ」と、
本の中に入って声をかけている自分の姿まで見えてくる。

タイトルの「西の魔女が死んだ」の意味も最後のメッセージでぐっとくる。

今すぐにでも読み返したい。
出会えてよかった１冊。