其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

二つのDVD

2013-12-31 19:32:31 | 日常雑記
LED電球を買いに行きました。店のワゴンに「アポロ宇宙への挑戦」と「悪魔の核実験」が四百九十四円で同額でした。アポロ計画は十七号までの成果、悪魔の核実験は核爆発の影響・核兵器の破壊力・核の脅威の三つで構成されています。
アポロは国威宣揚の見せ場であり、一方ソ連に水爆が出来たことでショックを受けたアメリカ市民の危機感を抑えるためか民間防衛組織やシェルターの有効性の実験などの広報に力を入れた情報でありました。私たち以上にアメリカ社会に緊張が走ったようですね。
まだ一人勝ちのアメリカの安泰が窺えるものであります。しかしその後同盟国であったにしろ国力を加速した中国による世界の趨勢は予測以上のものでした。
われわれは神仏習合の宗教観であり、他の一神教とは異なる「啓典の民」ですから慌てず騒がず、更に妙な世界観に惑わされず自信をもっていいと思いますね。
来る年は穏やかな年であるよう祈願しております。

はったい粉

2013-12-30 12:25:42 | 日常雑記
師走女に盆坊主と言います。それでなくても閑を持てあましています。そこで大歳市を眺めて参りました。真に珍客万来アメリカ・カナダは言うに及ばずロシア・オーストラリア・インドネシア・ニュージランドなどの珍客が媚態を作っております。なかには世を忍ぶ仮の名もあるようです。穏やかな棚に「京の乾物屋」の国産品「はったい粉」がありました。香ばしさ抜群なつかしい味わいとありましたので古き良き日本への懐古懐旧の念に駆られて買い求めました。
おそらくは「ハツタイコ」などご存じのお方は後期高齢者でも数少ないのではないでしょうか。国産裸麦100%をじっくり煎りあげ、粉末にしたものです。裸麦とは何ぢゃということになりましょうが、恐らくはそのようなお方はお買い求めなさらないと思いますが、万一京都にお出かけの折には東山区あたりで些細お尋ね下されば幸いです。
正直言って懐かしいー懐かしいーでよろしかったでした。ただ練りあげた時の香ばしさは確かに逸品でした。

年賀状とは

2013-12-28 20:38:37 | 日常雑記
郵便局は多少混雑していました。歳末ですから仕方はないでしょう。この混雑が緩和できないものかとつまらぬ思案をしました。簡単な案は年賀葉書を売らねばいいのです。毎年追い立てられる気持ちで賀状をしたためるのは何故でしょうか。あの人この人と思い浮かべながら拙い字ながらと苦心します。
PC屋とどこかの思惑の繋がりのためばかりだと推測はしません。ただ籤がなければ売れ行きはガタ減りしましょうよ。
一つの意見ではありますが、永井荷風先生の随筆で「昔はー明治大正のころのことでしょうかー医者弁護士輩や出入りの商売屋以外で賀状など出す者はいなかった」そうでしょう、近辺の付き合いの厚情で事足りていたようですからね。今は余裕が無いので玄関に名刺受け箱が置かれていません。
いくらかなにかそらぞらしくはありませんか。昨年中一度も顔を会わせずに「旧年中はお世話になりました」などは書けない文章です。PC屋さんも多少は文案を練ってはいかがでしょう。

吃驚マーク

2013-12-26 16:58:25 | 日常雑記
先ほどソフト・バンクの店前で何やらのイベントか景品かのポスターが貼ってありました。機種を我が社製に替えればお金が戴けるという勧誘はよくお目に掛かります。携帯電話の代金システムはと、いつも怪訝に思っています。ですが携帯を所持する気はなく、我関せずではあります。なにやら凄い景品貰えるようですよ。ニスイ扁の代わりにビックリマークに妻と書いてあります。不注意な私はなるほど瑞々しい妻はすごいであろうと間違った推測を致しました。
ところが、この凄と言う漢字は常用文字から外されています。理由は判りませんが、淒というサンズイでどちらも寒冷の意があり、すざましいとする漢字だそうです。本棚でお眠りの鎌田先生やら白川先生を煩わしたのは愚でありました。
凄は淒の方が 炊事場で日々心労している妻に対する感謝の念があってよろしかろうと、文化庁漢字監督官殿に進言せねばとも思っております。

天知る地知る

2013-12-25 16:07:28 | 科学
電車を利用すると七割程度の乗客が携帯電話を利用されているようです。仕事を離れていますから、通勤の混雑時ではどうでしょうか。座席に腰を下ろすやすぐさま携帯を見て、どうやら落ち着いた表情になられるようです。
私は二十歳過ぎるまで電話を使ったことがありません。自宅に電話のあるのは医者や商売家など職業上必要 ある家庭だけでした。ですから友人宅で電鈴が聞こえると多少の畏怖を感じました。少々大袈裟なと思われるかも知れません。
卓上電話機ではなくてやや奥まった部屋片隅の暗い壁に電話機がありました。ただ電話を使っての出前が迅速に届くのが便利と感心しました。
ずっと後になってのことですが、田舎の電話の調法さを知りました。ハンドルを回して郵便局を呼び出し、相手方の電話番号を告げます。そして相手方と繋がり会話するのです。便宜と言えば相手の番号を言わず屋号で足りました。都市部電話局間でも電報はイロハのイ為替のカだのを使っていました。
それに引き替え僅か 五分十分そこいらの電車内が辛抱出来ない、間が持たないのは利便性引き替えずいぶん損な気がします。或いは着信送信の秘匿性が失われかも知れない新技術が可能かもしれない、その点はどうなんでしょうか。

日本海と太平洋

2013-12-21 19:41:32 | 書籍
私などは寒がりですから日本海側より太平洋側が暖かくて海運業など古代より開けていただろうと想像していました。ところが森浩一先生の著「古代史津々浦々」を読んでみますと、多少の思い違いがあったようでした。 日本海側の潟(港と解してもいいようです)を中心とした地域に古代豪族や有力者の古墳や国分寺蹟などなどあったことを知りました。
これは江戸時代の地方史で知ったことですが、山間地の村民より海辺近くの村人が飢餓からの難が少なかったようです。魚類海藻類を含めるの幸からです。藩の指導で救荒食糧としてヒジキを貯蔵させるなどの策をとらせたなどとも言われています。ことに玄海には農耕土地の乏しい島嶼などが多く、玄界灘の救いがなくては考えられません。ヒジキはヒバマタ目ホンダワラ科でほとんど本邦全ての礒で収穫されています。
戦中戦後の食糧欠乏期に外食券という代物がありました。券を持たずしては食にありつけません。それを外食券食堂といいました。その食堂でヒジキ製のうどんを戴きました。味はご想像にお任せします。ですが近頃近辺のお店で「梅干ヒジキ」なるものが売られています。なかなか乙な味で評判よろしい商品のようです。

賢い遺訓

2013-12-19 12:54:00 | 書籍
ペルシア人の父より息子への四十四章の遺訓、これがなかなかなものです。何しろゲーテすら賛嘆した代物です。私はペルシャ人に知る辺とてなくその思想信条生活など殆ど知識がありません。湾岸戦争と千夜一夜物語くらいでです。今のところ間接的には判りませんが、幸いにも現在のところでは、ペルシア人に恨みを買う事例はないと思います。
東洋文庫は七百五十巻もあるので読書には難儀ですが、「ジャパンナレッジ」という重宝なものがあります。その助けで「ペルシア逸話集」を読むことができました。なにしろ活字の細かいのは苦痛です。遺訓はきめ細かに細目に渉っており、勿論宗教的タガがはめられてはいますが、人情の機微にも触れ、蓄財・飲食・金銭・飲酒等々異教徒の私にも納得できる項目が並べられています。なかでも青春と老齢についての観察眼には充分納得します。
四十歳から五十歳かけては、年ごとに前年に見られなかった衰えが見られ、五十歳から六十歳にかけては毎月、前の月には感じなかった衰えを感じ、六十歳から七十歳にかけては週ごとに、七十歳から八十歳にかけては日ごとに衰弱が表れ、八十歳を越すと刻々に体内の痛みが感じられる。」
或いはというか当然として認めるかは生活感の違いでしょう。いずれにしても「老齢の苦痛は誰よりも老人が一番良く知っている」が真実に近いようです。

パグ

2013-12-17 17:38:57 | 生き物
先日古本でしたが、世界の犬というポケット図鑑を書いました。愛犬家には様々な種類の犬をよくご存じでしょうが、犬によってはあらぬ嫌疑を掛けられて迷惑している犬に悪いと思いまして一〇五円を投じました。実はかなり前のことです。出眼、額の皺、潰れた鼻のパグをブルドックと誤認して恥をかいたのです。
非常に温順な犬だそうです。犬を飼ったことはありましたが、私の意志でなく、あるいは娘であり、妹であり、母などの気まぐれによるものでした。そして不注意から死なせた経験があります。最後の犬は迷い込んだ旅の犬でして、ジステンバーの注射をしていなかったためです。通常ペットショップからだと商品ですから予防接種してあります。ジステンバーは犬にとって苦しげですし、飼い主にも耐えられぬ時間が経過しました。勿論獣医さんに手当をしてもらいましたが、発病後には処置なしだそうです。
通常でも犬は潤んだ目つき、それが一層可憐に見えました。
中国ではいびきをかいて眠る王様のような犬の意の覇向(パークゥ)と呼ばれたそうですが、昔々のチャウチャウに較べれば幸せですよね。

養殖物と天然物

2013-12-16 15:21:26 | 生き物
東京海洋大学吉崎吾朗教授のグループがニジマスの精巣を液体窒素の中で冷凍保存する方法を開発されました。
精巣から取り出した細胞は精原細胞(精子の素といえる細胞)をオスに移植して、精子をつくりこれをメスに移植して卵を得ることで次の世代の魚を誕生させることに成功しました。このような方法で精巣を冷凍保存し、絶滅に瀕する魚種を長らえらせることが出来そうだとのことです。(子供の科学2013 4月号より)
一方鮪など大型魚類は乱獲により日本人の口に出来なくなると危惧されています。数年前の科学雑誌で、海にも面していない多国籍の航空機をも加えた漁船団の鮪殲滅的漁法を知りました。船舶漁具は勿論高度な探知器具を使用して魚群を捕獲する、絶滅も単なる危惧ではすまないでしょう。
養殖漁業には何といっても弱点があります。生き物を飼育する飼料の問題です。牧畜は長い歴史とその経験があります。おそらく永い試練が求められるでしょう。

六根清浄

2013-12-15 14:10:54 | 地域
昨日宝満山と修験道などについてのお話を拝聴しました。高所恐怖症の私を除いた拙宅全員は宝満山登山を終了しております。年寄りは二階に登らずと言う諺がありますが、諸般の理由から残念ながら二階家です。近年とみに階段の昇降に難儀しており、六根清浄 六根清浄と唱えて昇り降りしております。
つらつら考えると、と言うより当然のことですが、この六根こそ意識の根幹であり、その根幹にこそ欲と希望の源泉があり、生活の支えとなっているようです。
眼・耳・鼻・舌がいかに簡単に欺罔され易いが先日の過誤表示騒動です。識にしても私は勿論、世間一般に暗示に過敏に反応なさるようです。。
ところで、信頼できる最初記憶はいつ始まるのでしょうか。私は現在の福岡市東区奈多の海岸近くに住んでおりました。おそらく五歳未満でしたでしょう。そのころ対岸の名島と奈多を結ぶ渡船場があり、一枚のアユミ板が船とを繋いでいました。砂浜ですから転落の危険は考えられません。ある日その渡船場に修験者の法螺貝が響きました。その緩やかな響きは海をわたって対岸に届くのだ、多分連れへの連絡だと思いました。修験者と法螺貝の響きの記憶が記憶なのか後で聞いた伝聞なのか昨日のお話を伺いながら考えていました。