其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

微笑と愛想笑い

2012-04-26 16:03:16 | 書籍
人間の笑いのルーツは、「動物が 他の動物と戦う前に歯をむきだしにする行動ではないか」との考えがある。 人間の笑いにはなんらかの恐怖の要素があり、また「闘争している人間は、強い緊張から解放されようとして笑う」という説もある。
歯をむきだしにする表情から愛想笑いへと人間関係をスムーズ変化させた先祖の知恵には感謝せねばなるまい。
チンパンジーは自分で擽っても笑うそうである。下手な落語家を評して擽りばかりだというが、果たしてどうだろうか。人間は自分で擽っても笑わない。かれも高座にでる前一度は自ら演じてみたであろうに。
人間に尻尾が無いお陰で首尾が通せる。
「」ないは、『動物たちの奇行には理由がある マイヤーロホ』による。

昔の話

2012-04-22 12:57:02 | 日常雑記
近頃は繁華な商店街にも易断を看板とする間口がある。軒を連ねるほどではないが、少しでも先を知りたいのは人気であって、神社境内の樹木の枝先に結ばれたお神籤の数の多さで知れる。お神籤などは穏やかだが、肝驚かす所業もまれではない。
私も子供のころの経験で、一度だけ同級生の友人に付き合って占い師を訪ねたことがある。
かれの弟妹は病気勝ちだったようで、それを母親がひどく気にしていた。勿論その時代は言葉はぞんざいだが避病院というのがあって、クレゾール臭を振りまかれる怖い病気が子供たちを襲いかかっていた。また今のように占い師が手を拡げて待っている時代と違って戦時下であり、口伝えで「どこそこによく当てる人がいるそうよ」を頼っていたようである。
私たちの時代は自校区以外はやたら歩き廻ることをしなかった。妙な対抗意識が校区内校区外にあったからである。
そこで友だちと二人で出かけたが、かなりの道程があった。尋ね当てた建物は普通家屋であった。どんなご託宣であったか忘れたが、ただユキノシタを煎じて飲ませなさいと言われたのは憶えている。ユキノシタは虎耳草と漢方で言うそうだ。いま家の軒下にその草が繁茂している。

額に犬の字

2012-04-18 12:31:45 | 書籍
「こどもの中世史(斉藤研一著)」を読んでいたら、二歳~五歳の幼児の死亡率は20~25%(江戸時代後半の数字)とあった。勿論大人にも疫病受難が数多くあった。その点で今日あるのは幸せと思わねばなるまい。ヨーロッパ諸国も同様であり、カトリックの幼児洗礼は産後四十日とするのは新生児の死亡率が高かったからだといわれている。
子どもの無事な成長を願う儀礼は雛祭りや五月節句などと多く知られるいる。ただ「アヤツコ」という魔除けまじないは初めて知った。中世以来日本各地にあった習慣で、生後七日めに七夜のお宮参りをする際産児の額に「犬」の字を書くことである。もっとも妊婦が妊娠五ヶ月目の戌の日に帯祝いをする習慣には沿った経験がある。
疫病に限らず子どもの受難は数々あり、道中宿での人買いや拐かしもあって、山椒大夫の悲劇も一再ならずのことであろう。

とんがった嘴と丸っこい嘴

2012-04-17 19:44:11 | 生き物
近くの川には嘴の形が異なる水鳥がいる。神様か仏様かの叡智によって食性が組み分けなされているためだ。カワセミやアオサギ・シラサギは獲物を素早く捕らえねばならないための形態をし、カモ類は穏やかな嘴をしている。
小郡市近辺には以前カモ料理屋があった。水田に必要とするための溜め池が数多くあった。今でも調整池として残っている。むかしは有馬様のご猟場があったそうだ。
極めて大雑把なわけ方をすると、人類にもこのような神様仏様が配慮して下さった食性領分の違いがあったのではないか。遊牧民と漁労民とは異なった食性があった。エスキモーは野菜を食べなくて壊血病にならないのは海獣の生肉をているからだそうだ。
金銭経済を価値とする社会もあれば物々交換で事足りることたりる社会もあったはずだ。どうでしょうか。こんな考えは偏頗なものでしょうか。



久留米百年公園

2012-04-16 13:24:55 | 日常雑記
この周辺の河川敷は見事である。穏やかな陽光の下で流れる川面は見るに飽きない。
五艘のモーターボートが水煙を上げて疾走していた。かねがね新聞紙を片手に思案ありげな面持ちで電車に乗り込んでくる御仁を見かける。赤鉛筆は必携のようである。偶然の輸贏には縁がないが、「当売り場より二億円が」など書き出されていると目線は動くのではある。だからこのような明朗な環境下ならでは満更咎められる遊びでもあるまいと思つた。
ボートに「あしや」とあつたので、プロの競技者の練習だろうかと思った。しかし燃料タンクに北九州モーターボートクラブと書かれている。女性を含めた全員で船体とエンジンを外し、諸器具を軽トラックに積み込んでいた。
以前この上流河川道路で競輪選手の練習を眺めたことがある。この市には競輪場がある。

フアオラの秘薬

2012-04-12 13:52:15 | 日常雑記
という本を図書館から借りた。副題は古代エジプト植物誌(リズ・マニカ著)である。まア春の気まぐれだ。
以前古代エジプトの動物を読んだとき古代エジプト人が猫を偏狭に愛して過失であれ飼い猫の命を絶とうものなら死刑が課せられる、と書かれていた。
古今東西美容と健康には金銭と知恵を惜しみなく注ぐのは今日日の新聞の折り込みや広告記事を読めば簡単に判る。フアラオの秘薬はゆるりと読むことにしよう。
現代の秘薬オロナミンCを飲み終わったので、ついでに瓶裏に印刷された原材料名を読んでみた。糖類(砂糖・ブドウ糖果液)ハチミツ・食塩・香料・ビタミンC・クエン酸・カフェイン・ナイアシンアミド・ビタミンB6・ビタミンB2・溶性ビタミンP・イソロイシン・トレオニン・フエニルアラニン・グルタミン酸Naとなっている。これほど様々な栄養価ある内容物を安価に戴けるとは命冥加なことである。

春の嵐

2012-04-07 12:19:28 | 日常雑記
桜が咲いて暖かくなった。先日の台風なみの暴風ほどではないが強い風が毎日のように吹いている。そのせいか黄砂の影響は今のところまだのようである。
気象庁の黄砂情報には実況図予測図や種々の情報が提供されている。降水は中性ではなく大気中の二酸化炭素や火山から放出される酸性物質を取り込んで酸性の雨となっている。
日本の土壌がアルカリ性であるため、中和作用が働いて現在では深刻な被害を生じていない。野菜や果物などの栄養分は土壌の化学的構成によって異なり、ヨーロッパのトマトは国産の一〇倍のカルシュウムを含んでいるそうだ。北欧や北米は酸性土壌のため酸性雨の影響が強かったのはそのためだといわれている。
勿論今後中国の工業が発展すればとうなるかは予測できない。

世界史は謎

2012-04-03 16:48:00 | 書籍
歴史とは何かという本を読んでも読まなくても歴史とは何かがわかるはずはない。百人に百の史観があるのは当然である。教科書はまあ当座のことだ。子供に教えるに桐生操著「世界史の謎①②」などは興味や好奇心に正当な質量を満たしているが文部科学省は許可しないだろう。
うろ覚えだが、パスカルは神なき世界は考えられないといったそうだ。確かにこの本に書かれている愚行と残虐が歴史上の出来事ならば(ほぼ事実であると推定できる)神なきことは絶望である。
であるから筆者は世界史の謎としたのであろう。かたわらにルネサンスのような資産を抱えながら魔女狩りのおぞましさが併存したのであるから。
訂正および追記 この著者には『異端世紀末の肖像』などがある。