其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

私の残したい言葉

2005-11-27 20:34:15 | 歴史
近ごろ「やっとお気づきになられましたか」と思える題目の本を見かけます。読まずに云々するのは、差し出がましいし、不遜な所業だと思います。そこで、控え目な私が残したいなと思う言葉を書いてみました。
先ずは、「石松代参」より、「雨だれ落ちは三途の川 そよと吹く風無情の風」 まったく一寸先は闇です。
「八十婆ァサン豆噛むようにポツリポツリと語りましょう」八十婆ァサンの歯も近ごろでは丈夫です。
「蚤の金玉」 郵政民営に何故反対なさったのでしょうか。
大富豪のチャールズ・ロスチャイルドさんは、白熊や北極狐に付く蚤を採取させるために、狩猟人を派遣したそうです。
むかしは、竈の残り火を火鉢に移しておりました。横着な猫が己の毛を焼き焦がしておりました。猫に立ち芸を教えるのに、後足を布に包んで、焼けた鉄板の上で仕込んだのだそうです。「猫が火を踏んだような」なんとなく可笑しいような切実な言葉です。焼けたトタン屋根の上の猫というアメリカ映画がありましたね。
これはあまり残したくはない言葉ではあります。昭和20年代、日本が焦土のころの話です。どこから仕入られた情報か今となっては判りもしませんが、「必中弾という新兵器が出来たそうです。もうこれで大丈夫ですよ」と近所に天の恵みとも思えることを吹聴なさっていた在郷軍人の方がいらっしゃいました。神風あり必中弾ありとは。


餅 酒 合戦

2005-11-17 15:39:18 | 文芸
ずいぶん以前の、NHKラジオの録音があります。演奏者吉塚元三郎氏の筑前琵琶「餅酒合戦」です。
『時しも頃は嘘八百八十年、黄粉元年小豆の末、大酒九郎と酔どれの三郎は、餅月六郎と餡九郎に奇しくも此処に出会いければ、互いに我が身の自慢噺、
「如何に餅君、聞きたまえ、酒ほど尊きものはあるまい。神の前にはお神酒とやら、仏の前にも護摩酒とやら、べンベン ・・ それに引きかえ御身ほど因果な者は有るべきぞ。苦しきは蒸篭で火責めにかかり、臼の中にと投げ込まれ杵で以って頭叩かれズンドズンド・・ 聞いて餅九郎腹を立て
「ヤアヤア酒の方々承れ、言わしておけば出放題、いでこの夜は一合戦を致さん」と搗月の餅の城主に触れ廻さん。山でトリモチ、ネズミモチ、雨降り坂道滑って尻餅、癇癪持ちや喘息持ちが真先にゴホンゴホンと進み行く。
さて又酒の討手の大将は大和の国はモロミの白酒、博多の甘ゲリ、竹田の味醂、鹿児島
流行の芋焼酎、長崎表の菰被り、甘酒なんぞも馳せ集まり酒の同勢一千余騎ダシガ原にぞ押し寄せたり。
「ヤアヤア餅ころ大将何処に有りや、此処まで黄粉」と呼ばわりつつ、餅と酒とが火花を散らし、入り混じりてぞ闘うたり』
 あまり面白かったのと、捨ておくのは惜しいのでテープ起こししてみました。
太宰府政庁跡から歩けば五分ほどの所に、玄清法印のお墓があります。天台宗玄清法流宗務所の説明板には、盲僧玄清の琵琶を弾じながらの布教と余興の「くずれ琵琶」や「滑稽琵琶」それらを母体として筑前琵琶が成立っていると書いてありました。なお「餅酒合戦」の作詞者は逵巴玉蘭です(筑前琵琶物語大坪草二郎著による)。




其蜩庵井蛙坊ブログ新設記念切手

2005-11-13 11:13:15 | カエル
其蜩庵井蛙坊ブログ新設記念切手が出来上がりました。
世界にただ20枚のみであります。もっとも、今後このての切手が増える可能性があるので希少価値は望めないでしょう。保証いたします。

『付けたし』 其蜩庵井蛙坊と名付ける前、「当方見聞録」としましたが、同名異人が余りにも多かったので、旧姓に戻りました。

犬の糞で仇をとられる

2005-11-11 21:03:57 | 日常雑記
承前
犬の糞で仇をとられる、三代目古今亭志ん生師匠のマクラで覚えたのですが、存外意味深長ですね。むかしの江戸には犬の糞がゴロゴロと転がっていたそうです。
日本全国の市町村には、「蓄犬の愛護及び管理に関する条例」というものがあります。愛護の方は犬好きの方でも差し障りないでしょう。だが管理に関する条項には、いくらかの精神的肉体的負担がありましょう。
 ともあれ放置された残留物について遠慮がちに愚見を述べます。多寡の知れた量では有ります。わたしにしても、面倒だ、放っとけ、放っとけで済ませたいです。しかしいくらベットでペットの添い寝をなさる紳士淑女方でも、どこの馬の骨とも知れぬ犬の軟着物の感触を靴底に感じられれば快くはありますまい。
便秘なわたしに当てつけがましく軽々と落し物をして、と幾分余分な嫉妬と羞恥心からか、また、ビ―ニル袋は持っとるが、もと一流会社役員のオレが、隣近所の婆ァ連中が
見ている前で、ペットフードの残骸なんぞをと、軽々しくプライドをお捨てなれないのではと推測しております。綱を握った方々(握らない不埒な方もおいでです)の余りにも過ぎたる羞恥心・自尊心が始末を躊躇なさる理由だろうと、わたしは推測します。考えすぎでしょうか。


ペットフード

2005-11-10 21:42:09 | 日常雑記
今朝の新聞の折り込み広告を眺めて、ペットフードの惹き文句が面白かったので、披露してみます。幼犬から老犬までがおいしく食べられるソフトドライタイプなどの食材です。
愛犬の成長に合わせた栄養食のサイエンスダイエットとしての缶詰があります。離乳食から12ヶ月までの愛犬用メインテナンスとしての栄養食の缶詰があります。また、ひな鶏・レバーの水煮・牛肉の角切り・ササミの角切りなどの各種もあって、ライトは肥満犬用、シニアは高齢犬用と表示されています。
老犬同様の高齢人としては、われわれの食材にもこのように懇切な説明表示があって欲しいものです。犬は人間の大切な親友であり、助っ人ででもあります。麻薬を嗅ぎ出し、アルプスでは深い雪の中から瀕死の登山者を救助し、また卑近な例をあげれば、空き巣狙いからカミサンのヘソクリをも守ってくれます。なにより甘ったれた鼻声で飼主のご機嫌伺いをするところが愛らしいではありませんか。しかしなんですな、ひな鶏・牛の角煮・ササミの角切り等々の残滓物の放置をご愛嬌だと受忍すべきでしょうか。もっとも犬には自己責任は問えませんけど。ならば綱の握り手に、それがあるか、それも理由を問いたださねば迂闊なことは申せません。その理由の推測は明日でも考えを述べてみましょう。


家の前のビョウービョウー犬

2005-11-05 15:12:00 | 文芸
「家の前のビョウビョウ犬」という諺があります。ただし諺事典には載っていません。「虚勢を張った内弁慶」にほぼ意味は近いと思います。ところが、「ビョ-ウビョ-ウ」とは何かが不明のままでした。
 茂山千之丞著「狂言じゃ、狂言じゃ」を読み、近ごろやっと納得できました。狂言では、犬は、「ビョ-ウビョ-ウ」と鳴くのだそうです。狐「クワ-イ」、鶏「コ-コ-コ-、コキャ-、コ-コ-」、梟「ポ-ポ-イ、ポ-ポ-イ」。室町時代の人たちには、そのように聞き取れていたのでしょうと、著者は述べておられます。
では一体、犬は「ワンワン」、猫は「ニャアニャア」、狐は「コンコン」鶏は「コケコッコー」と聞きなしたのは、いつの頃からなのでしょうか。



たいしたもんだ蛙の小便

2005-11-02 20:02:54 | カエル
久し振りに囲碁の会でヘボ碁で楽しみました。先生が巧みにそれらしくご指導なさるので、ついついその気になってなって続けております。
兼好法師は「、五十になっても上達しない芸は止めてしまえ」とおっしゃる。ところが未練があるのはわたしばかりでないようです。
 碁会所でぼうっとした小学生に級位を尋ねたところ、三段ですと憤然として答えられ、休日には行かなくなった人も知っています。
 その点蛙のツラに小便のわたしも、フーテンの寅サンが口ずさむ「上を向いたら切りがない、下を向いたら後がない」のペーソスを噛み締めながら黒白並べております。
 今日わたしにはぴったりの舞台装置ができました。見上げたもんだョ屋根屋の褌です。

井蛙坊の肖像

2005-11-01 21:18:18 | カエル
今朝は肌冷えしたので毛糸のガーデガンを着用しました。
郵便局に「写真付き切手」の通信販売を勧めるパンフがあります。写真ばかりでなくイラストもよろしいそうですので、わたしのロゴ付きで先日申し込みました。詳しいことは、郵便局(http://www.post.japanpost.jp)にお尋ねください。なにも竹中左大臣のお手伝いをしているわけではありません。
本日郵便局の係りの方より本人の作であることの確認がありました。下手な絵柄でも著作権の心配をなさっているようです。七十のジイさんのオアソビですがね。