其蜩庵井蛙坊

井戸の底より見たり聞いたり喋ったり

ジャズに生きる

2014-08-31 16:56:10 | 芸事
穐吉敏子の著書に「ジャズに生きる 岩波新書」があります。女史が単身渡米したのは一九五六年一月でした。その三年前に制作されたウエルズ原作宇宙戦争には、いま物議を醸している有色警官が出演していません。不思議ですが(映画は古文書的でもありますね)二六歳でそのような時代からアメリカで孤軍奮励努力し自らの道を進まれ、ピアニストとしてまたビッグバンドリーダーとして八四歳のいまも活躍されているのはすばらしいと思います。宇宙戦争は百円ショップ大創産業で税込み二一〇円で買ったものです。
私は先日来この本を読みながら、やっと半世紀を経てどうやら有色の大統領誕生し民族間の軋轢が和らいだと思いました。しかし深い根を持った紛争は絶えません。中国はシルクロードという国際交流の繋がりがあり、日本にも及ぶ文化的なものはありましたが、万里の長城を強いて築く憂いはありませんでした。水城堤防はその一例でもありましょうが。
文化は他地域からの流入がなければ痩せてしまうのではないでしょうか。アメリカにジャズの発生が無ければなど考えられません。旅行者や短期逗留者では南北アメリカに移民された方々は時代を顧慮しなければ成りませんが、その苦労は並大抵なものでは無かったと推察できます。 単なる成功物語ではなく振り返って時代を洞察する智恵ある本です。

特典電子版

2014-08-30 13:03:17 | 身辺雑記
子供の頃小倉市に住んでいました。町筋が門司側から堺町・大阪町・京町となっていました。今になって洒落た趣向だなと思っています。もともと父は福岡・母は佐賀です。北九州の方言は所謂博多弁とは違いがあり、ヨカヨカとかバッテンなど普通には使ってはいなかったようでした。また博多弁と福岡言葉とも微妙な違いが有りました。
小学生のころ小倉市砂津にある朝日新聞西部本社に見学に行き、活字を細かい木箱に拾い入れながら紙面版を組み上げて行く作業を見ました。校区内ではありませんでしたが、近いことでもあって父兄にも社員の方がおられ、確か級友の父様が勤めておられたと記憶します。
特典電子版を見て写真が美麗な画面で有ることに感心しました。私が写した写真でもプリントよりはPC画面での方がすこぶる綺麗で色彩もリアルです。しかも拡大すれば細部までも鮮明です。また地方版を見ることができ、僅かながらでもその地方の雰囲気を感じることが出来ます。「47」でも全国の情報を察することは出来ますが少々物足りなく感じていました。ただ今度の特典は朝夕の紙面購入が必要で、その点がなければ新聞社の経済がなりませんものね。実は電子版の購入を考えたこともありましたが、ニュースの仕入れが一つになることで中止しました。
私は出不精で近辺を出歩くくらいなので、地方版が手軽に見ることができてよかったと思っています。

龝吉敏子女史

2014-08-27 13:56:09 | 芸事
一昨日テレビで一九二九年十二月十二日誕生の龝吉敏子女史の音楽活躍に加えて健啖振りをも拝見しました。実は四〇年ほど前に九電ビルのホールで彼女の演奏を聴きいたことがありました。その当時同じ場所で「石見神楽」と「クラシク音楽 曲目は全く覚えなし」をを鑑賞しました。石見神楽は八岐大蛇が舞台に現れ、花火の煙幕の中で素戔鳴尊に草薙剣で討ち取られる趣向で覚えています。クラッシクの曲名は当然忘れましたが、中途で眠り込んだ始末でした。ジャズ演奏で眠るほど私は肝が太くはありません。その後別のことで幾度も龝吉と言う名前は聞きましたが、大分県ではさほど珍しい苗字ではないようで当地にもご在住のようです。
五センチ厚さのステーキとワインの日常は精力的活躍の源でしょう。
早速CDを求めに出かけましたが、残念ながら有りませんでした。今は成否は別として取りあえずヤマハ楽器に注文しています。お経代わりに聴いて元気を取り戻そうとかと思っています。

ゲオスミン

2014-08-25 13:03:04 | 科学
NHKの「こども科学相談」をぼんやり聞いていますと、ゲオスミンの話が出て来ました。初耳でしたのでウキペヂアの知恵を拝借しました。ゲスオミンとは雨の降ったあとの地面の臭いを持つ有機化合物の一種でデカリン融合体のアルコールであり、人の鼻はゲオスミンに対して敏感であり、鯉や鯰などの水底に住む淡水魚がもつ泥臭い臭いのもとであるそうです。
先日の広島市土石流の被害者の方が異様な泥臭さを感じて二階に登り自動車が流されているのを見て危険を感じ避難したと話されていました。当時は別としてゲオスミンについての切実な経験だったと思います。
川魚は好みではありませんが、ゲオスミンは酸性性条件で分解されるので、酢など酸性の調味料を調理に使えば泥臭さを抑えることが出来るそうです。「こども科学相談」はのんびり聴取して価値ある番組です。

カーニバル・ファミリー

2014-08-24 08:41:12 | 身辺雑記
肉食動物のことを英語でカーニバル・ファミリーと言うそうです。もっとも私の耳にそう聞こえるのですが正確にはいくらか違うのかもしれません。食虫植物も含め動物性蛋白質を主食にする生き物の全てが含まれるのでしょう。ネコ科のライオンは当然含まれますね。
人間は肉食ばかりすると生活習慣病に侵されます。しかしネコ科の動物はグロノラクトン酸化酵素を持っているため、体内の酵素でブドウ糖からビタミンCを合成出来るのです。更にビタミンAなど身体で合成出来ないものは草食動物の胃や腸で適度に消化された植物や草食動物の肝臓を食べることによってビタミンを摂取します。食肉動物は植物を食べる必要がないだけでなく、植物をたべること反って体調を悪くする可能性もあるそうです(科学の疑問より)。
生活習慣病については各種医療や薬剤が考案されているでしょうが、いずれはカーニバル・ファミリーの知恵を拝借することとなるでしょうね。


時により

2014-08-22 13:47:44 | 身辺雑記
大凡一〇年ほど前に門司のめかり山荘のあたりで八大竜王を初めて見ました。当時はさほどの関心はなかったのですが、金塊和歌集の中に、『建暦元年七月、洪水天に漫り、土民愁嘆せむことを思ひて、ひとり本尊に向ひたてまつり、いささか祈念を致して曰く
時により 過ぐれば民の 嘆きなり 八大竜王 雨やめたまへ』
の源 実朝の和歌があることを知って、八大竜王が水神として雨乞いの祈りの本尊で有ることを知りました。実朝は政治家としては重きを置かれない存在でしたが、心根は次の歌にも表れています。
乳房吸ふ まだいとけなき 嬰児と ともに泣きぬる 年の暮れかな
「佛尊の事典 学研」によると多くは小高い山の頂上に祈雨の本尊として祀られいることが多いそうです。実際に見分したわけではありませんが糸島市内の地図に八大竜王の記入を見たことがあります。探せば瑞穂国の各地にお祀りしてあった場所が多くあるでしょうが、何しろ信仰薄き者は不勉強です。
昨夜半から早暁にかけての雷雨には、時によりと祈念せずにはいられませんでした。雷の豪音響は長時間に亘りました。

小鳥の囀り

2014-08-19 10:52:49 | 生き物
先日スーパーマーケットの二階屋根での礒鵯の囀りを聞きました。礒鵯は鵯とほぼ同じくらいの大きさで、背後に岩壁を控えた海岸に多いとされますが、太宰府市内ではよく見かけますし、囀りも明瞭に聞くことが出来ます。コンクリートの高い建物が増えて岩場を控えた海岸とよく似た環境だと思っているのでしょうか。それにNHK監修「日本の野鳥」は群生の場所での録音らしくいつも聞く美麗な鳴き声でないのが惜しまれます。
小鳥の囀りは聞きなしは文字で表現できますが、ソナグラフ(音声の周波数スペクトルを表示する音声分析装置)でも使用しないと図示できないようです。ソナグラフは商標名だそうで音の分析によって潜水艦の種類がわかるため軍事機密とされ、いまでもFBIなどで人の声の鑑定のため使われているようです。世界には約九千種の鳥がいるが、その内四千種がスズメ目であり、日常見る鳥はたいがいこの目に属しているそうです。カラスやカケスもスズメ目に属しますが、どうも小鳥とは言いにくい気がします。「小鳥はなぜ歌うのか 小島正一先生著」の摘まみ喰い的知識です。

朝寝して

2014-08-17 16:35:31 | 生き物
怠け者の私を詠んだ戯れ歌があります。
朝起きて夜寝るまでに昼寝して時々起きて居眠りぞする
すっきりしないお天気続きでしたが、ぼんやり横になっていますと見る間に晴れ上がりました。蜻蛉の群れが盛んに且つ軽快に舞っています。オニヤンマをオトリを付けた竿で追い回したこともあります。近ごろは何が原因でしょうかオニヤンマもギンヤンマも見かけなくなりました。蜻蛉は二億五千万年の古生代からの生き物だそうです。
ウスバキトンボは環熱帯種で赤道を中心に全世界に生息しているそうです。海洋上を飛翔し、季節風を利用して移動します。五月頃に南九州に現れ、北上を続けて夏の終わりには北海道北部に達します。日本各地で世代を繰り返しますが冬には全滅します。そして翌年また飛来し、世代を繰りかえします(トンボのすべて 井上清・谷幸三共著)。いかにも気楽そうに飛び廻っているようですが、なかなか楽じゃァないようですね。


酔芙蓉

2014-08-15 16:03:11 | 身辺雑記
梅雨に似た毎日が続いています。颱風が温気を持ち込んだせいか妙な日和です。残暑見舞いも出しかねています。予報では残暑は平年よりは厳しくないそうです。電力不足はそれとしてこの分では野菜の収穫に響くこと間違いなしでしょう。
庭の酔芙蓉は毎日紅白の花をつけています。昼過ぎまでは花弁は殆ど白色ですが夕暮れ近くになり紅色から朱を増してきます。夜には色を増すようですが私はそう繁々と見ませんので翌朝地面に赤い花がいくつも落ちていると知るだけです。芙蓉も律儀な花ばかりではなく飲み過ぎれば二日酔いもしますし、植物の書物もその程度で正確さを保っています。そう言えばお盆にお馴染みのホオズキを見かけませんでした。この花が茄子科の多年草だとは知りませんでした。

つくつく法師

2014-08-12 16:15:33 | 身辺雑記
盂蘭盆でお坊さんがお詣り戴きました。合掌して有難いお経を拝聴しました。修業中の若いお坊さんで抹香臭さのなさに好感がもてました。七月のお盆はウラボンといい、その由緒は『仏教盂蘭盆経』に記されているが、この経はインドに原典がない。どうやら中国人が、先祖祭祀をすすめる目的で創作したらしい(日本宗教の常識100 小池長之先生著)。ということですが、さらに同書に民俗学者に言わせると、盆に迎え火を焚いてご先祖様を迎えるのは、正月に床の間に松を飾つてトシガミ様を迎えるのと同じく、日本古来の季節行事だそうです。別段同書によって宗教通になろうと志したわけでもありません。
お坊様をお送りして一服し、風に当たっていますとつくつく法師の声を聞きました。暑いとは言え暦では八月八日立秋は過ぎています。しかし熊蝉にくらべて涼しげに聞こえました。