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歌舞伎鑑賞

2005年09月27日 | masudaizumi.com
今夜は、大阪に戻ってすぐではありましたが、松竹座の歌舞伎をみてきました。

文楽と歌舞伎は同じ演目をやっても全く雰囲気が違います。
とくに、松本幸四郎さんが演出する梨園座の「夢の仲蔵 千本桜」は市川染五郎さんと親子で出演される作品で、オペラでいう「アドリアーナ・ルクブルール」のようなシナリオ。森田屋の歌舞伎に出演している役者・中村仲蔵の一座の舞台を劇中劇でみせ、次の場面では舞台が回転して楽屋裏を舞台にお芝居にしてしまう、たいへん劇的な作品です。

あ、、ちなみに「アドリアーナ・ルクブルール」はフランスのコメディーフランセーズの舞台とトップ女優・アドリアーナの楽屋がセットになっています。私の好きなお芝居のひとつです。このオペラのセット、舞台奥にその当時のお客様がいるような設定になっていて、楽屋から舞台が見える奥行きが二重になっている演出効果や、そこからもれる音や歓声などがうまく使われています。


話をもどすと、「仲蔵 千本桜」は歌舞伎のいろいろな名場面が次々に登場し、梨園ではなく大部屋からのし上がった名優・仲蔵の1770年当時の森田屋の事件も盛り込んであり見ごたえ充分。勉強不足で歌舞伎にまだ慣れていない初心者の私には、オペラにはない華やかな舞台で、役者さんそれぞれの踊りや所作、華やかな衣装と隈取に大変美しい夢をみさせていただいた4時間でした。

今月は、文楽は半蔵門の国立劇場にて「女殺油地獄」が催され、映画や歌舞伎では生々しい、油まみれの殺しの場面を、人形が演じることで、美学として昇華され、芸術になった原点が感じられました。

日本には、こんなに素晴らしい舞台芸術があるのに、難しそうだし、、といってまだ鑑賞をしたことない方がまだたくさんいらっしゃるのは、とても残念。オペラも同様ですが、なんたって、言葉がわかるだけ日本の伝統芸能は入りやすいと思います。敷居は高くないのですが、高そうにみえてしまうのですよね。

でも一度見たら病み付きで、通わずにはいられなくなります。酒井順子さん著のベストセラー「負け犬の遠吠え」にも、そんなことがかいてあったけれど、そういうお年頃なのかなあ・・・。

私はNYに留学するまで、どっぷり洋物カブレだったのが、海外生活を終えると、やっぱ日本でしょ~と日本にはまってしまいました。そんな方多いそうです。


歌舞伎や文楽の劇場は、オペラの劇場のように大きくなくて、一階の一番奥の席でも役者さんの息遣いが聞こえたり、臨場感があるとこが好きです。

来月は、文楽は、年に二回の皆様のお近くの劇場にての地方公演です。私が楽しみにしているのは、弁慶&富樫の「勧進帳」。まだ文楽ではみたことがないので楽しみです。


少しづつ自分のペースで日本を味わいたいな。
歳をとるって、素敵ですね。


いずみ





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