お散歩日和 ♪

「山歩き」「街歩き」と「酒」の日々・・・

池の川谷林道~千早峠~神福山~行者杉~タンボ山~十字峠~天見

2016-09-10 21:44:32 | ひとり山歩き

2016年9月10日(土) Icon_walk_ss13.061km

累積標高(+)1235.989m(-)-1644.165m

 

8月末から立て続けに三つの台風が通り過ぎていった。幸い近畿地方に大きな被害は無かった様だが、被害のあった地方の方々には心よりお見舞い申し上げます。

この台風の影響なのかは定かでないが、先日までの猛暑から解放されて、ここ数日少しではあるが秋の気配を感じる。

さて、今日も最高気温31.5℃と夏日ではあるが、カラッとしていて爽やかな気候。高く感じる青空に浮ぶ白い雲は、明らかに真夏のそれとは違っている。昨日の天気予報通りになった。

昨日、予報を聞いた時点で「山歩きのムシ」が騒ぎ出し、今日の予定を考えていた。という事で、何時もの「ズボラ山行」と違って早起きしての出発となった。勿論、前日のうちに買出しもばっちりと済ませてある。

行先は、先日F君・N君との「金剛山登山」の際に「勇気ある撤退」を決断した「千早峠」

ここから、計画の残り部分(ダイトレ・タンボ山〜十字峠〜天見)を歩いてみる。実はここからは全く同じルートを数年前(10年以上前、まだ山歩きを始めて間も無い頃だったと記憶している)にも歩いた事がある。しかし要所要所の記憶はあるのだが、これだけ年月を経ると記憶は断片的になっている。


南海高野線「白鷺」駅8:45発で「河内長野」駅に到着、すぐに「金剛山ロープウェイ前」行のバス停に向かう。9:15発のバスには結構な人が並んでいるが、目算で何とか座れるだろうと判断して最後尾に並ぶ。すぐにバスが到着して乗り込む。ところが目算を誤った様で座席は埋まってしまった。降りて次のバスにしようかと思ったが、続々と人が乗り込んで来るし、ピタパを使っているので手続きが面倒な気がして諦めた。

「金剛山ロープウェイ前」に9:50到着、結構疲れた。

やはり今日は気候がいい事もあってか、バス停は団体さんも多数でごった返している。静かに歩きたい人間にとっては辟易してしまう。まあ、殆どの人は金剛山に向かうであろうから、今から私が歩くルートは安心だろう。

バス通りを下り林道の入口に向かう。

林道入口に「馬場谷の延命水」という湧水がある事は前回の山行時に確認している。今回は空のペットボトル(500ml×3)を持参、二本は持ち帰り用、一本は昼食用に使う予定。リュックが重くなってしまった。

ここから、前回下って来た「池の川谷林道」を登って「千早峠」を目指す。こんなルートを歩く人間はいないだろうと安心していたが、林道入口には約20名近い団体さんの先客がいた。自然観察の教室か何かの様で、講師の様な人が何か説明をしている。

追い越して速足で進む。やがて賑やかな声が聞こえなくなり、森の静寂の中に、沢の水音と鳥のさえずりだけが聞こえる様になった。

一休みした後、ペースを落としてゆっくりと登る。

「ツリフネソウ」が最盛期の様で、濃いピンク色の花の群生がそこかしこで見られる。

大好きな「ゲンノショウコ(白花)」の可憐な姿も確認できた。

この林道は思いのほか豊かな自然が残っている様で、訪れる度に珍しい花や鳥や虫との出会いがある。

今回も、今までに見た事のない、まるで赤備えの甲冑を纏った様な綺麗なカメムシに出会った。

それにしても「カメムシ」であるとか「蛾」であるとかは、いったいどれ位の種類がこの世に生存しているのだろうか。歩いていて初めて目にするという物には「カメムシ」や「蛾」が多い。

緩やかな傾斜の気持ちのいい林道を登り切ると「ダイヤモンドトレール」の「千早峠」に到着。

先程書いた通り、先日は「中葛城山」方面からこの「千早峠」に至り、計画変更して林道を下った。

今日はここから「ダイヤモンドトレール」を「紀見峠」方面に向かい、先日の計画の残り部分を歩く。

植林帯の中の平坦な道を進むと、程なく「神福山」を指す道標が現れる。少しだけトレールを離れ、急坂(と言っても大した事は無いが)を登ると「神福山」(792m)の山頂に出る。

小さな祠が祀られており、地図には「笹尾神社」と表記されている。ここで、今日の山行の道中の安全を祈願して、トレールに戻る。

しばらく歩くと丸太階段が現れ、結構長い下りが続く。

下り切ると国道310号線の金剛トンネルの上部を通過。また比較的に平坦な道になる。

左手(南側)に展望が開けて、紀ノ川を挟んで九度山から高野山方面が望める。

「行者杉」(715.5m)に到着だ。

広場になっており、杉の古木に護られる様に祠が建つ。古来よりこの一帯は修験道の中心的な行場で、祠には修験道の開祖「役小角」が祀られている。

ここからしばらく歩き杉尾峠を越える。

今まで植林帯だった植生が自然林に変わる。

明るくなった森の中を進むと、丸太階段の上りになる。

しかし、これも長くは続かず、呆気なく「タンボ山」(763m)に到着。

ここまで歩いて見て感じた事は、今日の天候の影響もあるのだろうが、記憶に残っていた印象よりも気持ちのいい道だという事と、上りらしい上りは全く無く、少し物足りない位だという事だ。

更に進むと「十字峠」への分岐の道標がある。

ここで「ダイヤモンドトレール」に別れを告げ、地図に破線表記されている「セノ谷」を下る。

この辺り、ダイヤモンドトレールと工事中の林道が並走している。以前はこの林道は無かったと記憶している。

「十字峠」へは、この林道を横切って谷に下る道があるはずだ。

ところが、羊歯などの草木が生い茂り、谷への道の入口が見当たらない。

林道沿いを進んでみるが、明らかに方向がおかしい。引き返して元の場所に戻る。

再度よく見ると、茂みの中に測量に使う様な赤と白のポールが立っており、微かに踏み跡があるのが確認できる。半信半疑で踏み跡を辿り、膝上位まである茂みを掻き分けて進む。記憶にあるルートはこれほど荒廃してはいなかったが、確かに谷底に向かっており間違い無いと思われる。まあ、万が一間違っていたとしても、登り返してルート変更する位の体力は残っている。

しかし谷底に降り立つと小さな沢が現れて、道は忽然と姿を消してしまった。このまま進むべきか、引き返すべきか。地図を確認するが間違ってはいない。

沢の水の中を歩いて少し進んで見る。別の沢が流れ込んで来て合流し、小さな湿原の様になっている不思議な場所に出た。

ここで対岸に再び踏み跡が現れる。ここから道は谷底を離れて、左手の山の山腹を巻いて行く。

と言っても、人一人がやっと歩ける位の細い道で、更には再び膝上位の草が茂って、足元が見えない。右手は谷底に向かって急斜面になっており、滑落すると大変な事になりそうだ。何より怖かったのは、崩落箇所が数箇所あったのだが、それが草に隠れて見え難かった事だ。まるで落とし穴の様な物で、歩いているだけで神経が擦り減る。

こういう状況が結構長く続いた。ようやく林道に出た時には疲れきっていた。谷を下る前には「少し物足りない」などと偉そうに思っていた事を恥ずかしく感じた。

コンクリート舗装の林道を下る。分岐が多くてややこしいが地図を確認しながら慎重に進む。

途中、ミツバが自生していたので、昼食用に採取する。

見覚えのある風景になり「十字峠」に到着。

ここまで来ればもう迷う事はないだろう。計画通り昼食にする。目星を付けていた静かな木陰でセッティング。



(本日のメニュー)


・ラ王(豚骨醤油)
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ・ミツバ(天然・採取)
・マヨネーズ
・シーチキン マイルド
・サッポロ黒ラベル500ml
・國乃長ビール(蔵ケルシュ)330ml



変わり映えのしないメニューだが、今のところ飽きる事はない。

それと、今回もクラフトビールを調達して来た。


「國乃長ビール(蔵ケルシュ)」

詳細は下記の通り(HPより引用)
・麦芽:ペールモルト/カラメルモ ルト
・ホップ:チェコ産、ドイツ産
・酵母:エール酵母
・IBU(苦味価):25
・アルコール度数:5%
【特徴】
麦芽の旨みとキレのある味わい。食事とよく合うビールです。

HPの説明通り麦芽の旨味なのだろうか、コクが有りながらも重すぎず、美味しいビールだった。
と言うか汗を流した後に、いい景色(今日の場合は、先程歩いて来たダイヤモンドトレールが通る稜線に青い空と白い雲)を眺めながら外で飲むビールは美味いに決まっているのだが。

ここで一句
「カエル瓶 白雲浮ぶ 稜線に 夏の名残りの ツクツクボウシ」

 

今回のラーメンは、林道で採取したミツバをトッピングしてみた。豚肉との相性も良く、アクセントになって美味しかった。

 

 



後は、何と言っても食事中に遭遇した信じられない様な素晴らしい出来事。

森の中からカラ類の混群(コガラ・ヒガラ・ヤマガラ・コゲラ、15〜20羽位)が飛来し、ほんの目の前(大袈裟では無く5m位の距離)の枯枝に、一羽ずつ入れ替わり立ち替わり止まっては、さえずりを聴かせてくれる(さすがにコゲラの出演は無かった)。カラ類の混群には今迄も山中で何度となく遭遇しているが、これほどの至近距離で、しかも明るい陽の下で観たのは初めての経験だ。綺麗な景色に鳥の歌声、なんとも贅沢な昼食になった。しかし音を立てて驚かせてはいけないと思い、食器の扱いなど少し気を遣わなくてはならなかったのは事実だ。結構な時間滞在してくれていた群もやがて移動して行った。

私もそろそろ撤収する事にしよう。

ここから先は、勝手知ったるルートで「島ノ谷」の集落に下る。

南海高野線「天見」駅に到着。

もちろんその夜は、持ち帰った湧水でお湯割りを頂いた。

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