お散歩日和 ♪

「山歩き」「街歩き」と「酒」の日々・・・

「京都一周トレイル③」(東山ルート)浄土寺橋〜比叡山

2017-05-03 22:49:05 | うだつ会

2017年5月3日(水) Icon_walk_ss17.984km

累積標高(+)3577.544m(-)-3552.498m

 

今日は、2015/5/3の「京阪伏見稲荷駅〜蹴上(東山1〜東山30-2)」2016/11/26の「蹴上〜浄土寺橋(東山30-2〜東山52-1)」に引き続き「京都一周トレイル(東山ルート)歩き」の第三弾。「浄土寺橋〜ケーブルひえい」駅(東山52-1〜東山74)」を歩いた後、「比叡山山頂」を目指す。メンバーはF君・N君・S君・私の4名フルメンバーが揃った。

京阪電車「出町柳」駅に8:00集合。の予定だったが、F君から「おはようございます。今淀屋橋ですが、8時14分到着になります。申し訳ないですm(._.)m」とのラインが入る。まあ今回はバス利用でも無いし大した問題では無い。

駅を出てN君・S君と合流し、F君の到着を待つ。

待っている間に、昨日N君が購入した「京都一周トレイル(東山ルート)」の地図で、今日のルートの再確認。その時にN君から「とんでも無い事実に気づいた」との発表があった。前回の「蹴上〜浄土寺橋(東山30-2〜東山52-1)」で「大文字山山頂」から後歩いたルートが、トレイルから外れていると言うのだ。確認するとN君の言う通りだった。この問題をどう処理するかは、後日話し合いたいと思う。

そうこうしている間にF君も無事到着。晴れ予報だったが天候は薄曇り。快晴とはいかないが、かえって涼しくて歩き易い。今出川通を東へ進む。

するとF君が今度は「酒を買いそびれた」と言い出した。F君ともあろうお方が、我々の山歩きで酒がなくてどうするのだろう。「百万遍」の交差点角にコンビニがあったので立ち寄る。

「京都大学」の前を通って、洒落た飲食店が立ち並ぶ通りを銀閣寺方面に更に進む。

白川通との交差点にトレイルの道標「東山52-1」がある。

ここから今回の「京都一周トレイル(東山ルート)歩き」の第三弾をスタート。

道標に従って、「志賀越道」の閑静な住宅街の中を歩く。乘願院の門前を左折して御蔭通に入り、すぐ右折。ここから山道になる。

小さな沢沿いの気持ちいい山道。

クリンソウが一輪、可憐に咲いていた。

市街地から歩いてすぐの場所にこの様な清流が有るのが京都のすごい所だ。

道標「東山56-2」で分岐が現れる。右が本道の様だが、左がどうも気になる。メンバーの疑いの声を浴びながら左に進む。少し不安はあったが、しっかりした踏み跡が続いていて安心した。

しばらく登ると、苔生した大きな岩塊がゴロゴロと転がっている。良く見ると灯籠の台座の様な物も見受けられる。案内板が立っており、ここが昔、この山域で採掘される銘石、「白川石」の中間作業石置き場だったと分かった。

この後、江戸時代の伝説的な人物、白幽子(はくゆうし、1646-1709)が使っていたという井戸跡(白幽泉、長命水)や白幽子が晩年に過した白幽子寓居跡を経由。

途中、樹々の切れ間から目的地の「比叡山」を遠望できた。想像以上に遥か遠くに見える姿に、気を引き締める。

この辺りで長袖は暑くなりTシャツに。

さらに進むと「瓜生山」(301m)山頂に到着。

山頂には「狸谷山不動院」さんの奥之院の祠があり、祠の裏には以前「勝軍地蔵」が祀られていたという石室が残る。奥之院で今日の山行の無事を祈願。

山頂は南側の展望が開けており、「清水山」(第一弾で登頂)や「大文字山」(第二弾で登頂)の山並みが連なって見える。「ここを歩いて来たのか!」とこれまでの道程を回想して感慨に耽る。

ふと振り返るとそこには、そんな事は意に介さずとばかりに、大きなおにぎりを頬張るS君の姿があり、現実に引き戻された。まだまだ先は長い、一休みして出発。

ここからは下り。以前であれば不満の声が上がる場面だが、さすが経験を積んだメンバー。今回はその様な事は無かった。

しばらく下ると新緑が気持ちいい比較的平坦な道が続く。

平坦な道は歩き易く、山歩きしていて一番楽しい場面だと思う。しかし、おかしなもので余りに長く続くと、この後どれ程の険しい登りが待っているのだろうと疑心暗鬼になってくる。

道中出会う人は、前回もそうであったが(前回以上に)ハイカーは少なく、やたらとランナーが目立つ。

やがて前方が開けて、石の鳥居と灯籠が立つ広場に出る。

「無動寺大弁財天」の「二ノ鳥居」だ。

ここから「音羽川」の谷に更に下る。地図を見て「この下りはキツそうだ」と予測していたが、それ程でもなく助かった。

沢に降り立つと、清流に架かる木橋を渡って対岸に渡渉。

少し歩くと、「雲母坂」の登山道に合流する。

ここで一休み。N君が持参した行動食のチョコレートを皆に分けてくれた。糖分を補給して、この後に予測される険しい登りに備える。

意を決して出発。「雲母坂」の登山道は人気のルートで、急にハイカーが増えて賑やかになる。しかも国籍もバラエティに富んでいる。単調な植林帯の中を延々と登る。休んでは登り、休んでは登りを繰り返す。修行の様な時間が一時間弱続く。

やっとの思いで登り切ると、視界が開けて、京都の街が一望できる大パノラマが広がる。うっすらとではあるが、遥か「金剛山」の勇姿も望めた。

絶景にここまでの疲れが吹っ飛ぶ思いがする。

ここから「ケーブルひえい」駅までは、しばし平坦な道を歩く。

駅の前に、トレイル(東山ルート)最後の道標「東山74」がある。

これで(東山ルート)の踏破達成という事になる。(但し冒頭に書いた、大文字山四つ辻「東山45 」〜浄土寺橋「東山52-1」の問題はあるが・・・)。

駅の反対側に廻ると(北山ルート)最初の道標「北山1」がある。

次回の京都一周トレイルのスタートは、ここからになる訳だが、地図で見る限り(北山ルート)はかなり手強そうだ。

今日は「比叡山」山頂を目指して(北山ルート)のごく一部分だけを歩く。車が通行出来る位の広い道幅の未舗装道を登る。

途中でメタリックな質感が美しい「ルリセンチコガネ」に出会った。

閉鎖になった「比叡山人工スキー場」跡の辺りでトレイル(北山ルート)に別れを告げ、コンクリート舗装の急傾斜を登る。疲れた脚にはかなり堪える。それでももう少しで山頂だと思うと我慢出来る。恒例のN君の「ビール」コールも飛び出した。

ところが、なんだか様子がおかしい。「ガーデン・ミュージアム」の門の前から、明らかに山頂とは違う方向に向かって下り坂になる。するとN君が、山頂への案内板を発見。手書きの簡易な案内板で、分かりづらいが、とにかく今登って来た道を戻らなくてはならないのは間違いなさそうだ。さすがにメンバーからは、道迷いに対する不満の声があがる。F君からは「ここを頂上という事にしておこう!」などと乱暴な意見も出る有様だ。我々が騒いでいるのを見て、通りがかりの男性が道を教えてくれた。頂上が近付いた事に浮かれていて、分岐を見落とした様だ。

どれ程戻らなくてはいけないのか、不安に思いながら歩く。幸い100m程戻ると分岐が現れた。ミュージアムの満開の「石楠花」を横目に進むと、すぐに「比叡山ドライブウェイ」の比叡山頂パーキングに到着する。

わざわざ辛い思いをして山道を登らなくとも、車でここまで来る事が出来るのだ。売店などもあり、深山に特有の秘境的な趣は皆無だ。これは「高野山」もそうなのだが、個人的には「比叡山」の様な歴史的な宗教の聖地で、「千日回峰」という様な荒行の行場でもある山に、ドライブウェイなどは無い方が良いと思う。

そんな事を考えながら、ハイヒールを履いた女性を横目に見て、リュックを担いだオッサンの集団が山頂を目指す。

ここから山頂はもう目と鼻の先で、舗装道路を少し登ると芝生の広場にコンクリート製の大きな立方体(水道施設)がある。横を通り抜け「朝日放送・関西テレビ比叡山中継基地」「読売テレビ比叡山中継基地」の前まで来るが、三角点が見当たらない。全員で手分けして捜索。すると水道施設の壁に、山頂を案内する矢印を発見。矢印は元来た方向を示している。どうやら我々が通り過ぎて来た、水道施設の手前の、茂みの中が山頂の様だ。

茂みに隠れて気付かなかったが、中は周囲より小高くなっており、最も高い場所に「大比叡」(848.1m)山頂がある。

知らなかったが比叡山は、「大比叡」と「四明岳」(838m)からなる双耳峰だそうだ。「四明岳」山頂は、先程一悶着あった「ガーデン・ミュージアム」の園内にある。

「大比叡」山頂には「比叡山一等三角点」がある。久しぶりの三角点チェック。

全員で記念撮影をして、いよいよお待ちかねのビールタイムだ。

山頂一帯は展望こそ無いものの、草芝の広場になっており、人気も少なく静かで、店開きするには絶好の場所だ。どうぞテーブルに使って下さいと言う様な丸太の切れ端も転がっていた。準備完了。

乾杯!

食料について事前に打合せはしていないのだが、今回は見事な缶詰大会になった。

しかも偶然にもメニューのカブリは無く、バラエティに富んだメニューになった。

(本日のメニュー)
・ラ王(豚骨醤油)もちもち極太麺
・(ラーメントッピング用)豚肉・ネギ
・サバのオリーブオイル漬け(レモン・バジル味)「Ça va?」
・牡蠣スモークのアヒージョ缶詰
・サッポロ 黒ラベル500ml
・キリン クラシックラガー500ml
・月桂冠300ml

(F君・N君・S君持参の缶詰)
・(缶つま)シャコのアヒージョ
・(缶つま)赤貝 どて煮風 山椒入り
・牛すね肉の赤ワイン煮
・KING OSCAR オイルサーディン
・さんま蒲焼

ここで、一つ残念だったのは、前日にF君が京都に用事があり、人気の食パン専門店「乃が美 京都店」でパンを買っ来ると言ってくれていたのだが、定休日で調達出来なかった事だ。皮肉にもパンが欲しくなる様なメニューになったが、パンが無くても美味しい事に変わりは無い。

もう一つ、これは個人的に残念な出来事。缶詰を温めて食べようと、バーナー「プリムスP-2253A」を取り出す。しかし、着火装置を押してもカチッと言わず、着火しない事態が発生。長年愛用していただけに、何ともショッキングな出来事だ。幸いS君もバーナーを持参してくれていたので最悪の事態は回避出来た。

あと缶詰以外にも、S君がお手製の「出汁巻」を持参してくれる事を事前に聞いていた。果たしてリュックからそれを出した瞬間、不自然な沈黙の時間が流れた。これには理由がある。昨日、S君以外のメンバーで話していた事なのだが、一昨日に大量に作り置きした事を聞いて「腐りやすいこの季節に、一昨日作った物を山に持ち運んで大丈夫なのか?」。S君には誠に申し訳ない話なのだが、皆が疑っていた。しかし、酔った勢いで箸を付けて見ると大丈夫だ。と言うか、かなり美味い。美味いとなると、現金な物でアッと言う間に売切れてしまった。改めて、S君にはお詫び申し上げる。


それぞれに持ち寄った酒を飲み、N君は芝に横になって「シエスタ」のルーティンをこなし。最後は、F君が麓のコンビニで買った赤ワインのフルボトルのご相伴に与り、相当いい感じに出来上がる。

(ここで一句)

「御仏の 宿りし山に 夏草の 風にそよぎて 昼酒美味し」

結構長居していい時間になってしまった。片付けをして下山に取り掛かる。


ここから「水飲対陣之跡」の石碑が立つ場所までは、登って来た道を戻る事になる。

「ケーブルひえい」駅が近づくと、N君が「ケーブルで下山しよう」といい出した。冗談だとは思ったが、念のため「ケーブルで下りたのでは、比叡山に登頂した事にはならない」と説明。それでも言ってくるので、こちらも酔っ払っているし、面倒くさくなり無視して進む。後から思うと大人気ない対応だったと反省している。

時間も無いので、先頭に立ちハイペースで下る。「水飲対陣之跡」に到着。ここまでくれば下山路も中間地点を過ぎている。心に少し余裕が出来る。ここからはペースダウンして進む。

この先、両側が背丈より高い壁になっており、壁の間は人一人がやっと歩ける程のスペースしか無い。

水流により侵食されたのだろうか、独特の地形が続く。足元は落ち葉で滑る。

酒のせいだろうか、珍しくF君が二度程しりもちをついていた。

しばらくすると、この様な山中にも関わらず、右手に延々と続く柵が現れる。何だろうと思っていると宮内庁の名が記された立札があった。ここでこれは「修学院離宮」の広大な敷地の一部である事に気付く。

「きらら坂・登山口」の道標が立つ三叉路で無事下山終了。

「音羽川」沿いの一般道を進む。

せっかくここまで来たのだから、「修学院離宮」の門前を通って帰ろうと言う事になり右折する。

すぐに左手に石垣と紅葉の新緑に包まれた「禅華院」の山門が見える。

二階が鐘楼にっており、小ぢんまりとしているが趣がある。

「修学院離宮」の門前から少し中の様子をうかがう。

ここから叡山電鉄「修学院」駅に向かう。

「修学院」駅から叡山電鉄で「出町柳」駅へ。京阪電車に乗り換えて「京橋」駅で下車。行き着けの「ユートピア白玉温泉」さんで汗を流した後、こちらも最近京橋では定番の、川沿いの「徳田酒店 片町店」さんで反省会。

→「京都一周トレイル②」(東山コース)蹴上〜大文字山〜浄土寺橋

→「京都一周トレイル④」(北山コース)比叡山〜(大原)戸寺

 




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