ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

犬ごはんの考え方

2013-07-09 | ごはん
イヌがオオカミから分かれ、人と暮らし始めて、1万~1万5千年。
その間、犬は人の食べ物を分け与えられ、命を繋いできた。

文明が進み、農業の発達に伴って、
人は、穀物の消化能力を高めるという進化を遂げて来たが、
摂る食べ物においても、それぞれの民族で消化能力に違いがある。
身近にある食べ物の消化吸収力をいかに高めるかということは、
人の進化の歴史の中で、重要な課題であった。



人と暮らすことを選んだイヌもまた、進化の過程で、
肉食にこだわらず、人が食べる穀物や野菜などに対して、
消化能力を高めてきたと考えられる。
犬は、食物摂取において、人と共に進化してきたのではないかという
スウェーデンの研究チームによる犬DNAの研究は、とても興味深い。

であるならば、
愛犬にどんな食べ物が合うかを考える時、
犬の原産国・地方における伝統的な特産品は、
大いに参考になるのではないかと思うのである。



ピレネー山脈とその山麓に広がるミディ・ピレネー地方の特産品は、
何と言っても、鴨のフォアグラ、トリュフ、ワイン、チーズ・・・
調べてみると、他にも羊や山羊の乳製品、サフラン、黒豚、
豆や有機農産物など100種類にも及ぶ。
とても食文化に富む地域である。



郷土料理では、白インゲンと鴨や羊、豚などを
トマトや野菜と一緒に煮込んだ
カスレという料理がよく知られている。
この地方で、古くから愛されてきた。

古のピレネーたちも、鴨の肉やフォアグラ、チーズのおこぼれ、
豆と肉の煮込みの残りやパンをもらったりしていたかもしれない・・・
だとしたら、少量でも栄養価が高く、美食家である。

自分の好きなものだけをゆっくりと口に運ぶピレネーの食し方は、
こんなところに原点があるのだろうか。

ピレネー山脈の厳しい環境の中で、羊飼いとともに、
信頼し合いながら生きてきた寡黙で我慢強い姿には、
そんな食の支えがあったのかもしれない。



ところで、
人が食べるための新鮮な肉や魚、野菜(ネギ類除く)、海藻、穀類、果物などの食材と
乳製品や発酵食品などの加工品、油脂(オメガ3脂肪酸)や自然塩は、
量を間違えなければ、
私は、どれも犬の体に良いと思っている。


穀物や野菜の消化されなかった適度な量の食物繊維は、
不溶性食物繊維が人の腸に与える影響と同じように、
犬の腸を健康に保つメリットがあることが分かっている。
しかし、摂り過ぎると、全体の消化率が落ちるため、便が緩くなる。
この状態が続けば、腸や内臓に負担がかかることになってしまう。

適度な量とは、栄養学的には基準があるのだろうが、
個体差もあるため、愛犬に合った量を知るには、
良い便になるよう調節することが、ポイントになると思う。

そして、特に若犬は、体重よりも体型を重視、
糖質の摂り過ぎは、NGである。



人も動物も、動植物の命を頂いて、自分の命にする。
生命力にあふれるものを摂ることは、人の食の課題でもある。
犬もまた、同じであると思う。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




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