ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

聖夜のピレネー

2014-12-25 | おうち
聖夜、静けき真夜中・・・
ショパンのバラード第一番が聞こえる部屋で
Zionは夢を見ているようだった。

その穏やかな眠りに溶け込むように
私は先日のことを思い出していた。

散歩の途中に時々、Zionがご機嫌伺いに立ち寄る店がある。
「Zionちゃんを見てると何故だか涙が出て来る・・・
何でだろう・・・」
お店の方がそう言って、涙を拭った。



犬らしい甘え方はしない。
人で言うなら無口、無愛想。
でも、ふと気づけば、何気なく近くで寝ていたり、
何気なく後を追いかけて来たりする。
何も出来なくていい。
ただ、山のようにどかっといてくれるだけで、
幸せな気持ちになるのだから。
いつも当たり前過ぎて、忘れている気持ち。

きっと、同じように感じて下さったのだ。

Zionはその涙を拭う指、顔をじっと見ていた。
そして、ゆっくりと左の前足を差し出した。
右の前足も差し出した。

Zionの気持ち、伝える言葉・・・

ちゃんと届いたと思うよ。



ピアノの音が青白く凍る湖面を跳ねながら闇に消えていく。

Zionが2階の自分のベッドルームに上がって行った。
私は取り残された気持ちになりながら、
伝える言葉を探している。

静かに更けていくクリスマスの夜。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




組み込まれたプログラム

2014-12-08 | 生態・行動
朝は江津湖のほとりを散歩し、午後から熊本城へ。
Zionは色づいた落ち葉を不思議そうに眺めては
その上をさくさくと音を立てて歩いた。



本当におとなしいですね・・・誰かが話しかけてきた。
そうでもないと言おうとしたのだが、
応える間もなく、Zionは駆け出した。

待って~っ!



何かいた?



斜面を上ったり下ったり、追いかける、追いかける。



捕まえてどうにかしようというわけではない。
ただ、確かめなければならないのだ。



追うためには、柵も助走なしで飛び越える。



その真剣な眼差しの先に・・・



ギャーッ。
追いつめられながらも、どこか余裕の猫たん。
爪を立てているに違いない右のおててが妙に可愛い。



結局、逃げられたけど、面白かったなー。
とでも言いたげに、二の丸跡を闊歩する。

Zionに組み込まれた追って確かめるプログラム。
それは、外の世界でふいに訪れるファンタジー。

そして、さらなる外の世界へとZionを誘う。



今日もいっぱい、遊んだなー。
さて、もうひと回りして来るか・・・
夕日がきれいだね。

・・・って言うか、もう、カンベンしてよ!


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!