ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

尊敬される人

2016-07-27 | おうち
7月に入ると、散歩道で聞こえ始めたせみの鳴き声。
18日に梅雨明けしてからは、この小さな庭でも朝から晩まで響いています。
午前中はクマゼミ、午後からはアブラゼミ、ニイニイゼミ?
いったい何十匹のせみが鳴いているのでしょう。
ものすごい、ものすごい音量です。



今朝は4時20分に散歩に出ました。
26℃、Zionはなかなか帰ろうとせず、
しぶしぶ帰宅したのは6時15分。
23~24℃の日となると、わずかな涼にも心地よさを感じ、
彷徨いぐせから抜け出してもらうことが大変です(笑)。
と言うのも・・・



Zionが本気で嫌だと言うと、力づくでは動かすことが出来ません。
好きな食べ物にもつられないのです。
Zionを動かすのは、心のやりとり。
それしかありません。



夏本番、宿根フロックスが咲き始めました。

野犬の群れにおいて、リーダー犬はどのようにして生まれるかという
いくつかの研究報告を読んだことがあります。
それによると、リーダー候補の犬が強い力を見せつけて
トップの座を勝ち取るのではないといいます。

ある一頭の犬の行動を見ていた別の犬が
その犬に自発的について行くことがあるそうです。
ある一頭の犬の後には、そんな犬が増えていき、群れが出来ます。
つまり、慕われ尊敬される犬が自然にリーダーにされるというのです。



尊敬の基準は何なのでしょう。
食べ物を得るためのカンが優れていたり、
身を守るための判断が正確だったりするのでしょうか。
それとも、想像もつかないことでしょうか。
犬の口から聞いてみたい・・・



このことは、人との関係においても大変参考になります。
人の価値観を押しつけるリーダー風を吹かしていては、
本当に良い関係は結べないことをあらためて感じます。



ピレネー犬は伝統的に独立心が強く、自分の判断で動き、
その判断を高く評価してもらうことで、人との信頼関係を結んで来ました。
そうした遺伝子を多く受け継いでいる個体ほど、
強いコマンドでコントロールしようとすると、
良い結果が出ないことが多いように思います。
むしろ、こちらが尊敬されていれば、
対話の中で意図を読み行動するとても頭の良い犬です。

では、尊敬される人とは・・・



羽化の頑張りが目に浮かぶようなせみのぬけがら。

重なり合う鳴き声の中、一つ一つ仕事を片付けると、
早起きの代償が襲ってきそうです。



ザ~ッ!
急に辺りが静まり返り、強い雨が庭を濡らしていきました。
無残に倒されたフロックス。
気温が下がるどころか、蒸し暑くなってしまいました。

明日はせめて低湿度になりますよう。

そして、Zionの彷徨いぐせを尊重しつつ、
無理のないよう散歩(放浪)を楽しみましょう。
心のやりとりを繰り返しながら。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!





光と影の合間から

2016-07-11 | 庭・花
針葉樹の香り、雨上がり。
折れた地植えのデルフィニウムやジキタリス。
あちこちに散らばった木の葉、花びら。
片づけをしていると、辺りが急に眩しくなった。



蕾を開いては、雨風に傷めつけられる薔薇たち。
それでも、薔薇はたくましい。



小ぶりになりながら、よく咲くウィズレー。
夏は咲かなくていいよ・・・少し、剪定しよう。



どの桃色とも違う魅力的なストロベリー・ヒル。



繊細で優しいオーラに癒されて。



今年はなぜかサーモン色が出ないウィリアム・モリス。



大雨が降る時、重くて動かしづらいコンテナには傘を立てかける。
その傘をはずし、駐車場に避難させていたコンテナをまたデッキに並べた。



太陽の光が強くなると、輝き始める夏の花たち。
蒸れた下葉や終わった花を取り除く。



いっぱい光を浴びて、ご機嫌さん。



木の陰になる玄関横には、グリーンの寄せ植え。
他の小物もあるべき所へ配置した。

さらに庭仕事は続く。
伸び過ぎたオールドローズを剪定し、
レモンバームの茂みもすっきりさせた。
そして、西洋ニンジンツリーの葉っぱに手をかけた時、
見つけた!



きみは・・・もしかして・・・
エキナセアの花びらにいた・・・
あのカマキリの赤ちゃん?

あの時は1センチほどだったのが、今は2センチくらい。
目や体がずい分、しっかりしてきた。

宿根草などの茂みは気をつけているけれど、
ばっさり切って、危うく一緒に捨ててしまうところだった。

あの赤ちゃんではないかもしれないけど・・・
嬉しいよ、また会えて。

私は、きっと、あのこだと思う。

Zionが大声で吠えている。

遠くから響いてくる雷の音・・・
空はにわかに鉛色。
えっ、また、雨?


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!





夏の悩み

2016-07-08 | 生態・行動
大雨・強風の日々を乗り越え、7月の眩しい光。
どこからか聞こえて来る初々しい蝉の鳴き声。
いいな・・・心弾む好きな季節。
でも・・・Zionを思うと、好きでなくなる。

高温注意報、最低気温29℃、早朝から蒸し暑い。
7月3日はそんな日だった。
散歩を早く切り上げようとすると、
Zionは断固として踏ん張った。



暑いのに、遠くへ遠くへ歩きたいのだ。
木枯らしの季節、そうしたように。

それほど散歩が好きなのに、
無理やり連れて帰られるのもストレスに違いない。
そう思い、ある程度はZionの意思を尊重する。

その夜、Zionは下痢をした。
やはり、体には負担がかかるのだ・・・



それでも翌日は復調し、相変わらずの願望を主張する。
心は、どこまでも冒険と探究心に満ちている。

もしも、人が読書や新聞・TV・ネットなどの情報を制限されたら、
著しくつまらないばかりか、精神が不安定になるだろう。

犬にとって散歩は、まさに同等の価値を持つことを思うと、
運動することだけでなく、心の充足を大切にしてあげたい。

いかに体調を崩すことなく、願望に沿えるか。
やっぱり今年の夏も、課題になる。



キッチンの小窓から夏が見える。
家の中は室温20℃~23℃、湿度40%ほど。
散歩に出た時の気になる温度差、湿度差・・・

体に暑さの負担がかからない距離や時間の中で、
Zionの心が満ちるような散歩とは・・・



夜は早朝より暑いから、少しだけ歩く。
納得はしていなくても、説得に応じるZion。

夏だって、質のいい散歩を目指したい。

Zionに話しかけると、私の目をじっと見つめた。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!