天国からのメッセージ

あの日も、残暑が厳しい日だった。

８年前の９月２日、１３年６か月の間、家族を支えてくれた実家の愛犬が、
天国へと旅立った。

一度だけお腹をこわした事があるものの、生涯、病気をする事もなく、
歳をとるということさえ、感じさせなかった
ピレネーの男の子、ミルキー。



８月も終わりに近づく頃、それまで元気に散歩をしていた
ミルキーの後肢が動かなくなった。

その５日後、
いつものように朝ごはんを食べたが、元気がないと心配する母に撫でられながら、
静かに息を引きとったのだ。



優しくも、凛とした、強情な性格は、最期まで、自らの白く輝くコートを汚しもせず、
さよならも言わずに、旅立って行った。


こんな生きざまもあるのだ・・・旅立つ日を自分で選んだのだ・・・と思った。


ミルキーは、実家の庭の、家族が一番よく通る場所に眠っている。




Zion（シオン）を迎えるまでに、５年もかかったけれど、
ミルキーは、今なお、色々なことを教えてくれる。

天国からのメッセージは、今年も何もないのだろうか。

故郷のピレネーの山は、とても居心地がいいんだね。

よかった。



今日も会いに来てくれて、ありがとう


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