ピレネーの山の犬 Zion♪シオン

シオンとともに歩く道、ともに見る風景、暮らしと庭の花たち。

2頭の犬が選んだこと

2015-07-28 | 社会
家庭の事情により里親募集に出された2頭の超大型犬。
ともに年齢はシニアである。

飼い主がこの決断をしている時、
2頭はどんな気持ちでいただろう・・・
想像するだけで、寂しく、悲しい。

これから書こうとしているのは、
私が彼らの里親探しを通して学んだ
想像も出来なかった犬たちの心である。

推し測る犬の気持ちは、全て私が感じたことであり、
想像の域を出るものではないが、
心動かされた犬たちのことを言葉で記録しておきたい。


私は何度か、犬たちに会いに行った。

ロン(仮名)が1才半の時にやって来た仔犬のボン(仮名)。
それからずっと、ロンは甘えん坊のボンの面倒をみてきた。
ともに穏やかで、人懐こく、躾をされていたことも分かる。
2頭の関係は、まるで仲の良い兄弟、
時にはケンカもしたけれど、どんな時も一緒だった。

彼らのことを少しずつ知るうちに、
私はその健気な可愛らしさに魅かれていった。

この可愛い仔たちを何とか守りたい・・・

しかし、人様に打診するには、大きな問題があった。
健康状態の確認がどうしても取れないのだ。

そんな時、犬たちに一緒に会いに行った私の友人から申し出があった。
高齢で難しいであろうロンの方を引き取りたい、
病気があっても治してあげたいと。

しばらくして、ボンの方にも明るい話が舞い込んで来た。
病気や要介護の際のケアも含めて、受け入れてくれると言う。

犬の余生を大切に思い、共に楽しもうとしてくれる人々。
本当に有り難く、嬉しかった。

そして、引き取りの日。

ロンの足から血が・・・

前に会いに行った時には気がつかなかった。
飾り毛に隠れたかかと部分に腫瘍があり、それが悪化したようだった。

友人はそのまま引き取り、すぐにロンを病院へ連れて行った。

診断はフィラリア検査で陽性、そのため手術や治療にリスクを伴うとのこと。
つまり、亡くなってしまうことも覚悟の上で、病気の治療に当たらねばならない。
それでも、友人は出来る限りの検査と手術を予約し、
応急処置をしてもらった。

ロンは病院で激しくマーキング、家に連れて帰ってからも
門扉をこじ開けようとしたり、帰りたい素振りを見せていたと言う。
そのあまりに悲しそうな表情に友人は悩み、相談してくれた。

ロンは病気の治療よりも元の家に、飼い主の元に戻りたいのではないか?

命の長さは、誰にも分からない。
もしかしたら、時間はあまりないかもしれない。
残された時間を知らない場所、知らない人の中で過ごすことが
ロンにとって、幸せなのか?

辛いことだが、飼い主を説得することも踏まえて、
私たちはロンを元の家に連れて行った。

その時・・・

元の飼い主を見たロンの明るい表情・・・
そばに駆け寄る喜びに満ちた足取り・・・

それが、ロンの選択なんだ・・・愕然とした。

ロンの中には、可愛がられた記憶が確かにある。
家庭の事情で手放されると分かっても、
パパをを支えたいよ、ずっとそばにいたいよと
言っているように思えてならなかった。

もしかしたら、ロンとボンは話し合っていたかもしれない。
僕が残ってパパを支えるから、心配しないで。
ボンは新しいおうちへ行くんだ、そこで可愛がってもらうんだよ。

そんな会話が聞こえて来たような気がしてならなかった。

ボンは受診の結果、健康体だった。
少しずつ落ち着き、可愛がられていると聞いている。

帰る時、ロンがこちらをじっと見つめた。
飼い主に連れられて私たちを見送る表情は、
穏やかで優しく、とても清らかだった。
その表情が心に残って離れない。

どうかきみの思いが届きますように。
きみがいるから、頑張れることもあるかもしれない。
きみの命が尽きる時、きみのパパがそばにいますように。

私には祈ることしか出来ない。


後日、私は深く傷ついているに違いない友人を訪ねた。
保護した犬猫たちと暮らし、母親を介護中でもある友人は、
こう言って、笑わせてくれた。

母の気持ちは分からないけれど、
犬の気持ちは分かるのよ。

笑いながら、涙がこぼれた。



犬たちは、どこまでも、どこまでも、
何て、愛おしい存在なのだろう。

ロン・・・ボン・・・
きみたちに会えてよかったよ・・・


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




初めての大接近!

2015-07-14 | 生態・行動
蒸し暑い朝のことでした。
涼しさ、落ちてないかな~。
かけらでもいいから、落ちてないかな~。



むむっ? あれは・・・



シャキ~ン!



シッポをび~んと立てて、お散歩猫さんが近寄って来る。
猫さんは逃げる生き物だと思ってたから、
ちょっと、びっくりなぼく。



うわっ! ほんとに来たっ!



こ、こんにちは・・・です。



猫さんのにおい。



猫さんのにおい。



ベッツィ、8ヵ月、男のこ。
生まれたばかりで捨てられているのを先住の秋田犬が見つけ、
家族に迎えられた。



ベッツィ、ゴロンした。



ぼくも、ゴロンした。



ベッツィが帰って行く時、ぼくは追いかけた。
ばいば~い、またねーっ。



前にも6ヵ月のうさぎが自分から駆け寄って来てくれた。
動物も子どもの時の方がより異種に対して
自然な受け入れが出来るのかな。

人もまた・・・
動物への愛情が子どもの頃から自然に育つことは、
大人になって頭で考えるのとは大きく違うはず。

捨てられたり殺処分されたりすることのない社会へ・・・
私たちは、どれだけ人の心を育てることが出来るだろう。

Zion、よかったね。
ベッツィにまた会えるといいね。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




博多ぶら~り

2015-07-10 | お散歩
これまで過ごしやすい日が続いていましたが、
一転して猛暑に見舞われ、人も体調を崩しそうな一日。
わんこさんも急激な温度・湿度の変化には
十分、注意して下さいね。

涼しかった日曜日の朝は、久しぶりに街へ。



天神中央公園とすっかり一体化したアクロス福岡。
屋上緑化スペースの植物がもりもりと育ち、山みたい。
野鳥など自然の力で樹種が増え続けているそうです。



Zionが興味の対象を発見しました。
この表情を見せたら、こちらも気を引き締めます。
吠える時などはこの時点で行動に出ますが、
この場合は大丈夫。



駆け寄って来てくれたのは、
嬉しそうに跳ねる元気な柴犬さんでした。



冷泉公園、櫛田神社から博多の路地・・・
博多祇園山笠の祭りの始まりを感じながら、
山笠が走るコースを歩いてみました。



14ヶ所で公開されている飾り山笠。
Zionはこの日、4つ見ました。



「おはようございます~」
まだ準備中のお店に入ろうとするZion。
ホテルオークラにも入ろうとしました。
ぬ~っと覗くと、驚いた人々が出て来て歓迎してくれます。
何を思って覗いているのか、
私にはとても可愛く見える大きな背中・・・



天神中央公園に戻って来ると、市内の観光スポットを巡る
2階建ての屋根なしバスが停まっていました。

「ぼくも乗れたらいいのにね」

本当は、Zionの願いはドライブではなく、
ごはんやおやつでもなく、自由気ままに彷徨い歩くこと。
ちゃんと知ってるよ。

七夕の夜は雨だったけれど、たくさんの願い事が
夜空に舞い上がって行ったのでしょうね。

きみの願いも。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!




それでもカッパスタイル

2015-07-02 | お散歩
霧雨が降ったり、止んだりの朝。

カッパ着るの、いやだ。
一応、拒否はしますが、悟るのも早い。

着ないと雨の散歩道には出かけられない。
わかったよ!カッパ着ます!

着てしまえば、心はムーミン谷のスナフキンのように・・・



雨の日は特に歩きやすく、汚れにくい道・・・と
こちらが思うコースは、もう飽き飽き。

雨でも雪でも風でも何でも、
通ったことのない道に行きたいZion。

お決まりの道なんて、はずれちゃえ~っ。
そんな態度で、近くの公園まで行くのに2時間近く遠回り。



心は旅人なんだけど・・・
フードずれてるし、迫力には欠けますが、
まあまあの笑顔です。

7月1日の夜の西の空。
金星と木星の16年ぶりの大接近、きれいでしたね。
勿論、地球からの見た目上のことですが、
18日頃には月も近くにやって来るそうです。



一日たって、涼しい朝。
やわらかな陽ざしが花たちを輝かせて・・・

もう、7月ですね。


  

今日も会いに来てくれて、ありがとう!