marcoの手帖

永遠の命への脱出と前進〔与えられた人生の宿題〕

世界のベストセラーを読む(800回) 大江健三郎を読み切れるか(2/2)

2021-02-09 18:25:30 | 手紙
 
世界のベストセラーを読む(624回) (その5)作家 大江健三郎の小説「万延元年のフットボール」 彼の救済!

僕らは本人の気質傾向は変わらないとしても、その時々の時代、環境、そして肉体の成長によっても発露する言葉は異なるものなのである。方向性としてまったく違ったことを言い始めたとすればそ......
 

  ◆添付写真は平成13年8月29日初版発行、明窓出版株式会社発行である。フランス人の評論家が読書の流れに応じて思いつくまま書いたものだという。77ページほどで残りの3分の1は白黒写真が載っている。大江の「みずから我が涙をぬぐいたまう日」が一番好きだという。大江の作品は、当時の流行ったサルトルの実存主義とやらの影響をかなり受けていると思う。僕は、当時も今もその救済されるべく人のありようそのものとは何ぞやということに関心がある。大江は「新しい文学のために」(岩波新書)で、言葉のレベルで、文章のレベルで、主題のレベルで、全体のレベルで区分して検証していくことは自分を励まして仕事ぬ向かわせてくれる効果的な手がかりとなると書いている。それは仕事柄なのだろうけれど、当時の僕は、全く外的な自称、対象、物証などなく励ましとなるそのものはないのかというようなことをしきりと考えていた。・・・とすれば、当然、生命があるという存在自体に喜びを見いだすようなというような究極の宗教性のようなものにいきつくのであると。(色即是空、空即是色)



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