万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

teacup.ブログ“Autopage”から引っ越してきました。

1761 柿本人麻呂

2010-10-28 | 巻九 雑歌
詠鳴鹿一首(并短歌)

三諸之 神邊山尓 立向 三垣乃山尓 秋芽子之 妻巻六跡 朝月夜 明巻鴦視 足日木乃 山響令動 喚立鳴毛

三諸(みもろ)の 神奈備山(かむなびやま)に たち向ふ 御垣(みかき)の山に 秋萩の 妻をまかむと 朝月夜(あさづくよ) 明けまく惜しみ あしひきの 山彦響め 呼びたて鳴くも


鳴く鹿を詠む一首(ならびに短歌)

「神が降臨する場所で、神が鎮座する山(神奈備山)に、 向かって立つ、御垣(みかき)の山に、“秋萩の”妻を抱こうとして、明け方の月が出て、(だんだんに夜が)明けるのが(名残り)惜しい。“あしひきの”やまびこを響かせて(連れ合いを)呼び立てて鳴く(シカ)よ」

●神奈備山:

 ・奈良県高市郡明日香村 三諸山(みもろやま)

 ・奈良県生駒郡斑鳩町 三室山(みむろやま)