万葉集ブログ・2 まんえふしふ 巻九~巻十

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2006 柿本人麻呂歌集

2011-06-30 | 巻十 秋雑歌
孫星 嘆須□ 事谷毛 告尓叙来鶴 見者苦弥

彦星は 嘆かす妻に 言だにも 告げにぞ来つる 見れば苦しみ


「(七夕には)牽牛郎は、嘆く織女に、言葉だけでも、伝えにやってくる。(遥かに遠くから妻を)見ているだけでは苦しいに違いない」

2005 柿本人麻呂歌集

2011-06-29 | 巻十 秋雑歌
天地等 別之時従 自□ 然叙年而在 金待吾者

天地(あめつち)と 別れし時ゆ 己(おの)が妻 しかぞ年にある(しかぞかれ(対岸)てあり) 秋待つ我れは


「天と地が、分かれたときから。わが妻は、そう(天の川の)対岸に去った。(妻に会えるまで)じっと秋(七夕)を待つ私である」

2004 柿本人麻呂歌集

2011-06-28 | 巻十 秋雑歌
己□ 乏子等者 竟津 荒礒巻而寐 君待難

己夫(おのづま)に ともしき子らは 泊てむ津の 荒礒巻(ありそま)きて寝む 君待ちかてに


「僕の妻、恋しい妻よ。(今日も)舟着き場で宿泊かあ。波の荒い海岸に囲まれて寝るよ。きみ(と会える日)を待ちかねて」

2003 柿本人麻呂歌集

2011-06-27 | 巻十 秋雑歌
吾等戀 丹穂面 今夕母可 天漢原 石枕巻

我(あ)が恋ふる 丹(に)の秀(ほ)の面(おも)わ こよひもか 天の川原に 石枕まかむ


「僕が恋する、赤い(頬の)美しき表情。今宵も、天の川の河原で、(ひとり)石枕をして寝るよ」

2002 柿本人麻呂歌集

2011-06-26 | 巻十 秋雑歌
八千戈 神自御世 乏□ 人知尓来 告思者

八千桙(やちほこ)の 神の御代(みよ)より ともし妻 人知りにけり 継ぎてし思へば


「大国主命の、神の御代より、滅多に会えない愛しい妻。(七夕伝説は)みんな知っている。(夏彦星は織姫星を)思い続けているから」

(♪ 「あれが、デネブ・アルタイル・ベガ」 君は指差す 夏の大三角 覚えて 空を見る やっと見つけた織姫様 だけどどこだろう彦星様 これじゃ“一人ぼっち”)