1744 高橋虫麻呂歌集

見武蔵小埼沼鴨作歌一首

前玉之　小埼乃沼尓　鴨曽翼霧　己尾尓　零置流霜乎　掃等尓有斯

埼玉（さきたま）の　小埼（をさき）の沼に　鴨ぞ羽霧（はねき）る　おのが尾に　降り置ける霜を　掃（はら）ふとにあらし

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武蔵の小埼沼の鴨を見て作る歌一首

「さいたまの、小埼の沼で、カモが羽ばたいて水を切っている。自分の尾羽に、降り積もった霜を、掃っているのか」