頭

朝日新聞３日声欄に、７０代男性の投稿。町で４歳位の少女がお祖父さんらしきひとの頭を何度も叩いているのをみかねて注意したら、祖母らしきひとが「冗談ですから心配しないで」と。大事な頭を叩くのを是とする文化も日本にはあるのかと帰宅したらテレビではお笑い芸人が大声を出してひっきりなしに頭をたたきあっていたという。

昔、外国の少年を連れて歩いたら大勢のおとなが許しも得ずに頭をなでまわすので往生したことがある。もちろん、かわいいからなのだが、彼の文化では、頭には精霊が宿りむやみに他人が触るのは無礼千万なことだった。

日本人は優しいスキンシップはしないけれど、ポカンと肩や頭を叩くのはよくする。なにか、溜まりに溜まった触れたい欲望が歪んで爆発しているようだ。頭は、軽く叩いただけで数千の細胞が死に、二度と再生しないと聞いたことがある。
わたしの親は、わたしが幼いころ、お尻をぶったが、頭は絶対叩かないようにしていたそうだ。

新聞の投稿はこう結んでいる。
「教育界をはじめ政官界の方々が率先して、一等国の条件は他人の頭をたたかない文化を持つことと、認識して頂けるなら、これほどの快事はない」