求めない

タオで有名な加島祥造さんの新刊「求めない」を本屋で立ち読みした。
「求めない」という言葉で始まる彼の１００編の詩集。

ひとが求めるのは当然とわかっていながら、あえて求めないようにする。求めるのは怖れるからで、怖れから解き放たれ自由になり他者にやさしくなれるのは求めないことからだと。また、頭が先行して求めることで、体が不自由になっていくこと。

求めろ求めろと教育を受けるわたしたち日本人。夢を持てだの、目標を持てだの、作文まで一斉に書かされ、頭を先行させられ、なにも求めないのは怠惰で無気力なことだと教わってはこなかっただろうか？求めないことで、本当の自分になれる。求めないことで今あることで足りていることに気づき、感謝できる。まさしくその通り。

こころを込めるキャンペーンを続けてわかったことのひとつに、心をこめて行為すると、触れ合う物が生きてくるというのがある。足りない、気に食わないと思っていた物が、心を込めて使うことで大切なかけがえのないひとつになっていくのだ。
簡単に求めて新しい物を手に入れても、また足りない感が芽生えていくのだろう。


買おうかなと思ったが、求めないのがいいんだな、と、買わずに帰ってきた。そして、思い出したことだけで、この文章が書けた。足りているのだ。