その時だけ・・・わずかな時間

子供たちが幼い時分に一番心掛けたこと・・・。

反省ばかり、後悔ばかりだが・・・。

小学校に上がったら「留守家庭」と言う放課後教室へ行き、それでも小学校２年生くらいからは早めに帰宅し始めた。　とにかく誰もいない家に一人で帰宅するのが心配で、寂しいだろうからと「おかえりなさいノート」と言うのを作って毎日ノートのなかで「おかえりなさい」と言うことにした。　それにはあれこれ気付くことを書き、「読んでね」と言う約束に。　そして学校から帰ったらうがい手洗いをまずはして、宿題をしてお手紙を出して大切なものは冷蔵庫のドアにペッタンさせて・・・などなど細かい約束事も冷蔵庫に貼っておいた。

今となっては何をどんなふうにして通過したのかさえ分からない思い出せないくらい忙しかった気がする。　私の帰宅を待ちわびた様子で、玄関まで迎えてくれ、すぐに夕飯作りに取り掛かる私の横にぴったりくっついて、お台所を行ったり来たり。　上を見上げて話す顔が思い出される。

「え～とね」「ウ～んとね」と言いながら言葉を探し、考えてはおしゃべりしたその姿は私にとっては宝物だ。

幼い子供が自分の言いたいことをすらすらと、しかも親が期待するような言葉で話せはしない。

時間との闘いだった。　でも一生懸命に話だけは聞いてやらなければ・・・と努力する日々だった。　時間も心もゆとりがあれば・・・今となっては遅すぎ。

だから時に残念に思う。　そばにいて親らしき人がスマフォをいじっている。　そしてすぐそばにいる子供の話に耳を傾けようとしていない姿を見ることがある。

「子供が子供でいられるのは、ほんのわずか。　じっくり顔を見ながら相手をしておかないと後悔するよ・・・。」

親子にとってかけがえのない大切な時間。　ひととき。

 

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