まだ気力が・・・

　主人の研修があって、熊本へ行った。そして研修当日の朝連絡が入った。
　
　主人にとって父親代わりのような存在である大切な人が亡くなった。　私たち家族を気遣って下さり、いつも笑顔で迎えて下さっていた。　またさびしくなった・・・。

　主人がポツリと言った。　「私にとって大きな砦のような存在だった」と。　

　このようなことがなければ会うことのない親族との語らいの中で、「あなた方が結婚すると言うことになり、とても喜んでいたのよ。」と言われ、あらためて主人への愛情の深さを感じる。　その気持にこたえるためにも、主人を大切にしなければとあらためて思う。

　大きな天理教の教会なので、信者さんも多く、心をこめた御霊遷しと告別式でお別れができた。　

　いつも思う。　通夜や葬儀がバタバタして、その準備や片付けにおわれた後に、塩が引いたような静寂の中で寂しさ、悲しさがやって来る。　ひと一人がこの世から去ると言うこと・・・。　　時間をかけてその現実を受け入れて生きていかなければならない。　容赦なく世間ではいつものように日常が流れている。　まぶしい程の日差しの中、車も人もせわしく動いている。　　

　置いてきぼりをくったような、一空間に残されているような妙な感覚にとらわれているが、それでもまた元の流れに戻って行くことができる。　　

　私にとっては「この世の中で一番尊敬する方だった」　遠く離れていても、大きくて、そして有難い存在だった。　まだ何をするにも気力が今一つ・・・。　まだいつもの流れに乗れないでいるような・・・。　こんなことではいけないと思いつつ、ふと元気にしておられたころの笑顔を思い出す・・・。　


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