働く際にはありがたいんだが・・・

　厚生労働省によると、学童保育（放課後児童クラブ）の受け入れ施設が過去最多になったと新聞で読んだ。　

　娘たちもお世話になったシステムだ。　まだ出来て間のないもので、珍しかったはず・・・。　当時は小学校３年時まではお願いできた。　わが家は共働き家庭で、保育園には1歳足らずからお世話になった。　長女が小学校に入学時に、お昼くらいに帰宅する時期があると知り、一瞬どうしようかしらと思ったものだ。　保育園なら5時までは確実にみてもらえるが、小学校に入ってすぐの慣れない時期に、子供が帰宅して一人で自宅にいると言うことの不安。　

　今でも忘れることができないのが家庭訪問で初めて来られた小学校1年の時の担任の一言である。　「おじいちゃんおばあちゃんがおられないんですね。　だから放課後教室に行かれるんですねえ。」　単純に確認の意味でいわれた一言だったのだろうが、ぐさっと胸に突き刺さった。　はるか昔の思い出である。　まず幼稚園ではなく保育園に幼い子供を預けなければならない現実・・・。　言うに言えない辛いものであった。　あの一番可愛い盛りのわが子をずっと眺めていられない・・・。　今でも時々後悔することがある・・・。

　放課後教室があると知った時には、心底有難いと思ったものだ。　小学校から、放課後教室に「ただいま～」と言って帰るのだそうだ。　そこでおやつをいただき、宿題を済ませて、外で遊んだり、部屋の中で縫物や編み物なども習う。　休みには極力子供と付き合ったが、放課後教室で教えていただいたことは今でも話題にのぼったりする。　

　中３を担任し進路指導するさなか、自宅で長女が本読みの確認をしてほしいと言い、食卓でお豆さんの下ごしらえをしながら聞いてやることがあった。　「百回読みなんよ。」と言う。　必至で読んで聞かせる娘を見つめ、「こんな毎日が専業主婦なら当たり前なんだろうなあ・・・」などと思ったりしたものだ。　

　子供が熱を出しても休みが取れず、友人宅に預けて仕事へ行った。　そんなことが何度あったろう。　仕事をしていても心ここにあらず・・・。　いけないけれど心配で心配で堪らなかったなあ・・・。　

　贅沢を願ったからでもなく、普通に仕事を続けた。　あたりまえだと思って続けた。　少々熱を出しても預かってくれる人がいたから続けられたと思う。　具合が悪くて病院に連れて行ってもらったこともある。　

　受け入れ施設は増えたが、希望しても定員オーバーで利用できない「待機児童」が増えているそうだ。　何とかならないものだろうか。　まだまだしっかりしたお年寄りは増えている・・・。　　旨くかみ合わないかあ・・・。　「生きる知恵」を教えてもらえるように思うのだがなあ・・・。

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