マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

まぐろ大根サラダ(まぐろは油霜造りにする)

2008年02月26日 | マグロ料理
今回からマグロ料理を紹介しよう。

まずは、うちの店でもよく出ている「まぐろ大根サラダ」を作るが、この料理のポイントはマグロの赤身の柵を油霜造りにすることだ。

油霜造りは、脂の無い赤身のマグロや鰹を高温の油の中にさっとくぐらせ、直ぐに氷を入れた冷水に取り、外側だけに火を通すものだが、適度に油も加わり、外側を炙る「たたき」とはまた別な味わいとなる。

もちろん、そのままスライスして刺身醤油で食べるのも美味しい。

うちの店では、活の車海老も油霜造りにしてお客様に出しているが、海老の外側だけに少し火が入り、そのまま生で食べるより数段美味しいと思う。

材料:
まぐろ        100g
キューリ      1/2本
大根(中サイズ) 1/4本
じゃがいも     1/2個
塩          少々
サラダ菜      2枚

調味料:
ポン酢      大匙4
砂糖       小匙1/2
豆板醤      小匙1/2
ゴマ油      少々

マヨネーズ    適量

さて、まずはマグロの油霜造りだが、マグロの赤身の柵を170℃~180℃に熱した、たっぷりの油の中にさっとくぐらせ、直ぐに氷の入った冷水に取り中心まで冷たくなったら、表面の水分を乾いたタオルがキッチンペーパーで拭き取っておく。

次に野菜を短冊に切ろう。大根は5cm幅に切ってから繊維に沿って1㎝に切り、更に繊維に沿って1~2㎜の厚さに切って、冷水に取っておく。キューリは縦半分に切り、大根と同じく5cm幅に切ってから繊維に沿って1~2㎜の厚さに切って、大根が入っている冷水に入れる。

じゃがいもは、かつら剥きにして、刺身のつまと同じように細く切り、水に取っておく。

調味量は、マヨネーズ以外を合わせておく。ポン酢の作り方は、以前に「しゃぶしゃぶのタレ」のところで紹介しているので、それを見て作ってほしい。

さて、準備ができたところで、仕上げに入る。

①細く切った「じゃがいも」は水分を拭き取って、170℃~180℃の油でこんがりキツネ色になるまで揚げてがら引き出し、天紙(てんぷらの敷紙)などの上に置いて軽く塩を振る。

②皿にサラダ菜2枚を丸くなるように敷き、水切りをした大根とキューリの短冊切りを中心に盛る。

③マグロを3㎜位の厚さにスライスして並べて行く。

④上から合わせ調味料をまんべんなく掛ける

⑤マヨネーズ(できればキューピーハーフ)を円を描くように絞る。

⑥揚げた「じゃがいも」を両方の手の平で、球形に丸めて天に盛る。

この料理を美味しく食べるには、マグロや野菜を冷水で十分に冷やすことだ。
大根やキューリはシャキッとするまで冷やそう。

それから、サラダや和え物などのタレは食べる直前に掛けよう。時間が経つとタレの塩分で野菜から水が出て、水っぽくなってしまう。

さて、jjkenさんからの質問で「マグロが食べられなく日が来るのでは?」ということだが、実際には現状ではマグロは余っているのではないかと思う。

今では、地中海やオーストラリアやメキシコで、「畜養」という、マグロの養殖も盛んに行われているし、既にマグロの卵からの完全養殖も成功している。

世界中の人々がマグロのお刺身を食べ初めてはいるものの、今でも生食用のマグロのほとんどが日本で消費されている。

日本のマグロの漁業は、「延縄」という漁の方法で、マグロ船から太い縄を流して行き、その長さは150kmから200kmにもなる。その縄には餌の付いた針3000本が付けられているのだが、それを8時間後位に引き上げても、マグロは10本位しか釣れないので非常に効率は悪いが自然にはやさしい漁法だ。

むしろアメリカなどが行っている「まき網」という漁法は、ヘリコプター等でマグロの群れを探し(イルカなどの後にマグロの群れがいる)その群れを大型の船から網を付けた小型の船で囲んで、イルカも一緒に一網打尽に獲り尽くす漁業で、これでは海洋資源を根こそぎ獲り尽くしてしまうだろう。

また、近年では捕鯨が禁止になってしまった為に、鯨が増え過ぎてしまっているのだが、鯨のあの大きな口で1回に1トンも2トンものオキアミや小魚を食べてしまい、マグロの食べる魚が無いのででマグロが減っているという説もある。

マグロが減っているのは日本のせいと、海外からの批判も多いようだが、実際には世界中で一番多く消費されているのが「ツナ缶」で、一番の消費国はアメリカなのだ。

生食用のマグロに付いては、今のところ、日本、韓国、台湾でその多くが消費されているが、もし、これから中国人がマグロを食べるようになったら、あっという間に不足することになるだろう。

マグロの資源が減っているという、アメリカやヨーロッパからの圧力でマグロ船も減船させられている。

前にも書いたが、マグロに限らず世界中で食べ物の奪い合いの時代に既に入っているのではないだろうか?

それに便乗して、マグロ等の高価な魚を投機目的に悪用する連中も出てくるだろう。たとえば、マグロを中国などの超低温冷凍庫に隠しておく。それから、マグロが食べられなくなるという情報をたくさん流せば、マグロは値上がりするだろう。
このようにマグロが既にマネーロンダリングに利用されているのではないか?という噂もあるようだ。

さて、筆者もタイに居る時には、よく屋台でアジを食べた。

日本のアジとは違い、サバとアジを掛け合わせたようなアジもあって、生では少し身がやわらかいので、それを一度蒸してから揚げる料理で「プラ・トートゥ」と言っていたが、プラ(魚)、トートゥ(揚げる)だから、魚を揚げた物はみんな同じ名前になってしまい正式な名前は分からないが、この料理と一緒に、シンハービールに氷を入れて飲むと格別に旨い。

微笑みの国、タイが懐かしく思えてくる。。。










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