マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

バンサレー沖での船釣り(2)イカの泳がせ釣りに挑戦してみた。

2014年03月25日 | シラチャー ジャスミンホテル
皆さん、ご無沙汰しています。

タイの反政府派によるデモは今月は大きな動きもないようでタイ政府からの「非常事態宣言」も解除されたが、今月の29日にはまた大きなデモが計画されているようで、まだまだ収束とはならないようだ。

3月8日に今住んでいるシラチャーから乗合船で50分程のシーチャン島の直ぐ手前のカム・ヤーイという船着き場から小船に乗り込み6名でシーチャン島周りの海で釣りをしたが釣果の方はさっぱりだった。

そんなこともあり、また釣りに行きたくてうずうずしていたところにまた「mokoley」のバンサレー定期船釣りツアーのお誘いがあった。

前回(先月)は赤い魚ばかり多く釣れたが、このツアーの場合には朝の8時に乗船して釣り場(漁場)に着くのが9時半頃、そして3度から4度は釣り場を移動して昼飯をはさんで2時半には納竿となる。

そうすると実際に釣りをしている時間は僅かしかなく物足りなさを感じていた。

わざわざ車で1時間位掛けてバンサレーまで行かなくてはならないし、また、前の晩からバンサレーのホテルに泊まるのはいくら船宿(安ホテル)とはいえ無駄なような気もする。

これならシーチャン島周りでの船釣りの方がお手軽だし、釣れる魚も大差はないだろう。

そういうこともあり今回のお誘いをもらった時には断わろうという気持ちが半分以上あった。

たとえば、このツアーに参加した第一回目に見た「イカの泳がせ釣り」等で大物を狙うのならいいが、そうでなければわざわざバンサレーまで行くのはどうかなと迷っていた。

そして、参加、不参加の返事ができないまま、ツアー決行日(3月22日)が近づいてきた頃にツアー担当の草間さんから電話があった。

そして、その内容はとても興味深いものだった。

『今回は日本に帰国される家族の方がいて、もうタイにはなかなか来られないと思うのでタイを離れる前にイカ釣りをしたいと言っています。前日の夜にイカを釣ってからの釣りになりますが参加されますか?』とのことだった。

この言葉と聞いたとたんに、第一回目のツアーの時に見た「イカの泳がせ釣り」での大きなサイズのクイーンフィッシュのことが頭にパッと浮かび、自分から『是非、是非、参加させて下さい。』と携帯を持ちながらたぶん何度も頭を下げていただろう。

でも電話を切ってから、それからが大変だった。

何せ「イカの泳がせ釣り」で大物釣りなどしたことはなく、仕掛けの作り方など何も分からないのだ。

そこで、まずは3月8日のシーチャン島の釣りに誘ってくれた「momoさん」からいろいろと教えてもらうことにした。

下が「momoさん」のブログだがバンサレーでの「イカの泳がせ釣り」の経験も豊富だ。

http://momo8875.blog.fc2.com/blog-category-5.html

それと、仕掛け作りは「RJ」さんの仕掛けも参考にした。

http://islandfishbite.blogspot.com/search/label/%E9%87%A3%E3%82%8A%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E5%B3%B6

また、「momoさん」や「RJさん」の釣り仲間からもアドバイスをもらって、なんとか自前での「イカの泳がせ釣り」の仕掛けも完成した。

ただし、「イカの泳がせ釣り」にはもう一つ大きな問題があって、餌となる「イカ」(バンサレーの釣りの場合にはケンサキイカ)を自分で釣らなければならない。

その「イカ」の釣り方も分からないという情けなさで、「momoさん」や「RJさん」そして「釣り仲間」の皆さんにはきっと呆れられる程何度もメールを送り質問をしたが皆さんとても親切で、真夜中に実際に仕掛けを作って写真を送ってくれたりして「感謝」「感謝」の気持ちで一杯だ。

そして、ツアー当日の店のアイドルタイムにはイカ釣り用の仕掛け「鉛スッテ」も地元の小さな釣り具店で購入し準備万端となった。


しかし、ここでまた一つ大きな問題が起こることになる。

バンサレーからは夜の10時に船が出る予定なので、夜の8時半頃にジャスミンホテルを出れば余裕で出船時間に間に合うと踏んでいた。

シラチャーの場合には、土曜、日曜日はお客様の来店時間が早く、夕方5時半頃からお客様が入り始めて帰られるのも早く、8時半には一通り料理が出ることが多い。

しかし今回は出発が土曜日ではなく金曜日ということもあり、お店は予約もかなり入っていた。

そして夜の8時半にはついに店内は満席状態となった。次から次に来るオーダー伝票を大きな声で呼び上げながら、スタッフの『ハイ』という声を確認しどんどん料理を作る。

しかし、予定の出発時間の8時半になってもまだまだ出ていない料理がたくさんあり、一通り料理が出た頃には既に9時をまわっていた。

『ヤバイな、間に合うかな?」と大急ぎでホテルの車に乗り込み、運転手に『レオレオノーイ』(急いで)と激を飛ばして、もちろん車も飛ばしてバンサレーに向かったが、金曜日ということもありバンコクから車で来るお客さん達もバンコクの交通渋滞に巻き込まれてバンサレーにはほぼ同時刻の到着となった。

そして夜の10時を少し過ぎてしまったが、船は快調なエンジン音とともに沖へと向かった。

ここからは写真を交えながら話をしよう。

まず、イカを釣る場所までの移動時間に夕食を食べる。
(草間さんの手造りカレーだったが家庭的な味でとても美味しかった。)


イカを釣る場所に到着してイカを釣り始めるが、イカ釣りの仕掛けは釣り糸の先に下の図のような「鉛スッテ」と呼ばれる漁具を取り付けるだけの簡単なものだ。


そして、下の図のように「シャクリ」ながら、イカに針を抱かせて釣り上げるシンプルな釣り方で、船の「集魚灯」に集まってきたイカを釣る。


しかし、この「鉛スッテ」の大きさや色の違いなどで釣果に差が出ることもあるらしく、どの色の「鉛スッテ」がいのかアドバイスをもらっていたのでまずは「オレンジ」で試してみることにする。

すると、いとも簡単に1パイ目のイカをゲットすることができた。

この分ならどんどん釣れるのではないかと思い写真を撮らなかったのが残念で、その後はまったく釣れず、他のお客さんも同じ状況のようでイカ釣りに飽きてしまった人は早々と寝床に付いてしまうほどだった。

餌のイカが無いと翌日の釣りができないのではないかと心配になってきた頃になって、船頭さんが船の側面にイカをすくう為の大きなネットの用意を始めた。


このネットは夜中の1時頃には準備ができていたようだが、なかなかイカが取れないようだ。

どうやってこのネットでイカをすくうのかも分からないが、夜中の2時頃になってやっとイカの群れを見つけたのか一度イカを集める「集魚灯」を消してか再び点灯してネットを下におろす。

しかし、水(海の中)では、イカも小魚(サッパ)も同じように見えるのか、イカはまったく入らず、サッパばかりという状況だった。


次のイカの群れを待っているのか、なかなかネットをおろすこともなく、その間には皆で「渡り蟹」を小さなタモですくったりしていた。


その後、夜中の4時頃までに2度ネットを下すがイカはさっぱり入らなかった。

イカは結局、釣りでも釣れず、ネットですくうこともできなかったので、しかたなくサビキ釣りでもしようと思ったが向かい側の陸は砂浜なので海底も砂浜ではないかと思い大型のキス狙いの仕掛けに海老のむき身を付けて下すが、釣れたのは「ウミケムシ」1匹だけという最悪の状況だった。

(この「ウミケムシ」は体毛のような針が指に刺さるのと、また、毒もあるらしい。)

このウミケムシの写真を撮っていた夜中の4時過ぎになって船が動き出し沖へと向かう。

1時間程船を走らせて沖に出たところで船頭さんが竿を1本持って船尾の方に来た。

どうやら「イカの流し釣り」をやるらしく水深は54メートルとのことだ。

自分も「イカの流し釣り」を始めるチャンスだと思い、用意して持ってきた「イカの流し釣り」用の仕掛け2種類(ワイヤーとナイロン)の両方を見せたところ、夜はバラクーダが多いのでワイヤーの方がいいとのことで、ワイヤー仕掛けを用意した。

ちなみに「イカの泳がせ釣り」とは下の図のように活きたイカを泳がせながら大物の魚を釣る方法だが活きたイカが入手できなかったので、餌用の死んだイカでの釣りがスタートした。


しかし、活きたイカでないのが原因かまったくあたりもなく、日の出が近くなってきた。


すっかり辺りも明るくなってきて、7時半頃に「イカの泳がせ釣り」からサビキ釣り(潮の流れが速いのでコマセは使わずサビキ針にイカの切り身を付ける)に変更しようかとも考えたが、せっかく「イカの泳がせ釣り」をしに来たのだし水深が54メートルもあるのでもう少し粘ってみることにした。

ただ仕掛けはワイヤーからナイロンに変更することにした。

そして新しいイカ(死んでいるイカ)を付け仕掛けを下して置き竿にして10分位した時だった。

リールがギギギーという音を立てて、どんどん糸が海中に引き込まれていく。

竿を手に持ちリールを巻き始めたが、なかなかうまく巻けずに更に糸が出て行く。

ドラグを少しづつ締めながら態勢を立て直して少しづつ糸を巻いて行くがリールが小さいせいもあってかなかなか魚が見えてこない。

バレてしまわないことを祈りながら糸を巻いていると、側に船頭がフックを持ってやってきて「プラ・チョンタレー」だと言って、この魚を船に取り上げてくれた。


こうして、念願の「イカの泳がせ釣り」で初めて釣った魚は「プラ・チョンタレー」となった。

この魚は日本では「スギ」と呼ばれて、別名「黒かんぱち」や「ミナミカンパチ」とも呼ばれ、日本の回転寿司はカンパチと言えばこの魚が使われていることも多く、刺身で食べてもとても美味しい魚だ。

その後、雨が降り始めたこともあり、船は雨から逃げるように場所を何度も変更するが波が高くなり、まるで波がうねっているかのようだった。

そんな中、何度か死んだイカを付けた「イカの泳がせ釣り仕掛け」を下すが足だけを食べられてしまう。

これは小魚が死んだイカの足だけを食べているようで、大物に食われたのではないらしい。

天候も悪く今日はもうダメかなと思い、大きく揺れる船の中で新たに死んだイカを付けて仕掛けを下す途中に「ググー」というあたりがきた。これもかなりおおきな引きだ。

そして、船に取り込んだのは大きな「イトヒキアジ」だった。


今回、「イカの泳がせ釣り」の初挑戦で活きたイカも無く、また、悪天候の中での釣りだったが、たくさんの方々のアドバイスがなければとてもこの釣りは無理だったと思う。

皆さんに心より感謝の気持ちを伝えたい。。。
















最新の画像もっと見る

コメントを投稿