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マグロチャンピオンの料理道場

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料理長が自宅で作る「簡単おつまみ」(38)鶏の麻辣(マーラー)照り焼き

2011年11月25日 | 料理長が自宅で作る簡単おつまみ
前回に続いて今回もピリッと辛味が気効いた「鶏の麻辣(マーラー)照り焼き」の作り方を紹介しよう。

麻婆豆腐のあの痺れるような辛さは中国の山椒(花椒)を油で揚げて香りを出し、それをすり潰したものだが、唐辛子の辛さに加えて、あの痺れる辛さが麻婆豆腐の美味しさだろう。

昔、築地のマグロ商社で働いていた頃に仕事が終わると「銀座」や「新橋」界隈でお酒を飲んでいたが、新橋に「とり小屋」という焼き鶏の店があり、そこのオヤジがその店で自から焼き鶏を焼いていた。

何度もその店に通ううちに、そのオヤジと親しくなったのだが、そのオヤジが美味しい焼き鶏の食べ方を教えてくれたことがある。

それは、焼き鶏の串に直接、唐辛子を振りかけて食べるのではなく、皿に「唐辛子」と「山椒」をそれぞれ別々に少量づつ盛って、食べる食材ごとに「唐辛子」と「山椒」をつけ分けるということだった。

たとえば、砂肝やハツ等の内臓系には山椒を多く付け、ねぎまやつくね等には唐辛子の方を多く付けるといった具合で、両方を自分の好きなように付けて食べてみたら旨いとのことで、その店で早速やってみることにした。

その店の串コースを注文すると、次から次に焼き鶏や野菜串や、うずらの卵串などが出てくるのだが、『これは山椒が多めかな?』『これは唐辛子が多めかな?』といろいろやってみると、これが結構楽しいし、自分だけの美味しさを見付けられたようで嬉しくなってくる。

四川料理の「麻」(山椒の痺れる辛さ)と「辣」(唐辛子の辛さ)は、日本の焼き鶏店での時のように、両方を上手に組み合わせることによって旨味が増してくるのだろう。

さて、今回は日本でお馴染みの「鶏の照り焼き」を作り、そこに日本の山椒ではなく中国の山椒(花椒)と唐辛子を振りかけた料理を作ってみよう。

中国の山椒の痺れる「麻」の辛さは、日本の山椒よりも強烈で、そこに唐辛子の「辣」のパンチが重なって、ビールの「おつまみ」には最適な一品だ。

また、フライパン一つだけで作れるので、ぜひ、作ってみるといいだろう。

尚、花胡粉は下の写真のように「市販品」もあるが、香りが飛んでしまって美味しくないので、自分で「花椒」を揚げてから擦り潰して「花椒粉」にして使うといいだろう。



また、唐辛子は今回は日本の「唐辛子」を使ったが、中国にも「辣椒粉」という唐辛子があるので、いろいろ試してみて自分の好みを味を探して欲しい。

◆「鶏の麻辣(マーラー)照り焼き」の作り方。

1)用意する物。

写真手前の左から「地鶏のモモ肉」「長ネギ」「しいたけ」。写真奥の左から「醤油」「みりん」「料理酒」「砂糖」「唐辛子」「花椒粉」。


2)作り方。

*******下処理*******

①長ネギを4㎝の長さに切り、椎茸は石づきを切り取る。


②鶏の皮に脂がでやすいように、フォークなどで穴を開けておく。


③調味料を混ぜ合わせる。(酒3:ミリン1/2:醤油1/2:砂糖1/4の割合)


④フライパンを中火に掛け大さじ1/2の油を敷く。


⑤フライパンにネギを加える。


⑥フライパンに椎茸を加える。


⑦少量の塩を振る。


⑧皿に盛っておく。


*******本調理*******

①フライパンを弱火に掛け、油を敷かずに鶏肉を入れる。


②蓋をして3分~5分程蒸し焼きにする。


③裏面も焼き、鶏から出た脂をキッチンペーパー等でぬぐう。


④タレを加える。


⑤アルコールに火が付くことがあるが、あわてずにそのまましばらく待って口で吹いて火を吹き消そう。


⑥鶏肉に味がついたら、途中で鶏肉だけを取り出して食べやすい大きさに切る。


⑦鶏肉も皿に盛っておく。


⑧タレをとろみがつくまで煮つめる。


⑨タレを肉の上から掛ける。


⑩唐辛子を振る。


⑪花椒粉を振る。


⑫出来上がり。


さて、タレの配合だが、酒3:ミリン1/2:醤油1/2:砂糖1/4の割合で、このタレは魚の煮付けなどにも使えるし、日持ちがするので、多めに作って冷蔵庫で保管しておくといい。

お玉で、「酒が6杯、ミリンが1杯、醤油が1杯、砂糖がお玉の半分」をよく混ぜ合わせるだけだ。

次回の「料理長が自宅で作る簡単おつまみ」だが、材料は今回と同じく「鶏のモモ肉」を使うが、ちょっと変わった料理を紹介しよう。




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