ちょこっと❤ 楽しい 音楽授業

小学校 音楽授業の、楽しい工夫をご紹介。
遊びのように夢中になり、何度でも繰り返す学習活動。

山田さんの「待ちぼうけ」 滝さんの「荒城の月」 

2017-08-04 10:59:18 | 鑑賞
 山田さんの『待ちぼうけ』

先生「『待ちぼうけ』という歌を聞いてみよう。
    その前に、
   『待ちぼうけ』と「待っている』の違い分かる?」
児童「どっちも、待つで・・・違い?」
  「待ちぼうけは、ずっと待ってるけど来ない・・?」
  「待ちぼうけって、疲れた感じがする。」
先生「そうだね、待ちぼうけは、いつまでたっても来ないことを言うね。
   歌を聞いて、いつまでたっても来ない、何を待ってるか、
   聞き取ってね。」
児童 教科書の歌詞を見ながら、歌を聞く。

先生「いつまでたっても何が来なかった?」
児童「うさぎ!!」
先生「その通り!うさぎが来なかったね。」

先生「この歌の歌詞は、中国の昔話をもとに作られました。
   こんな昔話です。

   ある日、一人の男が畑で作業をしていると、
  うさぎが現れ、たまたまそこにあった切り株にぶつかって
  死んでしまいました。偶然にも、ごちそうにありつけた男は、
  その日から働くことをやめてしまい、切り株にまたうさぎが
  ぶつかることを期待するようになりました。
   来る日も、来る日も、待ち続けた結果、うさぎ現れる
  どころか、作物で豊かだった畑はぼうぼうの荒れ野になってしまい、
  みんなの笑い者になってしまいました。

(教育芸術社 平成23年発行 5年小学校音楽より)


  ということは、待っていて来なかったのはうさぎだけれど、
 うさぎが来てどうなることを待っていたの?」
児童「切り株にぶつかってしまうこと。」
先生「そうなると、何もしなくても、ごちそうが手に入るんだね。
   歌の内容がよく分かったね。
   もう一度、五番まで歌を流します。
   歌えそうなところがあったら、小さい声で歌ってみよう。」
児童 歌詞や楽譜を見ながら、歌えるところを探して、小さい声で
   歌ってみる。

先生「いいね、歌えるところがだんだん増えてきたね。
  『まちぼうけーまちぼうけー』どうぞ!」
児童「まちぼうけーまちぼうけー」
先生 音の動きを手で表しながら「まちぼうけーまちぼうけー」
児童「まちぼうけーまちぼうけー」

先生「♪ころりころげたきのねっこ」
児童「♪ころりころげたきのねっこ」
先生「♪うさぎぶつかれきのねっこ」
児童「♪うさぎぶつかれきのねっこ」
先生「♪うまいきりかぶきのねっこ」
児童「♪うまいきりかぶきのねっこ」

先生「上手に歌えたね。
   最初の『まちぼうけーまちのうけー』と
   最後の『ころりころげたきのねっこ』のメロディーを
   比べてみよう。」
児童 それぞれ、感じたことを発表する。

*言葉の感じと旋律の動きや流れや感じが、うまく一体化していること
 に気付くよう、歌ったり、聞いたりする。

「まちぼうけー、まちぼうけー」の旋律は、音の高さの動きが少なく、また、
同じリズムを繰り返している。ずっと待っている、ボーっと待っている、
退屈だけど待っている感じがするかな?

 「♪ころりころげたきのねっこ」の旋律は、八分休符の絶妙な「間」の後、
音程が軽快に動き始める。こっけいな、おもしろい、笑いたくなる感じが
するかな?





*次の時間には、
歌詞の「のら」や「うまい」「すずしい」の言葉の意味をおさえる。


また、「しめた!」の言葉で、短い文を作って、どんな場面で使うか
考えたり、「ころり」と「ごろり」の違いを考えて、「ころり」の軽さや
サッと起きる感じなどを捉えたりする。


 滝さんの『荒城の月』

先生「今日は、『荒城の月』を聞きます。
   歌集の○ページを開けます。」
児童 歌集の楽譜を見ながら、1番を聞く。

先生「難しい言葉がたくさん出てくるね。
   何のことを歌っているか、分かった?」
児童「難しい・・・」
先生「こちらを見てください。」
   黒板に模造紙を貼る。


  「季節は?」「誰がいる?」「何してる?」「かげって?」
  「昔の光、今いずこって?」
   模造紙の言葉を指しながら、一番の歌詞の意味を説明する。

*『諸行無常』この世にあるものはすべて、絶え間なく移り変わり、
 永久不変のものはない・・・このことを、自分の体験から話をする。
 たとええば、三十年前に新しくてキラキラ輝くような素敵なホテルが
 三十年後行ってみたら、閉鎖されていた!中をのぞいたら、家具などが
 山積みされ、埃がかぶり、クモの巣がはっていた!

*短調の感じ、旋律の流れや動き、歌詞の内容などを感じとりながら、
 もう一回、聞かせる。



「荒城の月」の原調は、ロ短調で、伴奏を付けた山田さんが、ニ短調に変えました。
「待ちぼうけ」の原調は、ニ長調です。



*「荒城の月」の旋律は、ベルギーの教会で、祈りの言葉がつけられ、
讃美歌として歌われています。「荒城の月」を聞いた司祭が
「この曲は、口で表現できないような静けさが堂にみなぎる。
深い沈黙にいざなう静けさを感じた。」と深く感動したそうです。

*2022年3月、YouTubeに、辻仁成さんとDeep Forestとのコラボで、
「荒城の月」の演奏が公開されています。
「物悲しくも、美しい、儚い世界だ。」とDeep Forestのエリック・ムーケ
さんは、言っています。フランスの方です。

「荒城の月」の美しい旋律は、国を越えて、多くの人に支持されている
ようです。

 上記、二曲の他に、山田さんの『赤とんぼ』、滝さんの『花』を紹介する。
四曲、学習したところで、最後に、ワークシートに、四曲の中から一曲選んで、
自分の感じたことや頭に浮かんだ情景を書く。

   



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