町作り研究会(容子の部屋-別室)

町作り関連。地方新聞トピックス等

“役立たずの森”ビジネスに・・・

2008-08-22 12:33:30 | 地方新聞

 

秋田県では最近、森林を使ったビジネス熱が生まれているようです。この地方では「ブナの木なんて燃料やシイタケ栽培に使うぐらいであまり役に立たなかった」その見捨てられていたブナの木から「白神こだま酵母」が発見され・・今ではバイオビジネスに必要だとの事で、注目されています。

 秋田県総合食品研究所(秋田市)は平成9年から、秋田白神の微生物を採集して、商品化に向けた研究を行っていたそうです、それがバイオテクノロジーなどの科学技術を用いた食品や酒類に試験研究を行った結果・・この天然の菌は多方面に活用できる事がわかったとの事です。

自治体でこのような研究を実施しているところは他に例がないそうです。秋田県総合食品研究所は、これまで秋田白神で1万4000株を採集しているそうです。天然イースト菌「白神こだま酵母」や乳酸菌「作々楽(ささら)」など4種の新しい株を発見し実用化してとの事です。

 白神こだま酵母は主にパンに使われ、作々楽は酒やみそ、漬物などに使われているとの事です。しかも今ではこの白神こだま酵母を使った商品は、パンだけで年間、30~40億円の売り上げを生んでいるんだそうで・・・このブナの森はいまでは宝の山になったんですね・・

 同研究所の高橋上席研究員は「1カ所の森からこれほど新しい株が発見されるのは極めてまれなケース」だといってます。

この白神の微生物には、他の森のそれにはみられない際立った高い増殖性やストレス耐性があるのだそうです。その中でも最も貴重なのは秋田白神の奥地で09年に見つかった「白神こだま酵母」だそうです。

何しろ・・マイナス30度以下でも死なないほどの冷凍耐性では世界一だとの事です。また、薬品や化粧品に使われるトレハロース(糖類の一種)含有量や乾燥耐性でも世界トップレベルだそういです。

アルコール耐性も清酒酵母より強いとの事です。その上、胃酸にも強く、生きて腸まで届く酵母は白神こだま酵母以外にないとの事です。

 この特性を利用すると、例えば、冷凍パン生地が流通の主流となっているらしいのですが・・・「白神こだま酵母」を使うことで酵母が生きたパン生地に使うことができるのだそうです・・・

現在、「白神こだま酵母」の特性に生かした国内の化粧品やサプリメント開発企業からの買い付けだけでなく・・・米国や中国、韓国など国外からも購入の要望が多く寄せられているのだそうです。

この白神産地の歴史は8000年だといわれてます。「いま白神に生きる微生物たちは、人間に置き換えれば1億1680万年間、さまざまな菌達との生存競争を勝ち抜いてきた末裔だといえるたちなのです」「現在生きている微生物たちは淘汰(とうた)されていった他の微生物たちよりも何かしらの優れた“武器”が白神の微生物が持つたくましい生命力は他の微生物との競争で獲得していったものと推論できる」と・・・高橋上席研究員はいっております。

 秋田県総合食品研究所では現在、高コレステロール血症治療薬「スタチン」を発見した東京農工大学の遠藤章名誉教授のほか、多くの民間企業との共同研究が進められており、白神のバイオビジネスの可能性を広げ続けているそうです・・・

その他・・秋田県藤里町の第3セクター「藤里開発公社」が手がけるミネラルウオーター「白神山水」も 白神山地からくみ出した天然水を非加熱処理したままで、ボトリングした天然の甘みがある白神山水として売る出しているとの事です。19年度は 120万本と着実に売り上げを伸ばしているそうです。現在宅配会員も全国で 800人以上に達しているらしいですよ・・・なお・・ 白神山水は現在、東京ディズニーランドが運営するホテルや、「ナガハマコーヒー」などでも使用されているそうです。

 



最新の画像もっと見る