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英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団

2008-01-11 23:52:03 | ダンス
兵庫県立芸術文化センターで上演したコッペリアを見てきました。

おおお~、というようなすさまじいテクニックが見られるわけではありません。でも踊りは安定しているし、マイムを含む演技は好ましいし、アンサンブルの妙があります。チャルダッシュ、マズルカ、スペイン風、スコットランド風と民族舞踊風のものがたくさんあり、最後は華やかなグラン・パ・ド・ドゥで締めくくる、というもので、20分ずつの休憩を2回含んだとはいえ、2時間半があっというま。あちこちで笑いがもれたり、顔がほころんでしまうとても楽しい舞台。衣装、セットと凝っていたのに、なんだかとってもアットホームなバレエ団でした。こういうのもいいですね。

主演の佐久間奈緒さんは 995年に英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団(BRB)に入団し、2002年に昇進したプリンシパルです。とてもチャーミング。一幕のマイムから、二幕の人形ぶり、民族舞踊、そして三幕のクラシカルなグラン・パ・ド・ドゥといろんな表情を見せてくれました。フランツのツァオ・チーはなかなか端正な容姿の人。コッペリウスのマイケル・オヘアはにくめないマッド・サイエンティストぶりをみせてくれました。みんな演技がとても上手。特に踊らなくてもマイムで大いにみせてくれました。

今回は振り付けはプティパ、エンリコ・チェケッティ、ピーター・ライト、演出はピーター・ライトによるもの。これまでバージョンはいくつか見ました。しゃれていて、最後にグロテスクといっていい悲痛な場面がくるプティ版、パリ・オペラ座バレエのオリジナル版、それから古い映画版と、これまでいくつか見たのですが、今回のは特に楽しくて幸福感あふれるものでした。何せ最後に、コッペリウスの研究の成果がでて、コッペリアが本当に動きだしちゃうんです。本当の大団円を迎えます。

民族舞踊が多いし、最後には新しく作ってもらった鐘を囲んでみんなで儀式のために踊る、というたいへんローカルな設定なのに、衣装はたいへん洗練されているというバランスもなかなかのものでした。マズルカ・チャルダッシュを踊った面々やジプシー役こそ、ややトーンを落とした赤や緑などを着ていましたが、他は全体的にペールトーン。エプロンはレースで上品でかわいらしく、おしゃれでした。舞台装置もたいへん美しいもの。フィリップ・エリス指揮、関西フィルハーモニー管弦楽団の生演奏も楽しめました。

ストーリーはこちら


英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団オフィシャルブログ



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