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英和訳語用例データベース

2004-12-08 21:27:59 | ブックマーク
辞書は商売道具かつ精神安定剤がわりなので、どんどん増えていってしまいます。参考資料も増えるわけで、この商売って、日本の住宅事情にあわないよね、と同業者とぼやきあったことがあります。

幸い、CD-ROM版辞書やインターネットのおかげでかさばって検索のしにくい紙版の辞書の増加割合はナマになりました。

インターネット辞書の数は驚くほど増えています。が、無料版でこれというものはとても少ないような気がします。掲載されていたらラッキー、っていうかんじで、内容はよくても量が少ないっていうのが多いです。作成労力を考えると、しかたないですね。

ところが、これはすごいって思うものもあります。まず英辞郎。アルクのサイトに掲載されている無料辞書です。これ一つで他の辞書がなくてもすませることができるようになりたい、という作成者というか主催者の言葉の実現をめざすべく、すさまじい勢いで増えていっています。しかも使える訳語や表現が多い。

更新頻度がインターネットではどうなっているのかわからないのと、インターネットにアクセスできないときのことや、検索のしやすさを考えて、CD-ROM版を使っていますが、仕事でなければweb版で十分でしょう。

もう一つがこの英和訳語用例データベース。作成者は、経済金融翻訳家の山岡洋一氏です。言うまでもなく、すばらしい翻訳家です。ボブ・ウッドワードの本を2冊持っているのですが、山岡氏が共訳した本『グリーンスパン』と、別の人が訳した『権力の失墜』は、原著者は同じで、日本の出版社も一緒なのにもかかわらず、訳のできは月とスッポンでした。ストレスなしでよめた『グリーンスパン』に対して、『権力・・・』のほうは、赤ペンをもって添削したくなるようなありさまで、原著をかわなかったのを激しく後悔するはめになりました

編纂されている経済・金融英和/和英辞典のもすばらしい辞書で愛用しています。

話はそれてしまいましたが、英和訳語用例データベースは、まだΒ版ですが、有料でも使いたいぐらいのできです。ふつうの辞書にのっている日本語に満足できない人にはお勧めです。

翻訳をやっていると、意味はわかるのだけど、どうも訳文がびしっとならないということがよくあるのです。そんなときのお助けになるのがこの手のデータベース。いろいろな訳例を見ているうちに、うまく浮かぶときもあるし、この訳や文体をいただき、ということもあります。

一般的な英単語に対して、生きた訳語、活用、例文を、信頼できる翻訳家による和訳と、信頼できる日本語著書の英訳から抽出したというものです。

見出し語が2万に対して、訳語、活用が28万、用例が8万あります。分業作業だそうですが、それにしても、これだけよく集めたものと感心してます。

作業しながら訳語集を作成する作業はたえずやっていますが、とてもここまではいっていません。このレベルのデータベースをめざして、がんばっていこうと思います。


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