キス・アンド・クライニコライ・モロゾフ講談社このアイテムの詳細を見る |
オリンピック、終わってしまいました。なんだかフィギュアスケートのことばかり書いてましたが、他の競技もたいへん楽しかったです。お祭りの終わった後のぼ~っとしたかんじをあじわっているところ。
オリンピック開催中は本を読む時間もないほど競技漬けになっていました
それでも読んだのがこの本。ちょうど、本屋さんの紹介コーナーにおいてありまして、ふらふら、とかってしまったのです。気楽に読めたので一気読み。
高橋選手に安藤選手、さらに荒川選手の話が大きくとりあげられていますから、日本人むけに書かれた本であることはまちがいありますまい。報道にあったのとだいぶんニュアンスがちがうことが書いてありました。本を書くのをきっかけに話をだいぶん整理して、頭の中で組み替え直した結果、必ずしも事実でない内容になってしまったのかもしれません。裏話を読みたい人は不満をおこすかも。話半分に読んでおくほうがいい、というのが正解です。
ところがで、日本人選手論やコーチ論としてはなかなかおもしろいです。
>スケート選手として成功するには、日本人であることの良さを残しつつ、同時に日本人離れした部分も併せもつようにしなければならない、ということだ。私はこれを「脳を手術する」と言っているが...
残すべきものとして、真面目さ、学ぶことへのどん欲さをあげています。そして勤勉でありながらおごったところはなく他人を尊重するとも。文化という側面で日本は他の国より30年先を進んでいる、なんて最大級のほめ言葉まで書いてあります。
一方で問題点もしっかり把握しています。つまり、シャイで礼儀ただしい日本人は自分を表現することに恥じらいを感じている、それが問題だということです。つまり、成功を収めるスケーターは自分を売ることに長けているのだが日本人スケーターはそれができていないということ。
そこで、あれやこれやの策を講じて脳を手術するわけですが...このあたりの駆け引きがたいへんおもしろいです。選手それぞれの性格、特性にあわせて、なかなかの策士ぶりを見せてくれます。コーチって結局、技術だけ教えても効果はあがらず、メンタル面をきたえて自信をもたせることが大切であること、それからそのためには、きめ細かく作戦を練る必要があるということを改めて認識したのでした。
オリンピックが終わったとはいえ、まだシーズンは続いています。こんどはジュニアの世界選手権大会(3/8~14 ハーグ)、世界選手権(3/22~28 トリノ)ですね。シニアは放送がまちがいなくありそう。ジュニアはどうかな。なかったらYouTubeでさがすしかありますまい。
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