声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

音楽隊志望

2019-08-22 09:10:49 | Diary
「やっぱり、PCと英会話は勉強しておいたほうがいいね」

高崎までの在来線で、

左隣に座っていた肩幅の広い白シャツに濃いグレーのズボン姿のガッチリした体型の中年男性が、

座席に座ると同時に、その左横の若い男性に話しかけている。

「PCや英会話を勉強する時間はあるんですか?」

と若い男性が訊くと、

「土日は基本的に休みだから、休みの日に勉強しに行く人もいるよ」


足下に置かれた紙袋の中には、ラスクで人気のある有名店のブルーのパッケージが見えた。


( お土産を持って誰がに挨拶に行くのかな?もしかして…自衛隊関係?)


「入ってから大学院で勉強する人もいるし、いろんな選択肢があるよ」


(中年男性は募集事務所の人かな?)

私の勘は、次の会話で的中した。


「文系の人が理系の技術職種に転向して昇級する場合もあるしね、55まで勤め上げて退職してからも市役所や県庁などに再就職する人がいるし…」

周囲を気にして小さな声で話してはいるが、

滑舌の良さがアダになって内容が全て聞き取れる。(^_^;)


「ボクのかつての上司なんて、定年退職後にA県庁の防災課に再就職したよ」

と話すと、

「辞めていく人もいますか?」

と隣の若い男性が口を開いた。

「いや、ほとんどいないよ」

と自信ありげに中年男性は答えた。

( えっ?)


「昇級して幹部になると、定年前に辞めていく人はいないね」


(なんだ、幹部の話か…)


「君は音楽を希望しているんだろうけど、入るとあっという間だよ。
毎年受ける健康診断の用紙がね、最初の頃は先輩の分厚いのを見て、オレあんな風にはなりたくないなぁ…と思うんだけど、あっという間に30を過ぎて40を過ぎると早い早い…、気がついたらこのくらいの厚さになっているんだよね」


…そう言って中年男性は指を縦に3cmほど開いて笑った。


(音楽隊志望なんだ…)


ふと自分が入隊した40年前を思い出した。

当時は、音大卒で自衛隊に入るのは珍しかったが

今の自衛隊音楽隊は狭き門で、
音大や芸大卒でも、なかなか入れないと聞いている。

どんな若者なのか私の位置からは見えないが、隣の中年男性に完全に隠れていると言うことは

細身なのだろう…。


高崎駅に着いて、

彼らの背後から見ると、やはりそうだ。

ガタイの良い中年男性の後ろから歩いていく大きな黒いリュックを背負った若い男性は、小柄で細身、

ただし、歩き方はしっかりしていて

これならドリル演奏にも耐えられるだろう…


あの大きなリュックの中は楽器だろうか?

大きさからするとユーフォニアムかホルン?

ホルンは、あんなリュックには入れないよなぁ…。


いずれにせよ、実技試験に受からないとね。


でも、もし運良く入隊できても試験でカンニングは絶対にNGだよ。


ガンバレ!


写真は郡山駅前で見かけた♪付きのベンチ










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