私は、もともと物覚えが悪い。
それに覚えても、すぐに忘れる…。
コンサートが近づくと、毎回、歌詞を覚えるのに悪戦苦闘する。
その昔、自衛隊音楽隊時代の先輩WACに
「どうすれば、歌詞が覚えられるんですか?」
と訊いたことがある。
『奥飛騨慕情』を十八番としていた演歌の得意だった彼女は、
「頭に、その状況を思い浮かべればいいのよ」
と教えてくれた。
演歌のようにストーリーがある歌は、思い浮かべやすいのかもしれない…
一番、悩むのは
情景描写が少なく心情描写だけで綴られている詞だ。
例えば、
1番「帰らぬ夢の懐かしく、頬すり寄せる侘しさよ」
2番「思い出遠く流れ行く、心にも似た悲しさよ」
3番「夕闇遠い行く末の、のぞみ儚く口ずさむ」
…という著名な作詞家のそれは、
心情把握のために想像力を膨らませてみようとするが…
何も浮かばない…。(・・;)
そこで、
この歌が挿入歌として唄われている映画を観ることにした。
ところが、
この『懐かしのブルース』という映画は、
悲恋のストーリーのはずなのに、
私には“あるイメージ”がジャマをして映画の世界に浸ることができなかったのだ。
主人公の伸子は25歳の設定だが、この時の高峰三枝子さんは30歳…
映画では、もっと年上に見える。
それ以上に気になったのが、相手役が上原謙さんだということ。
そう…
まさに、
かつて話題に上ったあの“温泉に浸かるフルムーン夫婦”のCMそのものなのだ。
映画では、
上原謙扮する脇村に結核を患う妻がいることを知った伸子から別れを切り出すというストーリーだが、
例えば、
残念なことに脇村の妻が病死して
何年か経った頃に2人は再会する。
その後、めでたく結婚という事になり、
年月は過ぎ、フルムーンで群馬の法師温泉にやってくる…
そんなハッピーなストーリーを、つい想像してしまうのだ。
これで、
歌詞の解釈が、ますます難しくなった。
(~_~;)
しみずゆみ