朝9時に美容院で3ヶ月ぶりのカット、
「そろそろ、ヘアマニキュアもやめようと思っているところなんだけど…」
と言うと、
店長のAさん、
「このままだとグレーヘアが揃うのは1年後ですかねぇ」
とのこと。
(う〜ん、それまで我慢できるかなぁ)
と思いつつ、
ルームミラーで見ると所々がメッシュのようになってきたショートカットの髪を指でかき上げて
次の目的地である整形外科に向かう。
運転しながら、ふと
ブラシも櫛も不要なこのヘアスタイルにして何年になるだろう…と考える。
最近は「カットしてください」だけで、余計なことは言わないが、毎回ほぼ同じ髪型に仕上がる。
と言うより、
若い頃と違って髪の量も減り、髪質も変わってきている今の自分には他の選択肢はないのだ。
そもそも
アタマの形はずっと変わらないわけだから、
パーマでもかけない限り、自ずと同じ髪型になってしまうのは当然だ。
そのことに気がつくのに何年かかっただろう。
考えてみると以前は、
「紀香さん風のカットにしてね」
とか、
「黒木瞳さん風のがいいかな…」
とか、
随分と無茶な注文をつけていたように思う。
その都度、
店長のAさんは「ハイ!」とニッコリ笑って受け流してくれていたわけだが、
仕上がって鏡を見るたびに
「そうよね、土台が違うんだものね」
と笑いながら、
紀香さん風にも黒木瞳さん風にもなれなかった鏡の中の客の小さな失望の表情を、あの繊細なAさんが見逃すはずはない…
きっと、
今回のカットも私の好みを知り尽くしているAさんが考えてくれた結果だ。
(カットする前より、ちと若返ったかも…)
そう思うと何だか嬉しくなって気分が軽くなった。
美容院は気分転換にピッタリだな。