声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

ある日どこかで

2017-05-12 18:54:22 | 映画・ドラマ・読書


始まりは、1972年…

この映画の舞台となるグランドホテルで

主人公が不思議な老女から懐中時計を受け取るところから…。


それから8年後の1980年、

新進気鋭の劇作家となったものの、仕事に行き詰った主人公は、

大学時代に一度だけ訪れたグランドホテルの「歴史ホール」で美しい女優の写真に出会います。


そして、そこから過去に遡ること68年前の1912年、

主人公の劇作家は、女優の活躍していた時代、
1912年にタイムトリップすることを願い、

ついに、実現させます。


そこには、当時一世を風靡した憧れの女優がいて
出逢った瞬間2人は恋に堕ちます。



1972年に初めて出逢った時は男子大学生と老女だった2人が、

1912年、運命の出逢いをして恋に堕ちるのです。

なんともロマンティックなSFですが、


誰も止められない一途な恋の行方を観ている私は、

( 結末はどうなるのだろう…)と思いながら

美しい2人に見惚れ、
この時間が永遠に続けばいいのにと願うのです。


そして、一気に燃え上がった2人に残酷な別れが訪れます。

ポケットから取り出したコインが1979年製造のものであることに気がついた途端、

劇作家は、時空を超えて現代に連れ戻されてしまうのです。

ここまでは、予想どおり。

この後、劇作家はどうなるのか…

気を取り戻して、過去の世界で女優に約束したとおりの作品を書くのかな?

と思ったら、

そうではなく…彼は女優のことが忘れられず
過去の世界に戻りたいと願うあまり、

とうとう寝食も忘れて引きこもり、誰の問いかけにも答えなくなり虚ろな目で空を見続け、

その朦朧とした意識の中で、
女優が手招きしている姿が浮かぶ…という展開に

( これは、ハッピーエンド?

いやいや 、これは現実逃避の物語だ。

仕事に行き詰まった劇作家が神経を病んだあげく
創り上げた妄想なのに違いない。)

…と、現実主義者の私は考えるのであります。


そう思いながらも、

私なら誰に会いに行くかしら?

と、

タイムトリップできた自分を想像し、

( きっと、あの方だわ )

写真を見て、一目惚れした…

明治2年5月11日に亡くなった“あの方”を想うのです。


それにしても…1912年の世界は美しい…、
ゴミだらけのシカゴとは別世界、

まるで絵画を観ているよう…

ジェーン・シーモアと
今は亡きクリストファー・リーヴ、

そして、ラフマニノフのラプソディと
ジョン・バリーの音楽が、

甘く、切ない…映画です。


しみずゆみ ⏳







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