天使の図書館ブログ

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エースをねらえ!-2-

2012-07-24 | エースをねらえ!

(※「エースをねらえ!」についてネタバレ☆があります。念のため、一応御注意くださいねm(_ _)m)


 一応念のために書いておくと、この記事はアニメ「エースをねらえ!2」の感想記事ではないです

 今回の記事から、コミックスの1巻~の感想を順に書いていこうかなと思ってて……でもたぶん続くのは、宗方コーチの出番がなくなる少しあとくらいまでかもしれません(^^;)

 やっぱり、あの部分を頂点として、「エースをねらえ!」は物語として若干失速気味の感があるのは否めないと思うんですよね

 まあこれは、原作を悪く言っているわけではまったくなく……アニメの「エースをねらえ!2」は、そのあたりのことをうまく補って描写してるなあってすごく思います。

 そして、アニメと原作の違いでわたしが少し驚いたこと――それは、アニメだとひろみが最初に出会う異性(笑)って宗方コーチなんですよね(^^)

 いえ、少女漫画には黄金パターンみたいなものがいくつかあって、とにかく主人公の女の子が最初に接触した男子(笑)と最終的にはくっつく場合が多いというか。

 でもこれ、原作だとやっぱり藤堂先輩なんですよねww

 このあたりについても、つくづくアニメのスタッフさんは「わかっていらっしゃるなあ」なんて思います。

 それから、お蝶夫人の登場!!!

 いえ、今回原作読んでて、わたしお蝶夫人のことをすごく誤解してたんだなあって気づきました

 お蝶夫人の特徴として有名なのが、あの縦巻ロールと、「……ってよ」という、優雅な口調。

 そのせいかどうか、わたしてっきりお蝶夫人って、ちょっと意地悪なところのある冷たい人なのかなって、ずっと思っていたんです(^^;)

 と、ところが……実際にはお蝶夫人って、容姿が美しいだけでなく、性格も気高くてお美しい方だったんですよね

 あと、お蝶夫人の本名についても、今回初めて知りました。

 竜崎麗香って……いえ、わたしにとって竜崎といえば、あの竜崎ですよ(笑)

 しかもL、ライトくんとテニスで勝負してるし、あの偽名にしたのはもしかして、お蝶夫人から!?なんて、つい思ってしまいましたww(もちろん、名前の由来については、13巻に書いてありますけども☆^^;) 

 それと、お蝶夫人の名前の由来が、>>「鮮やかな蝶の舞いにも似た華麗」なプレイスタイルだからっていうのも、今回初めて知ったような次第です♪(^^)

 それから、自分的1巻におけるお蝶夫人のハイライトシーンは、ひろみから薔薇の花束をもらった瞬間の、あの可愛らしさでしょうか

 お蝶夫人って、本当はこういう人だったんだ……って、目から鱗ものでした(笑)

 あと、お話が進むにつれて、お蝶夫人の心の孤独ということにも触れられていて、お話全体を通して、お蝶夫人という女性が今回本当に大好きになりました

 そんでもって、1巻の内容に再び話を戻すと、このお蝶夫人に憧れて、親友のマキと一緒にテニス部へ入ったひろみですが、新任の宗方コーチに地区大会の選手として抜擢されます。

 1年生で、しかもテニスを初めて間もない自分が何故!?と、戸惑うひろみ。

 周囲の人間も当然納得などするはずがなく、特にレギュラーメンバーだった音羽先輩から、ひろみは目の仇にされることに。

 そして始まる、いじめや嫌がらせ……靴に画鋲が入ってたりとか、ラケットを隠されたりとかいうのは、いかにも「昭和だなあ☆」という感じかもしれませんが、あとからひろみは「あれもみんな、テニスが好きだったからなんだ」みたいに思って、振り返れるようになるんですよね(^^;)

 あの、昨今色々問題になっているとおり、いじめっていう行為自体は絶対許せることではないと思うんです。

 でも、この漫画の中におけるひろみについて言うとしたら――あとになってみれば、その経験もまた彼女を人間として強くした、と言えるとは思うんですよね(一応これ、漫画の中における出来事として捉えればそうだという話であって、わたし個人は絶対的にいじめ容認派ではまったくないです)。

 実際の試合では、ボロ負けどころか、試合の途中で痙攣を起こしたことによる、ケイレン負け。。。


 >>「岡!ケイレンは体力負けだ。体力も実力のうちだぞ」


 という、コーチのお叱りのオコトバ。なんともとほほーん☆なひろみですが、ちょっとだけ良いことも(笑)

 憧れのもみあげ藤堂先輩の自転車の後ろに乗って、送ってもらったひろみ


 >>「君、テニスをやめるなよ。何があってもだよ。テニスはいいよ」


 という名言を残し、「じゃ、失敬!」と、爽やかに去っていくもみあげ……じゃなくて、藤堂先輩。

 さらに、レギュラーを外されたことに不満を持つ音羽京子から勝負を挑まれるも、ラケットを隠されて戦えないひろみに、藤堂がラケットを貸してくれるのでした(「よっ!これぞ少女漫画!!」といった感じ??)

 そして、その勝負のゆくえはというと……実力差的なことでいうなら、音羽先輩が勝って当然なはずなのに、彼女は自滅するような形で敗北してしまうのでした。。。

 でも、このへんって、実は意外にリアルだったりもしますよね(^^;)

「これがテニスというスポーツの恐ろしいところだ」的なww

 さてさて、さらに続く、鬼コーチ宗方仁のしごきとも言える特訓の日々……そして再び試合の日がやって来ます。

 そして、セットカウント2-1で苦しい試合になんとか勝つひろみ。

 まあ、こう文章で書くと、「テニスはじめたばっかの素人が、んな馬鹿な☆」とか、「やっぱ漫画だからね~☆」みたいな感じかもしれないんですけど……わたし自身は、原作中のひろみの成長については、すごく説得力があるなあと思って読んでました。

 次に、緑川蘭子という超高校級プレイヤーと対戦することになるひろみですが、「勝てっこない!」、「試合に出たくない!」と思うひろみに対し、鬼コーチの名言が。。。


 >>「逃げてどうなる。さあ、コートに入れ。
    コートでは誰でもひとりだ。今までの練習だけがおまえを支える。
    行け!!」


 いや、もーほんと、鬼っスね、宗方コーチww

 結果、1セット、1ポイントもとれず(ですよね、たぶん☆)、惨敗するひろみ。。。

 でも、勝てるわけがないと知っていて、あえてコートに宗方コーチがひろみを放りこんだことには、当然意味があって(^^;)

 まあ、このあたりについては、作品の中で説明があるわけじゃないですけど……ようするに、短期間で力をつけさせるには、とにかく実戦あるのみ!!というのが、宗方コーチの考え方だったと思うんですよね。

 周囲の聞こえよがしの非難の声に耐えつつ、さらに特訓を積むひろみでしたが、とうとう本音が出てしまいます。


 >>「わたし、わたし、もう嫌です。試合なんか!コートに立つのが怖い!」

  (また叱られる。でもいい!ほんとにもう嫌なんだもの!!)

  「……当然だ。勝負がかかってるんだから、誰でも怖い」

  「誰でも……!?」

  「そうだ。藤堂も尾崎もお蝶も、この俺もだ」

  「コーチも……」

  「いいか、岡。だからみんな真剣に練習するんだ。コートで頼れるのは自分の力だけだ。
   力をだすには自信がいる。自信をつけるにはとことん練習することだ。
   おまえは日常の練習でお蘭に負けた。それがわかるか」

  「あ……で、でも、あの人は素質が……」

  「馬鹿なことを言うな。体格さえあればあのサーブが打てるか。あれはお蘭の努力の結晶だ。
   誰が最初から良い球を打てる。誰が完璧な素質など持っている。
   誰もが恵まれた長所を伸ばし、短所を努力で補って試合にのぞんでいるんだ。
   さあ、ラケットをとれ」

  「……はい」

  「二度と素質などという言葉を口にするな!」

  「は、はい」


 ――こののち、お蝶夫人と試合をすることになるひろみですが、当然のことながらボロ負けしてしまいます。


 >>「あ、あんまりです、コーチ。
    そっ、それじゃわたし、恥かくためにテニスやってるみたいで……」

  「馬鹿。情けない顔をするな。試合なんてものは、やってみなけりゃわからないんだぞ」


 というのが、試合前のひろみと宗方コーチの会話で。。。


 >>「いやだ、1点もとれずに負けるなんて!
    いくらお蝶夫人でも、負け方ってものがある!」


 そう思って、ひろみが打った一打がヒット。

 しかもこの試合で、ひろみはお蝶夫人からエースを一本とるわけですよ!!

 試合内容としては、ボロボロのストレート負けでも、この時のひろみとお蝶夫人の試合っていうのは、実は何気に最後の巻に至るまで、重要な一戦ではなかったかという気がします。

 なんでかっていうと、宗方コーチが「試合なんてものは、やってみなけりゃわからないんだぞ」と言ってるとおり――絶望的な試合の中でいかに相手に対してねばれるか、それが勝敗を左右するのは、テニスでも他のスポーツでも一緒だと思うんですよね。

 テニスの場合、40-0になったらもう、「こりゃ駄目だ☆」って、気持ちの面では絶対に折れそうになる。

 それだったら、無駄に体力使わずに、その回は相手に勝たせておいて、次に賭けるのか、それとも全力でしつこく相手に喰らいついていくのか……この時のひろみは、お蝶夫人と実力差がありすぎるだけに、「一本でいいから!」、「一点だけでいい!」という思いで喰らいついていった。

 このハングリー精神っていうのは、これからひろみがプレイヤーとしてどんなに成長しても、根底にあるものとして「これを失ったら、テニスプレイヤーとして終わりだ」といえるくらいのものがあると思う。

 それがまず第1巻にきてるっていうのは、スゴイなあ、というか(^^;)

 とはいえ、相も変わらずの厳しい特訓と周囲の冷たい目、それにひろみを包む嫌な噂は消えることはなく……お蝶夫人に憧れてテニスをはじめたひろみは、「お蝶夫人に誤解されてまで、続けることもない」と思い、退部を決意。

 そして、その決意を宗方コーチに伝えるわけですが、コーチは「好きにしろ」の一言だけ。。。

 でも、たったの四日練習を休んだだけで、退屈をもてあまし、やがてコートが恋しくなったひろみは、練習が終わって誰もいないコートに戻ってきます。


 >>「こんなつまらない毎日、考えてもみなかった……。
    なんて馬鹿なことしたんだろ。誤解をおそれてテニスをやめるなんて。誤解なら、いつかはとけたろうに。
    テニスをやめて、一体何が残ったというんだろ。
    今ごろになって、テニスがどんなに大事かわかるなんて」


 そんなことを思いながら、ひろみがボールを打っていると、宗方コーチがやってきます。


 >>「腰のひねりがたりない」

  「コーチ!」

  「いいかげん、お蝶から離れたらどうだ。
   お蝶のプレイをまねるかぎり、お蝶以上のプレイは出来ないぞ。
   おまえたちは性格も体格も違う。おまえはおまえのテニスをするんだ。
   そのためにも、もうお蝶から離れろ!」

  (コーチ、それは……クラブに戻っていいってことだろか?)

  「あ、あの……」

  「どれだけ練習を休んだ?」

  「えっと、あの、四日です」

  「そんなにサボったのか。その分明日からしごくからな!」

  「コーチ!すみません、すみません」


 そんでもって、「風邪をひくぞ」と、優しくコートまでかけてくれる宗方コーチなのでした。。。

 わたしが買ったのは、文庫版じゃないので、元のこみくす☆収録分はここまでです♪(^^)
 
 なんにしても、こんな感じでこれからも、宗方コーチは厳しかったり優しかったりなわけですが、もう二度とこういう種類の「テニスやめたい宣言☆」がひろみの口から出ることはなく……周囲の自分に対する冷たい態度が相変わらずでも、「テニスが好き!」という気持ちを大切に、ひろみは部活を頑張り続けることになります。

 そのあたりの、単にテニスの「体」・「技」という部分だけじゃなく、「心」――この部分のひろみの人間としての成長が、「エースをねらえ!」の何より面白いところなんですよね(言わずもがな☆)

 それではまた~!!



 ↓ある意味、宗方コーチのえこひいき☆の犠牲になったともいえる音羽たん。でも彼女のことはなんとなく好きだなあって思います♪(^^)





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