天使の図書館ブログ

 オリジナル小説サイト「天使の図書館」の付属ブログです。

動物たちの王国【第二部】-7-

2014-03-03 | 創作ノート
【座る若い女】ピエール=オーギュスト・ルノワール


 え~と、本当に書くことが何もないっていうことで……どうしようかなと思ったんですけど、第一部の24の前文で、右にずらそうが左にずらそうが「イタイイタイ☆」というおばあさんや、「すみませんと言いさえすれば、おまえらはわしに何をしてもいいと思ってるのかあっ!!」と怒るおじいさんがいると書いたので、まあそのことでもと思います

 これはそこの病院だけじゃなく、他の施設でも見たことなんですけど、お年寄りの方の中にはどこを触っても「イタイイタイ☆」と言う方が時々おられると思うんですよね。

 で、これはあくまでもわたしの知る限りにおいてということなんですけど……そうしたおじいさん・おばあさんに対する職員の対応っていうのは結構ぞんざいだったりします(^^;)

 人によっては根気良く相手をする方もいるにしても、場合によっては根気良く相手をして時間かければいいってものでもないというか、状況によってはすごく急いでいて、ひとりひとりにそんなに時間をかけられなかったりするんですよね。

 たとえば、デイサービス系の施設でお風呂に入れなきゃいけない老人の方がたくさんいる場合、結構流れ作業というか、服脱がせ係、お風呂入れ係……みたいな感じで、役割分担してると思うんですけど、服を脱がせる時にどこ触っても「イタイイタイ☆」とか言われると、職員のほうでもイラッとして(夏場は当然、暑さのせいもあります^^;)、「あ~、ハイハイ、もうわかったわかった!!」とか言いながら、若干強引に服を脱がせたりとか、あると思います。

 いやまあ、外からボランティアなどで来た方がその場だけ見たらどう思うかわからないんですけど、わたし個人としては「あそこの施設は××☆」みたいに言っていいのは、同じように汗だくになってお風呂場仕事をやったことのある人だけ……という気がしています(^^;)

 そのくらいの「大変さ」を理解してから物言ってちょうだいよ☆っていうのは、現場の介護職員さんには絶対あると思ってるので

 う゛~ん。でもその……そういう忙しさがなくて、「イタイイタイ☆」と繰り返し訴えられたら、「△△さん、またはじまった」っていうんじゃなくて、一回一回根気良く相手の訴えを聞くっていう選択もあるとは思います。

 なんていうか、わたしも内心ではかなり「うんざり」してはいるんですけど、左に動かしても右に動かしても腰が痛いっていうおばあさんの相手をする時に、その方の場合は毎回相手の言うことをかなり尊重してました。

 まあ、そのおばあさんの場合は「あなたが一番良くしてくれる」とか「他の職員さんは乱暴だ」とか言われたんですけど、他の職員さんみたいに「イタイ」と言おうとなんだろうと「ハイハイ、ごめんよごめんよ☆」で済ませて、手際良くさっさとオムツを換えたりするっていうのも、ひとつの方法だとは思ってるんですよね(^^;)

「こうだろうか」、「ああだろうか」と、相手の話を聞いて想像しながら介護するっていうのは共感的理解っていう意味で大切だとは思うんですけど、それも時と場合によることがあるというか

 それでも、「すみませんと言いさえすれば、おまえらはわしに何をしてもいいと思ってるのかあっ!!」と怒ったおじいさんについては、わたしも正論だな~と物凄く思ったという感じでした。

 つまり、結局どこ触っても「イタイ」って言うわけだから、職員サイドとしては手早くすませたほうがそれだけ患者さんの負担も軽くて済むって考えるっていうことなんですよね。「あ~、ハイハイ、すみませんすみません」ってほとんど棒読みしながらさっさとやるべきことを終えようとするというか(^^;)

「すみません」と言いながらも本当にはそう思ってない感じなので、まあこの場合は患者さんのほうで切れたのだと思います。片麻痺があって、片手に拘縮のある、何故かオウム真理教のヘッドギアのようなものを着けたおじいさんなんですけど(もちろん信者ではなく、頭部を保護するためのものです・笑)、その時には他の職員さんたちも流石にハッとして、静かにこのおじいさんの相手をしてましたっけ。。。

 やっぱり、忙しい時は無理でも時間のある時には相手の話をよく聞くようにしてると、夜勤の時とか人がいない時にポロッと本音を話してくれることがあるというか。

 このおじいさんの場合は、戦争があった時のことを話してくれて、大体今の八~九十代くらいの方の場合は、戦争のことを話してくれる=心を許してくれてる、みたいなところがどこかにある気がします。

 でも、いわゆる2015年問題というか、介護される方の世代交代がこれから起きるといわれていて、これから団塊の世代と呼ばれる方々が介護される世代になり、介護のニーズもかなり変わってくるだろうと言われてるんですよね。

 つまり、もう戦争のことを語ってくれるおじいさんやおばあさんがどんどん少なくなるっていう意味で、なんだか寂しいなあ……とぼんやり思ったりもするというか(^^;)

 なんにしても、「相手が本当は何をどうしたいと思っているのか」、想像したり考えるっていう、基本的なことは変わらないのかなと思ったり。。。

 それではまた~!!



       動物たちの王国【第二部】-7-

 K病院の八階には、それぞれの各病棟の看護師長、また主任の集まる<看護師長室>と呼ばれる場所がある。そこには主任が専用で使えるロッカーと休憩室、それに広い会議室のフロアがふたつ並んでいた。それぞれの科の看護師長には師長室があるので、ここにロッカーはないのだが、それでもここが<看護師長室>と呼ばれるのは、毎日カンファレンスやミーティングといったものが頻繁に行われるそのせいであった。

 もっともこの場所は、ある一部の病院職員には<魔女の巣窟>などとも呼ばれており、「一体毎日何が話し合われているのやら……くわばら、くわばら」などと、恐ろしがられてもいるようである。

 その日、K病院の総看護師長である宮原暢子は、朝の申し送りの時間の最後に「手術室に異動になってもよいと思う看護師の募集」の件に関して、ひとりの看護師長の手も上がらないのを見て、実にがっかりとした。せめてひとりくらいは誰か――手術室でキャリアを積み、その上を目指してステップアップ、などという物好きがいて欲しいと思ったのだが。

「え、誰もいないの?ほんとに?」

 楕円形のテーブルを囲む、十人の看護師長、また八人の主任が全員、ほぼ一斉に上座を占める総師長のほうから目を逸らした。もちろん、宮原とてわかってはいる。ここにいる主任、看護師長のうちの全員が、必ず一度は過去に手術室で経験を積んでいるのだ。だがもう一度戻りたくはない――誰もがそう思っているのだろう。

「今この場に、手術室の花原師長はいませんけどね、みんなも知ってのとおり、彼女は寿退社することが決まっています。ということは、手術室の次の師長を誰にするか、ポストが空くことになるんですよ。ここで一年以上勤めれば、その次には必ず希望の科へ異動させてあげるし、今ここにいる主任の中で師長になりたい人がいれば、その約束も必ず果たします。でも、その程度の条件じゃ誰も手術室になんかなんの魅力も感じないってことなのね?」

(困ったわね)といったように、宮原がどこか白々しい溜息を着く。宮原の横で副師長の東香織が心得まして候とばかり、話の後を継いだ。

「この場にいる師長と主任はさておき、部下の看護師たちには全員、その意向を伺ってみた?看護師としてスキルアップを目指すなら、手術室ほど良い場所はありません。それに、あなたたちもわかってるでしょうけど――ここにいる人は全員、必ず一度はオペ室を経験しています。つまり、主任以上の役職に就きたければ、手術室は避けて通れない部署でもあるわけです。そういうことも全部、特に有望な看護師には説明して聞かせたということですね?」

 東の分厚い眼鏡が光るのを眩しいと感じたように、全員がやはりそれぞれ、不自然なほど副師長と総師長から目を背けたままでいた。そんな中、時間を気にした内科の主任が、一同を代表するようにこわごわとこう話しはじめる。

「あ、あのう……わたしもみんなに聞いてはみたんですけどね、べつにスキルアップなんて今更目指してないってみんな言うんですよ。毎日毎日、一日の業務をこなすだけでも大変なのに、今更手術室なんかに行って、一からものを覚えたくなんかないって。それで、こういうこと言うのはわりと年が上の看護師たちでですね、今度わりと若い人たちに話を振ってみると「手術室?そんなの絶対無理です!ぎゃー」っていう感じで逃げられてしまって……結局、誰もオペ室なんて行きたくないっていう結果になってしまったというか」

 青森出身で、標準語の中になまりの残る小早川がそう言うと、今度は四階の整形外科病棟の主任が同調した。

「まあ、大体うちも似たような感じですね。むしろ逆に出世なんかしたら、病棟の業務や夜勤からは開放されても、それならそれで中間管理職に特有の悩みが増えるだけだからって……どうなんでしょう、副師長。オペ室の滅菌担当の責任者に水原さんっていますよね。あの人のせいもあって、オペ室のイメージはうちのナースたちにはすこぶる悪いんですよ。だってあの人、鬼みたいな顔していつも医療器材を点検するでしょう?それで、器械バットの鑷子なんかにほんのちょっと、ほんのちょこっとうっすらとでも汚れが付着してたら「ハイやり直し!!」って嬉しそうに言って、ピシャッと受付の小窓を閉めるんですからね。あんな恐ろしい人を部下として扱ったり、同じ場所で働きたいなんて思う人、たぶん誰もいませんよ」

「そうですよ。花原師長とは変人同士でうまくいったかもしれませんけど、わたしも嫌ですね」と、脳外科主任の寺内ひとみ。「そして自分が嫌だと思う部署に、部下としてこのまま病棟に居続けて欲しいと思うほどのナースを送り出したいなんて、誰も思いませんよ」

 そうなのである。手術室に推薦していいと思うほどの看護師は、当然病棟としてもそのままい続けて欲しい優秀なナースであることを意味している。そこのところのジレンマを理解した総師長は、再び溜息を着き、「仕様がないわね」と、手のひらで弄んでいたボールペンをポケットに収めた。

「じゃあ、今回はわたしがよくよく人事を考えて<天の声>を発しますけれど、その点は恨みっこなし、文句言いっこなしということで、いいですね?」

 一同は一度しんとなり、「では解散!」という副師長の声に合わせ、それぞれガタガタと椅子を立ちはじめた。

 そんな中で、外科の永井あけみが重い溜息をひとつ着きながら、隣の高橋志津香にこう囁く。

「困りましたね、高橋師長。たぶん、うちからひとり持ってかれますよ」

「そういうことになりそうね。総師長の顔を見ていてわたしにもわかったわ。第一、ずっと前から言われてはいたのよ。瑞島は優秀だから、外科の補佐からそのまま主任になるんじゃなくて、他の部署の主任か師長を先に経験させたらどうかって……主任補佐の立場からオペ室の師長っていうと、なんだか二段階特進を果たしたみたいに聞こえがいいかもしれないけどねえ。ほんと、実際大変よ、手術室は」

 この月曜の朝、外科の師長と主任はそのように心をモヤモヤさせたまま、エレベーターを五階へ降りていったのであるが、それとは正反対に総師長宮原の心は晴れ晴れとしていた。何故といって自分の後継者と目される外科の師長にダメージを与えてやれると思うと、彼女にとってこの人事は少しばかり心躍るものとなったからである。

 宮原暢子はいわゆる<お局系>の看護師だった。二十一歳の時に看護学校を卒業して以来、内科、外科、精神科、神経内科、整形外科、脳外科……と、大体の部署は一通り経験して現在の役職に至っている。その間に見合いして結婚しようと思えば出来ないことはなかったものの、彼女は看護師としてキャリアを積むことのほうに拘っていた。何故といって、「この世の大抵の男は馬鹿だから」というのが宮原の持論である。また、子供を生んだところで惨めな老後しか待っていなかったという患者のことなど、腐るほど見てきた。ゆえに、そのくらいなら結婚などのために金を浪費せず、将来のために出来る限り貯蓄したほうがよほど得策だと考えていた。

 そして彼女がちょうど五十歳の時、ある転機が訪れる。その時宮原は脳外科で看護師長の役職にあったのだが、当時の総師長が定年退職を迎えることになっていた。順当にいけば、その時副師長であった人望の厚い宮原と同い年の女性が、そのまま総師長の地位に就任するはずであった。だが、脳外科医の院長の弱味を少しばかり握っていた宮原は、その件でさり気なく彼のことを揺さぶり、現在の地位を獲得していたのであった。

(でも、せっかくの居心地いいこの地位もまた、誰かに譲り渡さなきゃいけないのよね。あーあ、花原が結婚せずにずっとK病院にいたのだったら、わたしは彼女にこそ自分の後継者になって欲しかったのに)

 自分が結婚していないせいかどうか、宮原には既婚者に対して嫉妬の情を燃やすという一面があった。それは彼女の仕事の傾向にもよく表れていて、宮原はキャリアを目指す独身の看護師のことはよく重用したが、結婚も仕事も両方うまくいかせたいといったナースに対しては、存外冷たいのであった。

 にも関わらず、宮原は花原梓の結婚に対しては珍しく心から喜んでいた。まるで自分の娘が結婚する時でもあるかのように本当に嬉しかった。しかも相手は長くアメリカに留学していたこともあるエリート脳外科医なのである。宮原は普段相当な吝嗇家であったが、花原と雁夜の結婚式の際には結構な額のご祝儀を包んでやろうと今から思っているほどだった。

(まあ、雁夜先生は背の低いのが玉に瑕といったところだけど……結婚式の時、竹馬にでも乗って背の高い花原と並んだら、結構受けるんじゃないかしらね)

 青空を背景に日差しの降り注ぐ廊下を歩き、宮原は総師長室に辿り着くと、腹心の部下である副師長の東から受け取った各科の異動希望職員裏リストに目を通しはじめた。

 とはいえ、今回の人事は何分手術室への異動人事である。こうしたリストに名前の挙がってくるナースをオペ室行きになどしたら、すぐ辞められておしまいとなるだろう。

 ――十三階、特別病棟。夏目雅。

 宮原はその名を見ると、年齢やスキル的なことを考え、彼女をオペ室に行かせるのはどうだろうと一瞬考えた。夏目雅を異動させてほしい事由については、特別病棟の佐藤師長から何度も話を聞いて知っている。

「とにかく、仕事に対してやる気や熱意がないっていうんですかね。ほら、総師長。うちって他の病棟で何年かナースやって苦労した人だけがくるような場所じゃないですか。でも彼女、最初にいた病院を半年くらいで辞めちゃって、次にK病院に来たって感じだから……まだ若いんだし、他の病棟で色々揉まれたほうが本人のためになると思うんですよ」

(それはわたしの人事ミスだったわね)とは、宮原は当然答えなかった。何故といって宮原は面接の時に夏目と会った瞬間にこう直感していたからである。(この子はすぐ結婚して辞めるっていうタイプの看護師だわね)と……そこでとりあえず特別病棟に放りこんで様子を見てみたのだが、まあ案の定といったところであった。

(なんにしても先に、外科の瑞島から話を聞かなくちゃいけないわね。本人がどうしても嫌だというのにオペ室送りにするってわけにもいかないから。でも、花原の後任ってことになると、瑞島くらい人間的に力がないとあそこじゃ勤まらないから……ここはなんとか飴をいくつも持ち出して説得しなくちゃね)

 普通ならば、現在手術室に所属している看護師の誰かを花原の後任として師長に押し上げるべきなのだろう。ところが手術室のナンバー2、ナンバー3ともに、嫌だと言って頑として譲らなかったのである。

「絶対嫌ですよ、そんなの。第一、わたし総師長と約束したじゃないですか。で、今は内科の外来に午前中はいて、午後からはオペ室を手伝うってことになってますよ。わたしとしてはそれで十分ですから、オペ室の師長なんて現主任の園田でも昇格させたらいいんじゃないですか」

「やだー、変なこと言うのやめてー、悦子さん。オペ室の師長なんてそんなめんどいこと、わたし絶対いやー。あのポジションは花原師長みたいに気が狂ってないと務まりませんて。まあ、確かに花原師長が特異だったっていうのはありますよね。べつに現場でなくてもいいのに、あの人は他のナースの仕事を軽減するために器械出ししてたって人だし……結局のところ誰がオペ室の師長になろうと揉めますよ。で、わたしはそういう揉めてる場面を他人ごとのように横でみて、他の職員とべらべらしゃべりたいタイプ。師長になったらもうそんなことも出来なくなっちゃうし、やだもー、ほんとじごくー、さいあくー」

 花原梓に次ぐ、オペ室の住人として有名な江口悦子と園田美園がそう言い切った。江口に対しては、「これから子供が大きくなってきたら教育資金も必要になるし……」と月々の給与とボーナスアップのことを話し、また園田に対しても同様に「あなた、仲村くんと整体院を開くための資金を貯めてるんでしょ?だったらこの件は叶ったりじゃないの」と言って攻めた。

 ところがふたりとも頑として自分の意見を譲らず、

「うちの広夢に今必要なのは、お金じゃなくて一緒にいる時間なんですよ。オペ室の師長になんかなったらそんな時間もなくなっちゃって、息子が将来グレでもしたら、総師長、責任とってくれるんですか?」

「わたし、主任になる時には総師長の言葉にうっかり乗っちゃったけど、今じゃ後悔してんのよねー。それまでそれなりに仲良くしてた子たちが、なーんかちょっと距離置いたりとかされちゃってー、これだから女ってやよねー、ヒソヒソヒソって感じ」

 そしてそんな江口と園田も、ただひとつのことに関してだけは意見が一致していた。

 つまり、「次にどんな看護師長が外部からやって来ようと、自分たちふたりがうまく持ち上げるから、その上で適当に踊れる人選をお願いしまーす!」という、要約すればそのような話であった。

(ま、瑞島はあのおかしなふたりと違って、それなりにまともな神経の持ち主だから、説得次第でオペ室の師長に昇進することを承諾してくれるにしても……花原がいなくなるとなると、誰かもうひとりくらい優秀な人材が欲しいのよねえ。ううん、特にそれほど優秀じゃなくても、一からものを覚えてしっかり仕事をしてくれるような子が……)

 そう考えた場合、やはり夏目雅では役不足であった。そこで宮原は他の中堅クラスの看護師の顔と名前を思い浮かべていったのであるが、最後にもう一度夏目雅の名前を異動希望リストの中に見つけた時に、突然閃いた。

(あ、そういえばいたわ。ひとりうってつけの子が!二か月くらい前に面接した子で、前は医大病院の救急部にいたとかいう子。救急部に三年もいたっていうんなら、一見大人しそうに見えて、結構根生あるんじゃないかしら。きっとあの子なら……)

 こういう時の自分の直感と閃きに間違いはないとばかり、宮原は十三階の特別病棟に繋がる内線ボタンを押した。そして佐藤師長と話し、手の空いた時にでも羽生さんを自分の部屋まで寄こしてちょうだいと命令したのである。
 


 >>続く。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿