【落穂拾い】ジャン=フランソワ・ミレー
(※一応ネタバレ☆がありますので、本篇を読む予定のある方はご注意くださいねm(_ _)m)
第3章、煉瓦町リムレアを更新しました♪(^^)
第Ⅰ部に出てきたターナさんとミュシアの再会っていうのは、最初に書いてた時から話のどこかに入れようと思ってたんですよね。
そんでもってこの落穂拾い=貧しい人がする仕事……っていうことについては、もう少し本文中で説明しておいたほうが良かったかなあ、と、これもまた第Ⅰ部を書いてた時から思っていて(^^;)
このエピソードの背景にあるイメージは、わたしの中では聖書のルツ記といっていいと思います。
落穂拾いというのは、簡単にいうと、収穫の際に小麦などを刈り取った時、当然畑にはそこから「落穂」がこぼれ落ちるわけですが、それを拾う作業のことというか。
いや、言葉のとおり、そのまんまやんけ☆っていう話なんですけど、土地の所有者は貧しい人がそれを拾うのを邪魔してはいけないっていう決まりが、旧約聖書にはかなり早い段階から出てきます。
でも、土地の権力者には当然、意地悪な人もいるわけで……あるいは、そこで収穫の作業に追われる使用人たちも、いい人ばかりとは限らないし、「落穂拾いをする作業を邪魔する」、または邪魔しないまでも、聞こえよがしの中傷的な言葉を投げかけられたりとか、色々あっただろうと思うんですね(^^;)
けれど、仮にそんな扱いを受けたとしても、生活のために腰を曲げて、必死に落穂拾いでもしないことには、貧しい人たちというのは食いっぱぐれてしまうわけですから……人から何を言われようとぐっと堪え、そんなふうにして日々の糧を得るしかなかったわけです。
そんでもって、聖書のルツ記に話を戻すと、ルツっていうのは、義理のお母さんのナオミと同じく、未亡人になった女性でした。
ナオミは死んだ息子の嫁に対し、故郷へ帰るよう勧めるのですが、ルツはお義母さんの後についていくことにするんですよね。
>>ルツは言った。
「あなたを捨て、あなたから別れて帰るように、私にしむけないでください。
あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。
あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。
あなたの死なれる所で私は死に、そこに葬られたいのです。
もし死によっても私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも私を罰してくださるように」
ナオミは、ルツが自分といっしょに行こうと堅く決心しているのを見ると、もうそれ以上は何も言わなかった。
(旧約聖書ルツ記、第1章16~18節)
何分大昔のことですから、夫を亡くして経済的基盤を失った義母に、さらに自分も同じく未亡人となった身なのに、それでもなおかつ一緒に暮らそうとする……というのは、かなり珍しいケースといえるのではないでしょうか。
でもふたりは、飢饉のあった場所からナオミの故郷へ戻ってきただけあって、本当に「何もない」状態で、ルツはすぐに「落穂拾い」へと赴くわけです。
>>ナオミは嫁のルツに言った。
「娘よ。あの方のところの若い女たちといっしょに出かけるのは、けっこうなことです。ほかの畑でいじめられなくても済みます」
それで、彼女はボアズのところの若い女たちのそばを離れないで、大麦の刈り入れと小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾い集めた。こうして、彼女はしゅうとめと暮らした。
(旧約聖書ルツ記、第2章22~23節)
とナオミが言っているとおり――「落穂拾い」というのは、そういう仕事だったということなんですよね(^^;)
でも、ルツが落穂拾いに行った先というのが、ボアズという超いい人のところだったため、麦をいっぱいくれるだけでなく、「あの女に恥ずかしい思いをさせてはいけない。それだけでなく、あの女のために、束からわざと穂を抜き落としておいて拾い集めさせなさい」と、他の使用人たちに命じてくれるくらいだったのです。
このボアズという人は、最後未亡人のルツと結婚するのですが、ナオミの夫エリメレクの遠い親戚で「土地買戻しの権利」まで持っているという人だったんですね。そこで、他の近い親戚のほうに、この「土地買戻しの権利」を持つ人がいたんですけど、その土地を買い戻す人は未亡人のルツのことも引き受けなくてはいけないので……その人が断ったことから、ボアズは最終的に土地を買い戻しただけでなく、ルツと結婚もするということになったわけです。
まあ、わたしの書いてる小説とは、このあたりのことまではあまり関係ないんですけど、このルツとボアズの曾孫というのがダビデで、ルツはイエス=キリストの家系図にも名前が載っているという女性だったり。
なんにしても、このルツ記のイメージから、ターナ・マーラ・オーガスっていう人たちを書いたっていう感じかもしれません(あくまでもイメージですけど^^;)
あとは、「神の国と神の義を第一とせよ」とか、そういうのも言わずもがなながら、実際の聖書からの言葉です
センル先生は一応、ミュシアが「姫巫女だから、他の男のものなることはない☆」っていうことで、そのことを密かに喜んでる自分には気づいてるらしーんですけど、ミュシア同様、どうやらそれをまだ<恋>とまでは思ってないんですよね(笑)
シンクノアじゃないんですけど、このふたりの恋愛がもう少し進歩するには、あと「一押し☆」なんか足りないっていうところでしょうか(^^;)
本当は第Ⅳ部にそのシーンを入れる予定だったんですけど、なんかそれは次の第Ⅴ部に持ち越しってことになっちゃいました
なんにしても、センル先生はそのあたりでようやく、「私があの小娘に、恋だと……!?」的に多少は気づくことがありそうです(でも本人はまだがんばって、なかなか認めようとはしないと思う・笑)
ではでは、次回はようやく、「ナザレン施療院に到着の巻☆」ということで、よろしくです♪(^^)
それではまた~!!
(※一応ネタバレ☆がありますので、本篇を読む予定のある方はご注意くださいねm(_ _)m)
第3章、煉瓦町リムレアを更新しました♪(^^)
第Ⅰ部に出てきたターナさんとミュシアの再会っていうのは、最初に書いてた時から話のどこかに入れようと思ってたんですよね。
そんでもってこの落穂拾い=貧しい人がする仕事……っていうことについては、もう少し本文中で説明しておいたほうが良かったかなあ、と、これもまた第Ⅰ部を書いてた時から思っていて(^^;)
このエピソードの背景にあるイメージは、わたしの中では聖書のルツ記といっていいと思います。
落穂拾いというのは、簡単にいうと、収穫の際に小麦などを刈り取った時、当然畑にはそこから「落穂」がこぼれ落ちるわけですが、それを拾う作業のことというか。
いや、言葉のとおり、そのまんまやんけ☆っていう話なんですけど、土地の所有者は貧しい人がそれを拾うのを邪魔してはいけないっていう決まりが、旧約聖書にはかなり早い段階から出てきます。
でも、土地の権力者には当然、意地悪な人もいるわけで……あるいは、そこで収穫の作業に追われる使用人たちも、いい人ばかりとは限らないし、「落穂拾いをする作業を邪魔する」、または邪魔しないまでも、聞こえよがしの中傷的な言葉を投げかけられたりとか、色々あっただろうと思うんですね(^^;)
けれど、仮にそんな扱いを受けたとしても、生活のために腰を曲げて、必死に落穂拾いでもしないことには、貧しい人たちというのは食いっぱぐれてしまうわけですから……人から何を言われようとぐっと堪え、そんなふうにして日々の糧を得るしかなかったわけです。
そんでもって、聖書のルツ記に話を戻すと、ルツっていうのは、義理のお母さんのナオミと同じく、未亡人になった女性でした。
ナオミは死んだ息子の嫁に対し、故郷へ帰るよう勧めるのですが、ルツはお義母さんの後についていくことにするんですよね。
>>ルツは言った。
「あなたを捨て、あなたから別れて帰るように、私にしむけないでください。
あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。
あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。
あなたの死なれる所で私は死に、そこに葬られたいのです。
もし死によっても私があなたから離れるようなことがあったら、主が幾重にも私を罰してくださるように」
ナオミは、ルツが自分といっしょに行こうと堅く決心しているのを見ると、もうそれ以上は何も言わなかった。
(旧約聖書ルツ記、第1章16~18節)
何分大昔のことですから、夫を亡くして経済的基盤を失った義母に、さらに自分も同じく未亡人となった身なのに、それでもなおかつ一緒に暮らそうとする……というのは、かなり珍しいケースといえるのではないでしょうか。
でもふたりは、飢饉のあった場所からナオミの故郷へ戻ってきただけあって、本当に「何もない」状態で、ルツはすぐに「落穂拾い」へと赴くわけです。
>>ナオミは嫁のルツに言った。
「娘よ。あの方のところの若い女たちといっしょに出かけるのは、けっこうなことです。ほかの畑でいじめられなくても済みます」
それで、彼女はボアズのところの若い女たちのそばを離れないで、大麦の刈り入れと小麦の刈り入れの終わるまで、落ち穂を拾い集めた。こうして、彼女はしゅうとめと暮らした。
(旧約聖書ルツ記、第2章22~23節)
とナオミが言っているとおり――「落穂拾い」というのは、そういう仕事だったということなんですよね(^^;)
でも、ルツが落穂拾いに行った先というのが、ボアズという超いい人のところだったため、麦をいっぱいくれるだけでなく、「あの女に恥ずかしい思いをさせてはいけない。それだけでなく、あの女のために、束からわざと穂を抜き落としておいて拾い集めさせなさい」と、他の使用人たちに命じてくれるくらいだったのです。
このボアズという人は、最後未亡人のルツと結婚するのですが、ナオミの夫エリメレクの遠い親戚で「土地買戻しの権利」まで持っているという人だったんですね。そこで、他の近い親戚のほうに、この「土地買戻しの権利」を持つ人がいたんですけど、その土地を買い戻す人は未亡人のルツのことも引き受けなくてはいけないので……その人が断ったことから、ボアズは最終的に土地を買い戻しただけでなく、ルツと結婚もするということになったわけです。
まあ、わたしの書いてる小説とは、このあたりのことまではあまり関係ないんですけど、このルツとボアズの曾孫というのがダビデで、ルツはイエス=キリストの家系図にも名前が載っているという女性だったり。
なんにしても、このルツ記のイメージから、ターナ・マーラ・オーガスっていう人たちを書いたっていう感じかもしれません(あくまでもイメージですけど^^;)
あとは、「神の国と神の義を第一とせよ」とか、そういうのも言わずもがなながら、実際の聖書からの言葉です
センル先生は一応、ミュシアが「姫巫女だから、他の男のものなることはない☆」っていうことで、そのことを密かに喜んでる自分には気づいてるらしーんですけど、ミュシア同様、どうやらそれをまだ<恋>とまでは思ってないんですよね(笑)
シンクノアじゃないんですけど、このふたりの恋愛がもう少し進歩するには、あと「一押し☆」なんか足りないっていうところでしょうか(^^;)
本当は第Ⅳ部にそのシーンを入れる予定だったんですけど、なんかそれは次の第Ⅴ部に持ち越しってことになっちゃいました
なんにしても、センル先生はそのあたりでようやく、「私があの小娘に、恋だと……!?」的に多少は気づくことがありそうです(でも本人はまだがんばって、なかなか認めようとはしないと思う・笑)
ではでは、次回はようやく、「ナザレン施療院に到着の巻☆」ということで、よろしくです♪(^^)
それではまた~!!
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