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創作ノート☆Part13~異形の花嫁~

2011-05-19 | 創作ノート
 ※使用させていただいているイラストは、幻想素材サイトFirst Moon様のものです。利用規約を守らず転載or再配布したりされないよう、よろしくお願い致します。


 今回のテーマ(?)は、わたしが最初はファンタジーを書きたくて小説を書きはじめたのに――何故そこから全然別のことを主題にして小説を書くようになったかということだったり(^^;)

 いえ、TRPGのシナリオ「邪道極楽ファンタジー」を読んでもらえばわかるとおり、わたしはほんと<ファンタジー>っていうジャンルが小さい頃から好きでたまりませんでした。

 剣や魔法、そして竜や精霊、妖精の存在する世界……ファンタジーの世界設定をひとつ作ることは、惑星をひとつ生みだすことに等しいと言いますけれども、わたしはもうひとつの異次元に存在する世界のことを、ほぼ日常的に考えているような人間だったといっていいと思います。

 その後、社会人になってからも、そうした傾向はまるで変わらず……会社へ出勤する途中に青空が綺麗だったら、そこに竜が飛んでいたらどんなだろうと想像し、花壇に花が咲いていれば、その横にどんな妖精がいるだろうと想像したり(この<妖精>を視覚化して描いた画家のひとり、シシリー・メアリー・バーカーさんの作品が、わたし本当に大好きです)。

 でも、学校へ通う学生さんでも、会社へ通勤する社会人の方でも、みなさんご存知のとおり――人間はそうした世界にだけ空想の翼を羽ばたかせて生きていくということは、残念ながら出来ません

 それが学校であれ会社であれ、人間関係とかテストとか仕事上のゴタゴタ☆であるとか、とにかく人間はそうしたものに対処して生きていかなければならないわけで……まあ、別ブログの記事にも同じことを書いたのですが、そんな中、わたしの十代の頃にちょうど、ファンタジーブームなるものが起こってまして。

 そこでどのくらいの人がファンタジー作品の中に<精神の避難所>、<魂の休息所>、あるいは<現実逃避的世界>を求めているかが明らかにされたといっていいと思います。
 もちろん、それ自体はもしかしたらある意味、とても素晴らしいことでもあったのかもしれません。
 でもわたし自身は――その時周囲の状況を見ていて、「いや、わたしは現実というものに負けないで戦うんだ」と思ったという、そういうことなんです(^^;)

 たぶんこれが、ウェブ上に公開になってるわたしの作品の中に、<ファンタジー>と呼ばれる小説がひとつもない理由なんだと思います。
 現実で感じる<リアルな痛み>を受け止めて、それを小説で表現できたらいつか、本当に大好きなファンタジー小説を書いてみよう……そう思いながらもいつの間にか、今度はその<現実>にのまれすぎるあまり、<ファンタジー>ということを忘れてしまっていたのかもしれません(もちろんこれは、わたしの空想世界で竜が飛ばなくなり、花を見てもその横に妖精の姿を見なくなったということではないんですけどね^^;)

 でも、現実の難しい局面やつらい状況に直面しながらも、やっぱりわたしの頭の中にはずっと「ファンタジー」っていうことが残っていたんだと思います。
 そしてそのファンタジーと現実のねじれた世界を表現してるのが、ある意味この「異形の花嫁」という小説なのかな~と。

 わたし、ラヴクラフトの作品ってまだほんの数篇しか読んだことないんですけど――この小説は間違いなくラヴクラフトの小説世界の影響を受けてます
 ラヴクラフトの小説に出てくる登場人物が感じた<恐怖>って、基本的に体験した本人にしかわからないものですよね。
 人に話して聞かせたところで、精神の異常を疑われるだけというか……でも、そういう存在は本当に間違いなく<いる>んだという。

 そしてわたし自身は「異形の花嫁」という小説の中で、妖精は確かに存在するという書き方をしました。
 でもちょっとこの妖精っていうのが何か、人間が想像する清らかで愛らしいだけとは言えない存在のようだ……というのがなんなんですけど(^^;)

 書いてる当時から、この短編は一般受けしないだろうし、それこそ「わかる人にしかわからない話」だろうと思ってました。
 でもこの「わかる」方が存外少数民族というわけではないらしいとわかって、わたし自身はとても嬉しく思っています♪
 わたしが書いてる女性一人称ものは、基本女性向けというか、ある特定の女性にだけわかるだろうというような話が多いんですけど、「一度読んだだけでなく、またもう一度読んでみたいと思う作品」と言っていただけて、よかったな~と思ったことが一度だけあります(^^)

 まあ、主人公と寝た男性が次々死んでいくというある意味暗い話(?)のような気もするんですけど、「妖精って本当にそんなに清らかで汚れのない存在なんだろうか?」ともし以前から疑問に思っていたという方は――読んでみてください、なんて思います(そんな人、いないかな・笑)

 では、また次回からもランダム(?)に自作品について語っていきたいと思ってますので、よろしくです♪
 それではまた~!!




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