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テディ・グニャの一人旅

2007-01-30 | 仲間や人のこと
家には長年にわたり集まって来たテディ・ベアがいる。
どれも選りすぐられて家にやって来た子ばかりだ。
私の実家に里子に出しているテディたちもいて、
あんまり会うことができなくなってしまったが
家にいるよりきれいにしてもらっているようだし、しあわせにしているようだ。
クリスマスの時期になると、家のあちこちにいるテディたちが
全員集合でクリスマスを迎える。
みんなそれぞれにいい顔をしている。
クリスマス、お正月の宴も終わりそろそろ各自定位置に戻る前に
あらためてテディたちの顔を見ていると
小っちゃい目の”グニャ”で目が止まった。

他のテディに比べ由緒正しいわけでもなく
限定バージョンでもなく、ブランドものでもない。
雑貨屋さんから来たチビのテディだ。
柔らかくからだがグニャグニャしているので
そんなふうに呼ばれるようになってもう16年は経つ。

海好きのサディ、
いちばん大きなお兄さん的なルーパート、
ドイツ生まれロシア育ちのアルフォンゾ、
イギリスっ子チーキー、
タータンチェックのスコットランド民族衣装に身を包んだ貴族の子、などなど
あげていたら切りがないのだが、グニャほどの体験を持つテディは他にはいない。

もうずいぶん前になるが、スコットランドにゴルフトリップに行く時
チビで荷物にならないからと出かける寸前にバッグに入れて連れて行った。
旅の間中ずっと一緒でグニャなりの旅を続けていた。
セントアンドリュース・オールドコースホテルに着いた時も
他のホテルの時と同様に、ソファやベッドの上にきちんと座り
景色を見たり旅を満喫していた。

セントアンドリュースは、落ちついた古い町並みのゴルフ発祥の地だ。
世界最古のリンクスゴルフコース、オールドコースは
世界でいちばん有名なゴルフ場だ。
またセントアンドリュース大学は、イギリス王室のチャールズ皇太子の長男の
ウィリアム王子が通っていたので知っている人も多いだろう。

全英オープンがはじまると、1番と18番ホールを見渡せるコース横にある
ルサックスホテルはアメリカ大統領ブッシュのお父さんブッシュが宿泊し
部屋の窓からプレイを見ることで知られている。
100年以上も前にオープンしたビクトリアン調のホテルで
私はとても気に入っている。
1階のティールームでは、地元のきれいな白髪のおばあさんたちが着飾って
女同士、ホテルでアフタヌーンティーを楽しんでいた。
さすが本物。
ゆったりしていて優雅でステキなものだと羨ましく見ていたものだ。

ゴルフコースを挟んでルサックスホテルの反対側は
ウエスト・サンド・ビーチでダイアナ元王妃と一緒に
パリでの不幸な事故で亡くなったトディ・ファイドが製作総指揮の映画
"炎のランナー"のロケ地でもある。
そのビーチでは、バンカーショットの練習をしている人がいたり
ゴルフ場を横切るロードを犬の散歩をしている人がいたり
時間の流れがゆったりのんびりしている。

私はその時は、オールドコースホテルに泊まり
ニューコースでプレイすることができた。
ニューコースといっても100年以上は経っているコースだ。
オールドコースは400年も経つ、世界最古のリンクスコースだ。
半端な歴史じゃない。
スコットランド、イギリスのゴルフの歴史は恐るべしだ。

1番ティーの後ろには威風堂々とそびえ立つ格調高い
ロイヤル・アンド・エイシェントゴルフクラブがあり
世界のゴルフのルールの制定をしている。
どんなプロのゴルファーでも、このR&Aゴルフクラブを背に
ティーショットを打つ時に緊張しない人はいないだろう。

私はというと、ニューコースでブッシュに捕まったり
右へ左へとフェアウェイ以外を歩くことも多く
ヘナチョコゴルファーは本物のリンクスコースの洗礼を
思いっきり受けたが、ゴルフ発祥の地でプレイすることがうれしくって
コースを歩くことができて最高の気分だった。


オールドコースホテルはロンドンへ帰るための最後のホテルだった。
翌日はロンドンに1泊し、その後は東京へと帰る。
旅も終わりに近づき気が緩んだのか
急遽予定より早くホテルを出発することになったため
急いで身じたくを整えたためか、私としたことが
大事なグニャをベッドに座らせたままにして出てしまった。

数時間後に気がついて、ホテルに連絡をしてもらったが
その時すぐには返事がもらえず、見つかったらロンドンに住む友人の家に
送ってもらうことにし、東京に戻って来たのだった。
旅は充分に楽しめたのだが、かわいがっていたグニャが
スコットランドのどこかで淋しくしているのかと思うと
ちょっと切ない気持ちでいた。

3週間くらい過ぎた頃、イギリスから大きめの封筒が届いた。
私宛だ。
何だろうと不思議に思いながら開けてみると
何と、丁寧に包まれたグニャだったのだ。
このパッキンに入り遥か遠くスコットランドの
セントアンドリュースホテルからロンドンに渡り
そして友人が東京に送ってくれたのだ。
友人にも感謝したが、親切なホテルの方に大感謝だった。
追いかけてグニャが帰って来たのだから。
が、私は思った。
これがもし違う国だったら、ここまで親切にしてもらえただろうか。
イギリスはテディ・ベアが大好きな国だ。
子どもも大人もテディ好きで、ロイヤルアルバートホールでの
ラストイヤーコンサートの時に大の大人の男性たちもマイテディを片手に
"ジュレサレム"を合唱するイギリス人たちだ。
だから人一倍テディ好きなイギリス人だったからこそ
送り返してきてくれたのだろうと今でも思っている。

グニャは後から無事に帰って来たわけだが、帰りは遠い遠い1人旅で
ちょっと大人っぽくなって帰って来たように思えたのは
親バカみたいなものなんだろうか。
久しぶりにグニャの顔を見て、そんなそれぞれの旅のことを思い出していた。





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4 コメント

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グニャの一人旅 (SHOKO)
2007-01-30 23:12:34
一人旅をしたテディはなかなかいないでしょうね。
グニャは、年をとっても、その旅の思い出を周りのテディ達に自慢げに話すのでしょうね

私も今度聞かせてもらおうっと
お疲れさまでした (lily)
2007-01-31 14:25:51
SHOKO-sama

長いながーい独り言blogをよく最後までお付き合いくださり
貴重なお時間をありがとう&お疲れさまでした。

いつの日かみんなを山や海の自然の中に
連れ出してみたいのですが・・・?
そんな時は引率のご協力をよろしくです
テディ (Hitommy)
2007-02-01 10:27:15
かわいいテディの一人旅Story楽しかったです(笑)
うちにもイギリス出身のテディがいます、、、が実は出生は「Made in Malaysia」となっていたのにションボリしました。。だってイギリスの湖水地方の思いっきりテディベアー博物館で買ったじゃん!みたいな・・・

でも大切な家族ですし国籍は関係ないですね

とすると、、、山梨に連れてきた子は???一体どの子でしょうか???
ええっ?山梨? (lily)
2007-02-01 17:06:01
Hitommy-sama

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

出生の秘密を持った、湖水地方のテディベア博物館から来た
テディはどんな顔のどんな性格の子なんでしょう。
会ってみたいです。

そういえば山梨にも連れて行きましたね~。
いつものことなので忘れていましたが
あの子はグニャより大きいイギリス出身の子です。
生まれ、国籍はイギリスの東京育ちのおとなしい子です。
また会ってやってくださいな


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