
私が産まれる前後に、父は大怪我をして別府の温健に長期入院していました。
一緒に暮らし始め父と慣れかけたら
しばらくしてから、めでたく家族水入らずで暮らせるようになったのです。
父なりに可愛がってくれるのですが大好きになれないまま思春期を迎えました。
ある日、同級生のお父さんが急死され、同級生は大泣きし「お父さんお父さん」と叫ぶのです。
葬儀の時に、あまりに泣く彼女の姿を見て…
それで、私は父親が居なくなった時を想定してみましたら
あんなことこんなこと、これまでの恩がジワーッと浮かんで来るのです。
当たり前と思っていたことが当たり前でないと、一瞬にして気づきました。
その葬儀の時も父が車で送迎してくれて
葬儀が済んでから、私は父にこれまでのことを泣きながら謝ると
父は「そうかそうか」と涙を飲み込みながら照れ臭そうに笑っていました。
あの日に謝ることができて本当に良かったと思っています。
