ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

44.最後のよりどころ

2016-08-11 23:17:46 | シニア 人生100年
 再就職支援の面談をしていると、様々な事情で壁にぶつかったり、道に迷い立ち止まったままの人の話を聴く。例えば、体調を壊して離職しようやく回復しつつある40代男性、家族介護のために離職し介護が終了し自分の仕事を探し始めた50代女性、リストラされた後仕事を探し続けて数年が経過している50代男性など、再就職が困難な人の相談に乗ることが多い。

 相談に来た方に対しては、まずは日ごろの努力や苦労をねぎらい、これまでのその人のキャリアや歴史、今の心情を聴くことから始める。そして、話を聴きながらその人の考え方や適性、行動特性、意思、意欲、健康状態、生活状況、障害となる問題などをできるだけリアルに浮かび上がらせて行く。まさに「傾聴」の姿勢に徹する。「それは無理ですよ。」「もっと~するべきですよ。」などという、こちらのものさしでの評価や上から目線の無責任なアドバイスはしない。

 しかし、現実は厳しいこともある。人によっては、自分自身を客観視できていなかったり、強いこだわりやプライドが原因で自縄自縛の状態になっていたりする。挫折の連続で意欲減退が著しい人もいる。年齢やそれぞれの事情というハンディを抱えながらそのような状態で応募をしても、受け入れてくれる就職先は皆無に等しいというのが現実である。

 それでも、支援する立場としては、「最後のよりどころ」という意識を持って、その人を尊重し可能性をあきらめずにチャンスを共に探す。選択肢を広げることや方向転換することの必要性も、極力本人が気づくように働きかける。時には、寄り添いながらも背中を押すことや手を引っ張ることもある。ただし、本人が納得しないとこちらの思うようには動かない。大事な意思決定は本人がすること肝要だ。決して簡単なことではない。

 最近は、柔軟性と粘り、そしてプロ意識を持って支援対象者に向き合うように努めている。

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 43.運転手の仕事の基本 | トップ | 45.現実主義か現実追随か »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

シニア 人生100年」カテゴリの最新記事