ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

144.歩力(ふりょく)

2021-02-21 18:19:16 | 時代 世の中 人生いろいろ
 「歩」という文字には、読み方によって次のような意味がある。
  

 この1年を振り返って、これから大切に思うことの一つに「歩力」(ふりょく)がある。「ほりょく」と発音すれば、文字どおり「歩く力」の意味。「脚力」の方がわかりやすいかもしれないが、介護の分野で使われているようだ。

 「ふりょく」と発音する「歩力」という言葉は辞書にはない。自主企画のセミナーのテーマを考えていた時に、私の知人が思い付きから造った言葉である。その意味を、辞書の解説をもとにイメージしてみた。

ー先走ったり、浮足立ったり、右往左往することなく、一歩ずつ前へ歩く力。時につまづいたり、逆風に立ち止まったりすることはあっても、足元を見ながら一歩ずつ進む力。ー

  周囲の状況を見ながら、他者への配慮をしつつ、自身の判断で淡々と、粛々と、平然と歩く。美空ひばりの「川の流れのように」の歌詞の一節にもあるような凸凹道や曲がりくねった道、地図さえない道でも、歩けない(できない)理由をもっともらしく語るより、どうすれば歩けるか(できるか)を考える。赤信号では立ち止まる。黄色なら注意する、雨が降れば傘をさし、靴を履き替える。そうした、あたりまえのこと、できることをしながら歩く。
 
 でも、それは一人ではなかなかできない。やはり伴走者ならぬ「伴歩者」がいてほしい。共に歩いてくれる者が一人でも多くいれば、共に歩き抜くこともできる。そして、時には伴歩者に手を差し伸べる。たとえ途中で方向が違ってきたとしても、一時期でも共に歩いてくれる人を大切にする。そんな姿勢が大切に思える。

 世の動きの先頭を走っているつもりの者や、周囲に同調しているつもりの者が、気づいたら牛歩に追い抜かれていて、大きな潮目の変化からも取り残されていることもある。ウサギと亀の話しの教訓は「ウサギはカメを見て、カメはゴールを見ていた」ということらしい。つまり、油断したり周囲に惑わされたりすることなく、自分の目標に向かって着実に前に進んだ者が、結局早くゴールにたどり着くということ。

 将棋の駒の「歩」は、前に一歩づつしか進めないが、敵陣に入ると「金」に成る。「歩力」とは、そんなイメージの力とも感じられる。

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