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新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

学びなおす経済学史「経済学史への招待」

2018年11月15日 | 新刊書
経済学史への招待
柳沢 哲哉【著】


経済学史の本は多いのですが、
今回は時代背景を詳しく紹介したところと
原典からの引用を増やしたところに特徴があるようです。
内容はごくクラシックなものですので
経済学の歴史を学びなおすには最適かも。



価格 ¥2,484(本体¥2,300)
社会評論社(2017/04発売)
サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 21cm
商品コード 9784784518432
NDC分類 331.2
Cコード C0030

内容紹介
学説とその時代背景を学び、古典への関心を喚起する。
《経済学はそれぞれの時代の経済や社会の問題に答えることで発展してきた。経済学史を学ぶ場合には、時代背景とその時代の学説との関係を理解することが不可欠である。高校で学ぶ世界史の知識を前提とすることなく、時代背景を理解できるように心がけた。これが本書の特徴の一つである。もう一つの特徴は、原典からの引用を数多く入れたことである。必ずしも分かりやすくない引用もあえて掲載した。それは経済学者の声に触れることで、少しでも古典への関心を喚起したいと考えたからである。 (「プロローグ」より)》

目次
経済学誕生以前
前期重商主義の経済思想
後期重商主義の経済思想
重農主義の経済思想
市場社会論の系譜
古典派経済学の成立
古典派経済学の展開
歴史学派の経済学
マルクスの経済思想
限界革命
ワルラスの経済学
ケンブリッジ学派の経済学
1930年代の経済学
ケインズの経済学

著者等紹介
柳沢哲哉[ヤナギサワテツヤ]
1962年群馬県生まれ。東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。埼玉大学人文社会科学研究科(経済系)教授

外来種は排除すべきなのかを問う「なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか」

2018年11月15日 | 新刊書
なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか
トマス,クリス・D.【著】〈Thomas,Chris D.〉/上原 ゆうこ【訳】


災害や開発で多くの希少な生物の種が失われていますが
グローバリゼーションとともに、これまでみかけなかった生物たちが
わたしたちの国を訪れています。
在来種の生存を脅かすものとして外来生物は嫌われていますが
同時に、種の多様性を広げる可能性もあります。
最近話題の移民問題を含めて、外来種の問題は、
わたしたちの「外国人嫌い」を見直すきっかけになるかもしれません




価格 ¥2,592(本体¥2,400)
原書房(2018/11発売)
サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 20cm
商品コード 9784562055937
NDC分類 468
Cコード C0098

内容説明
外来生物から生まれる新たな進化の時代。「世界の大部分の地域で生物多様性が増し、新たな種が形成される速度はおそらく地球史上最高のレベルに達している。自然は人間の時代に驚くほどうまく対処している」外来生物の排除に生態学の立場から異を唱えた話題の書。

目次
第1部 絶滅時代?(序文 勝者と敗者;チャンスを生かす)
第2部 4つの変化(大型哺乳類の減少;人間が変えた生息環境;気候変動と生物の移動;加速する移動)
第3部 大進化(世界を受け継ぐもの;急速な進化;生物のグローバル化;雑種の形成)
第4部 新たな世界(人類も自然の一部;新しい自然保護のかたち;おわりに 100万年後の世界)

著者等紹介
トマス,クリス・D.[トマス,クリスD.] [Thomas,Chris D.]
1959年生まれ。英国ヨーク大学の生態学者・進化生物学者。英国学士院の特別会員。ロンドン動物学会のサイエンティフィック・メダル、イギリス生代学会の会長メダル、保全生物学の分野と気候変動に関する研究でマーシュ・アワードを受賞した。『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』は初めての著書である

上原ゆうこ[ウエハラユウコ]
神戸大学農学部卒業。農業関係の研究員を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報
進化生物学の大家が世界をめぐって見えた、生物多様性の「真実」。現代は人間による生物絶滅時代だといわれる。一方で人間社会から利益を得て、おどろくほど多くの新しい種が生まれ、適応している。外来種や雑種もそのひとつだ。進化生物学の大家が世界をめぐって見えた、生物多様性の「真実」。

トランプ大統領のアメリカを理解するために。「パラノイドの帝国」

2018年11月15日 | 新刊書
パラノイドの帝国
著者 : 巽孝之


正常とは思えないトランプ大統領のアメリカですが
本書はその背後にあるアメリカの病理を探りながら
文学の世界との結びつきを探るもののようです。
今、わたしたちにも強い影響を与えつつある
「狂った」アメリカを理解するためにも
読みたい本の一冊。



発売日:2018/11/10
出版社: 大修館書店
サイズ:20cm/244p
利用対象:一般
ISBN:978-4-469-24620-9

内容説明
「反知性主義」と並ぶアメリカ理解の鍵は“陰謀論”。最悪の危機から最良の芸術が生まれる!

目次
序章 パラノイド・ナラティヴの精神史―ホフスタッターから始まる
第1章 愚行のパラドックス―テイラー、ゴールドウォーター、トランプ
第2章 感電するほどの墓碑銘を―メルヴィル、ブラッドベリ、ヘミングウェイ
第3章 宇宙アパッチ族―ニール・ブロムカンプ『第9地区』論
第4章 空から死神が降ってくる―ラヴクラフト、アンダーソン、村上春樹
第5章 惑星思考のスラップスティック―オールディス、筒井康隆、シェリー・ジャクソン
第6章 都市は準宝石の螺旋のように―サミュエル・ディレイニー『ダールグレン』論
第7章 モンローは誘惑する―トルーマン、ケネディ、ボラーニョ
第8章 災害狂時代―トウェイン、バラード、ロビンスン
終章 内乱の予感―エル=アッカド、ウィンズロウ、エリクソン

著者等紹介
巽孝之[タツミタカユキ]
1955年東京生まれ。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D.、1987)。慶應義塾大学文学部教授。アメリカ文学思想史・批評理論専攻


今なぜ社会学なのか。「社会学はどこから来てどこへ行くのか」

2018年11月14日 | 新刊書

社会学はどこから来てどこへ行くのか
岸政彦(著)/ 北田暁大(著)/ 筒井淳也(著)/ 稲葉 振一郎 (著)



社会学についての現状と先行きを考察するリレー対談。
今なぜ社会学なのか。
そろそろ検討してもよい時期なのかもしれません。
有斐閣には珍しく読みやすそうな作りに、好感が持てます。



発売日:2018/11/14
出版社: 有斐閣
サイズ:19cm/368p
ISBN:978-4-641-17441-2

商品説明
事実とは何か。理解とは何か。社会とは何か。理論と方法の根源に遡行し、「社会問題」の現場へと向かう。「理論」「量的」「質的」の3つの領域の社会学者によるリレー対談・鼎談を収録。

社会学界を牽引する4人のトップランナーによるリレー対談!
「社会学は,これからどうなるのか?」「専門の違う立場からすると,社会はどう違って見えるのか」「違って見えるとしても,本当に重要なのは○○ではないか…?」企画のスタートから3年,定期的に対談を重ねて,ときに雑談(ただし真摯な),ときに学問の最先端を語りながら,ようやく一冊の本になった力作です。

学問の現在地、そして研究者から見た現代社会の問題点とその理解経路はいかなるものか。白熱の対話記録を通して問題を共有する。

目次
はじめに
第1章 社会学はどこから来てどこへ行くのか
第2章 社会学は何に悩み,何を伝えたいのか
第3章 社会学は何をすべきで,何ができるのか
第4章 質的調査と量的調査は対話可能か
第5章 フェイクニュースに騙されないための《社会調査》のすすめ
第6章 社会学の仕事の実際
第7章 データの正しさと〈相場感〉
第8章 再び,社会学はどこから来てどこへ行くのか



戦争において情報はどこまで大切か。「情報と戦争」

2018年11月14日 | 新刊書
情報と戦争-古代からナポレオン戦争、南北戦争、二度の世界大戦、現代まで
著者 : ジョン・キーガン
制作 : 並木 均
中央公論新社 (2018年11月8日発売)


戦争と情報戦の密接な関係は周知のことです。
暗号の解読が勝利を決定づけることは、エニグマの例からも明らかですね。
本書は戦争論を専門とする著者が情報が戦争において果たす役割を
ナポレオン戦争から現代まで追跡するという野心作。
読んでみたいですね。



本 (473ページ) / ISBN・EAN: 9784120051289
作品紹介・あらすじ
古代からナポレオン戦争、南北戦争、二度の世界大戦、現代までの戦争を情報の要件である獲得・送付・受理・解釈・履行の観点から分析、インテリジェンスの活用と有効な軍事力の行使をいかに両立させるかについて考察する。
第1章 敵に関する知識
第二章 ナポレオン追跡戦
第三章 局地情報:シェナンドア渓谷の「石壁」ジャクソン
第四章 無線情報
第五章 クレタ:役立たなかった事前情報
第六章 ミッドウェー:インテリジェンスの完勝か
第七章 インテリジェンスは勝因の一つにすぎず:大西洋の戦い
第八章 ヒューマン・インテリジェンスと秘密兵器
終章 一九四五年以降の軍事インテリジェンス
結び 軍事インテリジェンスの価値

著者プロフィール
一九三四年、ロンドン生まれ。長年、英国のサンドハースト陸軍士官学校で上級講師やデイリー・テレグラフ紙の防衛問題担当編集者、欧米各国で客員教授等を務めた。代表作に『The Face of Battles』『The Price of Admiralty』『The Second World War』『War and Our World(邦題『戦争と人間の歴史』)』など。王立文学協会会員で、また湾岸戦争ではOBE勲功賞を受賞している。二〇一二年没。

ドゥルーズ初期の未邦訳論考集「基礎づけるとは何か」

2018年11月14日 | 新刊書
基礎づけるとは何か (ちくま学芸文庫)
ジル・ドゥルーズ(著)/ 國分功一郎(訳)/ 長門裕介(訳)/ 西山耕平(訳)



まだこんなものが発掘されるなんて!
すばらしい。
お値段も手ごろだし、すぐに注文しました。
長文の「基礎づけるとは何か」だけでなく、「ルソー講義」も面白そう。
読むのが楽しみ。



作品紹介・あらすじ
より幅広い問題に取り組んでいた、初期の未邦訳論考集。思想家ドゥルーズの「企画の種子」群を紹介し、彼の思想の全体像をいま一度描きなおす。

著者プロフィール
1925年パリ生まれの哲学者。1995年、自ら死を選ぶ。スピノザやニーチェの研究を通じ西欧哲学の伝統を継承しつつその批判者となる。主著ーF・ガタリと共著『アンチ・オイディプス』『千のプラトー』『哲学とは何か』他。

目次

基礎づけるとは何か 9−182
ルソー講義 183−253
女性の記述 255−282
口にすることと輪郭 283−310
ザッヘル・マゾッホからマゾヒズムへ 311−353

異性の何に、なぜ魅力を感じるのかについて考えてみよう。「動物たちのセックスアピール 性的魅力の進化論」

2018年11月13日 | 新刊書
動物たちのセックスアピール 性的魅力の進化論


動物行動学の書物は、わたしたち人間の生き方を振り返るために役立ちます。
わたしたちが知らず知らずのうちに発揮し、感受しているかもしれない
セックス・アピールについて知るためには、観察できる動物たちについて探求することが
役立ちます。

そもそもわたしたち人間は「異性の何に、なぜ魅力を感じるのか?」ということについても、
なかなか簡単な答えは出せそうにもないのです。
もしかしたら動物たちが何かを教えてくれるかもしれません。


マイケル・J・ライアン 著
東郷 えりか 訳
単行本 46 ● 272ページ
ISBN:978-4-309-25389-3 ● Cコード:0045
発売日:2018.11.14
定価2,106円(本体1,950円)

この本の内容
異性の何に、なぜ魅力を感じるのか? 性的な美は移り変わりやすい、偶然生じたものだった!? 性選択の分野にパラダイムシフトを巻き起こした理論を動物行動学の第一人者が解き明かす!


著者
マイケル・J・ライアン (ライアン,M・J)
テキサス大学の動物学のクラーク・ハッブズ特別教授で、パナマにあるスミソニアン熱帯研究所のシニア・リサーチ・アソシエイト。性選択や配偶者選択、動物のコミュニケーションの研究における先導的な研究者。

東郷 えりか (トウゴウ エリカ)
上智大学外国語学部フランス語学科卒業。訳書にアンソニー『馬・車輪・言語』、コーニング『幕末オランダ商人見聞録』、フェイガン『海を渡った人類の遥かな歴史』『人類と家畜の世界史』など。

人工知能について考えるための手掛かりになる入門書「シンギュラリティ」

2018年11月13日 | 新刊書
シンギュラリティ (やさしく知りたい先端科学シリーズ3)


人工知能の問題は、たんなる机上の理論ではなくなり、
わたしたちの仕事を消滅させるような現実の力をもつものとして登場してきました。
ロボットのもつ能力と人間のもつ能力には、今のところ大きな質的な違いがあるようですが
この問題は哲学的にも重要な意味をそなえています。
「科学技術と哲学倫理の関係についての提言」をわたしたちも本気で考えべき時期が到来したのでしょう。
あまり専門的になりすぎずに、問題をうまく提示した書物のようです。



著者 : 神崎洋治
創元社 (2018年11月14日発売)
(192ページ) / ISBN・EAN: 9784422400358


出版社内容情報
人工知能(AI)が人間の能力を超える「シンギュラリティ」。その実例と最新の動向をわかりやすい文章と写真・イラストで解説。シンギュラリティ(Singularity)とは、人工知能(AI)が人間の能力を超えることで起こる「技術的特異点」のことをいう。ロボット技術がさらに進化し、大変革が起こって後戻りできない世界に突入すると、人類はどうなるのか――。本書はシンギュラリティの実例と最新の動向をわかりやすい文章と写真・イラストで解説し、近未来に訪れる世界を多角度から描き出す。話題の先端科学に触れたいという知的好奇心に応えるシリーズ第3弾。

〔本書の特色〕
◇シンギュラリティとは?
人工知能が人間の知能を超えることで社会的な大変革が起こり、後戻りができない世界に突入してしまう時期をいう。その先の人類の社会が「楽園」なのか、「滅亡」なのか、指数関数的な技術の進化とともにわかりやすく解説する。
◇頭脳で人間を超える
ニューラルネットワークによる深層学習(ディープラーニング)こそが、人間を超える汎用型AI誕生のキーワード。進化するAI技術の現状と近未来を描き出す。
◇進化するロボット
人類が「シンギュラリティ」を迎える時期は、AI・ロボット・IoTによる技術革新のスピードによって変わるかもしれない。人間の身体を代替するロボット開発の現状と解決すべき課題を例示する。
◇ロボティクスの挑戦
エンターテインメント・デリバリー・警備・建築・介護などでの活用がはじまるロボットの実例としくみを紹介する。
◇コンピュータと感情、ロボットと生命
人類が「シンギュラリティ」を迎えるか否かは、「心や命とは何か?」を考えることからはじまるのかもしれない。科学技術と哲学倫理の関係について提言する。

はじめに
◇Chapter1 シンギュラリティとは
「シンギュラリティ」、それは2045年にやってくる
人類が生物学を超越するとき
シンギュラリティのその先は楽園か滅亡か
指数関数的な技術の進化とは
ムーアの法則とトランジスタの進化
シンギュラリティまでの道程(AIとロボティクス)
「人間を超えるヒューマノイド誕生」に必要な技術
自動運転はロボティクス技術の結晶

◇Chapter2 頭脳で人間を超える
人間とコンピュータの頭脳戦
Googleの猫
ニューラルネットワークとは
ニューラルネットワークは人間の脳の模倣モデル
画像認識コンテストでニューラルネットワークが席巻
データが多いほど学習の精度が上がるニューラルネットワーク
ゲームを学習して上達するDQN
人間を破ったAI「Alpha Go」(アルファ碁)
囲碁では人間が勝つと言われていた理由
AlphaGoが強くなったプロセス
汎用人工知能(AGI)と特化型AI
人間の脳とコンピュータのしくみは似ている
人間の脳のしくみ
ニューラルネットワークの基本
カメラ映像とディープラーニング
目を持ったコンピュータ
言葉を理解するコンピュータ
文章を理解し、人間の心の動きを解釈する人工知能「KIBIT」
会話するコンピュータ
IBM Watsonの性能としくみ(6つの機能)
コールセンターで活躍するWatson
会話を学ぶスマートスピーカー
創作するAIコンピュータ
AIで翻訳精度が上がる
文章を執筆するAIコンピュータ

◇Chapter3 進化するロボット
シンギュラリティからのメッセージ
産業用ロボット技術の現状
コミュニケーションロボットの現状
移動するロボット
医療分野のロボット
ロボットサッカーが人間を超える日
天才ライダーvsロボットライダー
倒れない自律走行バイク「MOTOROiD」(モトロイド)
タオルをたたみ、サラダを盛り付ける「マルチモーダルAIロボット」

◇Chapter4 ロボティクスの挑戦
世界最先端の身体能力を持つ人型ロボット
人間そっくりなヒューマノイド(アンドロイド)
テレイグジスタンス・ロボット
「歩こう」という意思で動作するロボットスーツ

◇Chapter5 コンピュータと感情、ロボットと生命
AIコンピューティングの頭脳の進化と「GPU」
加速する自動運転技術
3Dホログラムのある生活
「存在」とは何か
「生命」とは何か
ロボットに感情は必要か
ブレイン・マシン・インタフェース
ナノマシンの衝撃
さくいん
参考文献・写真提供・あとがき

神崎 洋治[コウザキ ヨウジ]
著・文・その他
著者プロフィール
ロボット、人工知能、パソコン、デジタルカメラ、撮影とレタッチ、スマートフォン等に詳しいテクニカルライター兼コンサルタント。1996年から3年間、アスキー特派員として米国シリコンバレーに住み、ベンチャー企業の取材を中心にパソコンとインターネット業界の最新情報をレポート。以降ジャーナリストとして日経BP社、アスキー、ITmediaなどで幅広く執筆。テレビや雑誌への出演も多数。最近はロボット関連の最新動向を追った書籍を執筆し、ロボット関連ITライターとして活躍中。主な著書に『図解入門 最新人工知能がよ~くわかる本』(秀和システム)、『Pepperの衝撃!』(日経BP)。


頼りになるアフリカ史の改訂版

2018年11月13日 | 新刊書
改訂新版 新書アフリカ史 (講談社現代新書)



これまで頼りになるアフリカ史の本としては、この「新書アフリカ史」しかなかったようです。
新書ながら実に21刷も出ていたといいます。
その改訂版がでたというので、わくわくしました。通史だけでなく、新しい視点も取り入れているということです。
本日の一押しのお勧め本です。


制作 : 宮本 正興 松田 素二
講談社 (2018年11月14日発売)
(784ページ) / ISBN・EAN: 9784065139486

作品紹介・あらすじ
【アフリカ入門書の決定版が20年の月日を経て大改訂!】

人類誕生から混沌の現代へ、壮大なスケールで描く民族と文明の興亡。新たなアフリカ像を提示し、世界史の読み直しを迫る必読の歴史書。

変化の激しいアフリカ現代史を新たに書き加え、従来の記述も新しい知見や主張に基づいて内容を大幅に見直した改訂新版。



認知症の介護が変わるのか。「ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人」

2018年11月13日 | 新刊書
ゆかいな認知症 介護を「快護」に変える人 (講談社現代新書)


高齢者も増えてきていますので、身近に認知症の人がいない人は少ないくらいではないでしょうか。
意思疎通の困難な認知症の方の介護は難しいものです。
患者さんの心の中を読み取るというのはなかなか難しいことだと思いますが
新たなアプローチが開けると、心強いですね。



著者 : 奥野修司
講談社 (2018年11月14日発売)
本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784065138182

作品紹介・あらすじ
認知症の人の思いや本音を聞いてみると、実は家族が持っている情報が間違っているために、自ら介護を大変なものにしているのではないかと思うことがよくありました。誤解の上に成り立った介護は、介護するほうにもされるほうにも、苦痛を与えるのは当然です。彼らの心の内側を知れば、認知症と診断された人だけでなく、介護に苦労している家族にとっても貴重な情報になるにちがいない、そう確信しました。――「はじめに」より

Wikiによりますと、ノンフィクション作家の奥野修司さんには
次のような著書があるようです。


著書
『小沢一郎 覇者の履歴書』(1994・データハウス)
『ねじれた絆―赤ちゃん取り違え事件の十七年』(1995・新潮社 2002・文春文庫)
『隠蔽―父と母の〈いじめ〉情報公開戦記』(1997・文藝春秋)
『皇太子誕生』(2001・文藝春秋 2006・講談社文庫)
『ナツコ―沖縄密貿易の女王』(2005・文藝春秋 2007・文春文庫)
『心にナイフをしのばせて』(2006・文藝春秋 2009・文春文庫)
『満足死 寝たきりゼロの思想』(2007・講談社現代新書)
『花粉症は環境問題である』(2008・文春新書)
『それでも、世界一うまい米を作る 危機に備える「俺たちの食糧安保」』(2009・講談社)『放射能に抗う 福島の農業再生に懸ける男たち』(2013・講談社文庫 全面改稿)
『沖縄幻想』(2009・洋泉社、新書y)
『不登校児 再生の島』(2012・文藝春秋)*『再生の島』(2015・文春文庫)
『看取り先生の遺言 がんで安らかな最期を迎えるために』(2013・文藝春秋)のち文庫
『「副作用のない抗がん剤」の誕生 がん治療革命』文藝春秋、2016 

新しい視点の制度論に期待。「制度とは何か ──社会科学のための制度論」

2018年11月13日 | 新刊書
制度とは何か
──社会科学のための制度論


制度という視点は、多数の領域を横断したものであるだけに
なかなか問題として掘り起こすのが難しいものです。
それだけに制度論は大歓迎です。議論がどのように展開されているのか。
目次からみると、ゲーム理論に重点が置かれているようですが
さて、どのように議論が展開されているのでしょうか。




フランチェスコ・グァラ 著
瀧澤 弘和 監訳
水野 孝之 訳


目次 著者略歴

▼社会科学における大きな問い――「制度とは何か」に答える。
▼経済学、政治学、社会学、人類学、哲学を架橋する。

社会における習慣、ルール、貨幣、結婚といった「制度」はなぜ「存在」するのか。経済学、社会学、人類学等の社会科学が独自に分析してきた「制度」という問題を、ゲーム理論、分析哲学といったツールを駆使して、共通の土台を作ることを目指した気鋭の科学哲学者による野心的な試み。

本書の正誤表を掲載しました。
目次
序文
イントロダクション

第Ⅰ部:統一
 第1章 ルール
 第2章 ゲーム
 第3章 貨幣
 第4章 相関
 第5章 構成
 第6章 規範性
 
幕間
 第7章 読心
 第8章 集合性

第Ⅱ部:応用
 第9章 再帰性
 第10章 相互作用
 第11章 依存性
 第12章 実在論
 第13章 意味
 第14章 改革

 解説

 読書案内
 参考文献
 事項索引
 人名索引
著者略歴 著者略歴は書籍刊行時のものを表示しています。
[著者]
フランチェスコ・グァラ(Francesco Guala)
1970年生まれ。LSEで科学哲学のPh.D. を取得。エクセター大学で准教授等を歴任のあと、現在、ミラノ大学の政治経済学教授。著書に『科学哲学から見た実験経済学』(川越敏司訳、日本経済評論社)

[監訳者]
瀧澤 弘和(たきざわ・ひろかず)
中央大学経済学部教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程満期退学。著書に『現代経済学――ゲーム理論・行動経済学・制度論』(中公新書、2018年)。訳書にジョセフ・ヒース『ルールに従う――社会科学の規範理論序説』、共訳に青木昌彦『比較制度分析に向けて』カーステン・ヘルマン=ピラート&イヴァン・ボルディレフ『現代経済学のヘーゲル的転回――社会科学の制度論的基礎』(以上、NTT出版)

[訳者]
水野 孝之(みずの・たかゆき)
中央大学大学院総合政策研究科博士前期課程。中央大学経済学部卒業。

目撃者による「パリ五月革命」論、「決定版パリ五月革命私論」

2018年11月12日 | 新刊書
平凡社ライブラリー
決定版パリ五月革命私論 - 転換点としての1968年
西川長夫
価格 ¥1,728(本体¥1,600)
平凡社(2018/11発売)


西川さんはフランス史とフランス思想を研究してこられた方で、
とくにアルチュセールやルフェーヴルの訳書で有名です。
著書としては国民国家論が軸となっているようです。

1968年の総括は日本でも進んでいるようですが、
歴史の隠れた転換点とも言えるこの時代は、まだまだ研究されるべきなのでしょう。

この本は2011年に平凡社から出版されていますが、今回は「決定版」として、
パートナーの西川祐子さんの「私論」がつけられているようです。
何となくゴダールの映画を思わせる表紙ですが、ぜひ読んでみたい本です。



サイズ 文庫判/ページ数 485p/高さ 16cm
商品コード 9784582768756
NDC分類 235.07
Cコード C0322

出版社内容情報
政府給費留学生として現場に居合わせた著者による迫真のドキュマン。同じ光景を目にした西川祐子によるもう一つの私論を付す決定版。

西川長夫さんには次のような多数の著作があります。
活動分野の広さが印象的ですね。



1.
戦後史再考 : 「歴史の裂け目」をとらえる / 西川長夫, 大野光明, 番匠健一編著.-- 平凡社; 2014
2.
植民地主義の時代を生きて / 西川長夫著.-- 平凡社; 2013
3.
国民国家論の射程 : あるいは「国民」という怪物について / 西川長夫著.-- 増補版.-- 柏書房; 2012.-- (Kashiwa classics)
4.
パリ・コミューン / H.ルフェーヴル著 ; 河野健二, 柴田朝子, 西川長夫訳 ; 上, 下.-- 岩波書店; 2011.-- (岩波文庫 ; 青(33)-495-1,495-2)
5.
パリ五月革命私論 : 転換点としての68年 / 西川長夫著.-- 平凡社; 2011.-- (平凡社新書 ; 595)
7.
グローバリゼーションと植民地主義 / 西川長夫, 高橋秀寿編.-- 人文書院; 2009
8.
日本回帰・再論 : 近代への問い、あるいはナショナルな表象をめぐる闘争 / 西川長夫著.-- 人文書院; 2008
10.
「新」植民地主義論 : グローバル化時代の植民地主義を問う / 西川長夫著.-- 平凡社; 2006
11.
再生産について : イデオロギーと国家のイデオロギー諸装置 / ルイ・アルチュセール著 ; 西川長夫 [ほか] 訳.-- 平凡社; 2005
12.
政治と歴史 : モンテスキュー・ヘーゲルとマルクス / ルイ・アルチュセール [著] ; 西川長夫, 阪上孝訳.-- 新訂版.-- 紀伊國屋書店; 2004
13.
グローバル化を読み解く88のキーワード / 西川長夫[ほか]編.-- 平凡社; 2003
14.
戦争の世紀を越えて : グローバル化時代の国家・歴史・民族 / 西川長夫著.-- 平凡社; 2002
15.
国境の越え方 : 国民国家論序説 / 西川長夫著.-- 増補.-- 平凡社; 2001.-- (平凡社ライブラリー ; 380)
16.
20世紀をいかに越えるか : 多言語・多文化主義を手がかりにして / 西川長夫, 姜尚中, 西成彦編.-- 平凡社; 2000
17.
ラテンアメリカからの問いかけ : ラス・カサス、植民地支配からグローバリゼーションまで / 西川長夫, 原毅彦編.-- 人文書院; 2000
18.
フランスの解体? : もうひとつの国民国家論 / 西川長夫著.-- 人文書院; 1999
19.
世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成 / 西川長夫, 渡辺公三編.-- 柏書房; 1999
20.
フランス革命と家族ロマンス / リン・ハント著 ; 西川長夫, 平野千果子, 天野知恵子訳.-- 平凡社; 1999.-- (テオリア叢書)
21.
アジアの多文化社会と国民国家 / 西川長夫, 山口幸二, 渡辺公三編.-- 人文書院; 1998
22.
国民国家論の射程 : あるいは「国民」という怪物について / 西川長夫著.-- 柏書房; 1998
24.
多文化主義・多言語主義の現在 : カナダ・オーストラリア・そして日本 / 西川長夫, 渡辺公三, ガバン・マコーマック編.-- 人文書院; 1997
25.
地球時代の民族=文化理論 : 脱「国民文化」のために / 西川長夫著.-- 新曜社; 1995
26.
ヨーロッパ統合と文化・民族問題 : ポスト国民国家時代の可能性を問う / 西川長夫, 宮島喬編.-- 人文書院; 1995
27.
幕末・明治期の国民国家形成と文化変容 / 西川長夫, 松宮秀治編.-- 新曜社; 1995
28.
『米欧回覧実記』を読む : 1870年代の世界と日本 / 西川長夫, 松宮秀治編.-- 法律文化社; 1995
29.
国境の越え方 : 比較文化論序説 / 西川長夫著.-- 筑摩書房; 1992
30.
ロマン主義の比較研究 / 西川長夫[ほか]編.-- 有斐閣; 1989.-- (立命館大学人文科学研究所研究叢書 ; 7)
31.
日本の戦後小説 : 廃墟の光 / 西川長夫著.-- 岩波書店; 1988
32.
日記論 / ベアトリス・ディディエ著 ; 西川長夫,後平隆共訳.-- 松籟社; 1987
33.
戦後価値の再検討 / 西川長夫,中原章雄責任編集.-- 有斐閣; 1986.-- (講座現代日本社会の構造変化 / 山口正之 [ほか] 編集代表 ; 6)
34.
性愛の社会史 : 近代西欧における愛 / ジャック・ソレ著 ; 西川長夫[ほか]訳.-- 人文書院; 1985
35.
フランスの近代とボナパルティズム / 西川長夫著.-- 岩波書店; 1984
36.
スタンダ-ルの遺書 / 西川長夫著.-- 白水社; 1981
37.
構造主義をこえて / アンリ・ルフェ-ヴル著 ; 西川長夫, 中原新吾訳.-- 福村出版; 1977
38.
革命的ロマン主義 / アンリ・ルフェーヴル著 ; 西川長夫, 小西嘉幸訳.-- 福村出版; 1976
39.
文学論集 / スタンダール著 ; 生島遼一[ほか]訳.-- 人文書院; 1973.-- (スタンダール全集 / スタンダール著 ; 桑原武夫, 生島遼一編 ; 10)
40.
パリ・コミュ-ン : 一女性革命家の手記 / ルイ-ズ・ミッシェル著 ; 天羽均,西川長夫訳 ; 上, 下.-- 人文書院; 1971
41.
評伝集 / スタンダール著 ; 桑原武夫[ほか]訳.-- 人文書院; 1970.-- (スタンダール全集 / スタンダール著 ; 桑原武夫, 生島遼一編 ; 11)

歴史と社会学がどのようにつながるか「「もしもあの時」の社会学  歴史にifがあったなら」

2018年11月12日 | 新刊書
「もしもあの時」の社会学 歴史にifがあったなら (筑摩選書)
著者 赤上裕幸 (著)


筑摩書房(2018/11/13発売)
サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
商品コード 9784480016751
NDC分類 209.6
Cコード C0320

キャッチーなタイトル。なんだからワクワクしてきますね。
歴史のifと社会学がどのようにつながるか。
著者の手腕に期待が膨らみます。


赤上裕幸さんには次のような著作があります。メディア論を軸にしてきた方のようですね。

1. ポスト活字の考古学 : 「活映」のメディア史1911-1958 / 赤上裕幸著.-- 柏書房; 2013
2. 歴史のゆらぎと再編 / 佐藤卓己編.-- 岩波書店; 2015.-- (岩波講座現代 ; 5)
3. 青年と雑誌の黄金時代 : 若者はなぜそれを読んでいたのか / 佐藤卓己編.-- 岩波書店; 2015


出版社内容情報
歴史にifは禁物だと言う。だが、この思考により、過去を深く理解し、歴史に埋もれた可能性を発見できる。その可能性を説く意欲作!歴史にifは禁物だと言う。だが、そうか? この思考により、過去をよりよく理解し、歴史に埋もれた可能性を掘り起こすことができる。その可能性を説く意欲作!



古代キリスト教思想の精髄を味わえる贅沢な一冊「中世思想原典集成精選 〈1〉」

2018年11月12日 | 新刊書
平凡社ライブラリー
中世思想原典集成精選 〈1〉 ギリシア教父・ビザンティン思想
上智大学中世思想研究所




価格 ¥2,592(本体¥2,400)
平凡社(2018/11発売)
サイズ 文庫判/ページ数 661p/高さ 16cm
商品コード 9784582768749
NDC分類 132

今日の一押しは何といってもこれ。
全集の数冊分の精髄が集められています。
原始キリスト教が教父時代の展開を経て、ビザンチン思想にどのように流れてゆくか
もっとも美味しいところを味わうことができます。
目次は次の通りです。
それでも願わくば、全集をそのまま文庫化してほしかったというのは、
無理な希望なのでしょうか。


お勧め度 ★★★★★★★★☆☆


十二使徒の教え 33−54
ユダヤ人トリュフォンとの対話 ユスティノス 著 55−114
救われる富者は誰か アレクサンドレイアのクレメンス 著 115−175
創世紀講話 オリゲネス 著 177−208
書簡集 アレイオス 著 209−224
すべての司教への手紙 アレクサンドレイアのアレクサンドロス 著 225−235
教区の信徒への手紙 カイサレイアのエウセビオス 著 237−247
言の受肉 アタナシオス 著 249−306
ヘクサエメロン バシレイオス 著 307−330
クレドニオスへの第一の手紙 ナジアンゾスのグレゴリオス 著 331−347
雅歌講話 ニュッサのグレゴリオス 著 349−373
アレクサンドレイアのキュリロスとネストリオス往復書簡 アレクサンドレイアのキュリロス 著 375−409
神秘神学 ディオニュシオス・アレオパギテス 著 411−428
愛についての四〇〇の断章 マクシモス 著 429−453
知識の泉 ダマスコスのヨアンネス 著 455−607
聖画像破壊論者への第一の駁論 ストゥディオスのテオドロス 著 609−640


これまでなかったのが不思議な必読書「〈海賊〉の大英帝国 掠奪と交易の四百年史」

2018年11月11日 | 新刊書
〈海賊〉の大英帝国 掠奪と交易の四百年史 (講談社選書メチエ)
著者 : 薩摩真介
講談社 (2018年11月11日発売)


大英帝国の歴史と海賊は切り離すことのできない密接な関係があります。
今までなかったのが不思議な本。
これも必読書かも。



出版社内容情報
イギリスは貿易と戦争、そして「掠奪」で世界の海を制したのだった! 最強の海洋帝国と荒くれ者たちが動かした歴史を描く驚異的論考イギリスは貿易と戦争、そして「掠奪」で世界の海を制したのだった! 最強の海洋帝国と荒くれ者たちが動かした歴史を描く驚異的論考!

暴れまわる掠奪者たちを、法という鎖で縛り猟犬として飼い慣らしたイギリス政府は、新大陸・大西洋世界への進出競争や重商主義による貿易抗争を、「管理統制された掠奪」によって有利に進めんとした。海が世界史を転回させる舞台となった16世紀から、自由貿易が重商主義にとってかわる19世紀まで、軍人、海賊、政治家、商人たちの野望うずまく歴史のダイナミズムを活写する!
スペインの船や植民地を荒らしまわる「掠奪世界周航」をやってのけナイトの称号を得たフランシス・ドレイク、ジャマイカを根城にカリブ海で掠奪をくりひろげる「バッカニア」、インド洋や紅海への掠奪行を敢行する「紅海者」、北米の植民地と深く結びつく海賊たち……彼らはいかに「活躍」したか? 海軍や政府は彼らの力をどう利用したか? 注目の若手研究者が、大きな歴史のうねりと、海の男たちの苦闘とを多層的に、鮮やかに描き出す。大海原の波濤の向こうに、誰も知らない世界史があった!

海洋と掠奪
掠奪者たち、大西洋に乗り出す
同期する掠奪
グローバル化する掠奪
海賊たちの黄昏
私掠者と掠奪
海軍と掠奪
自由貿易思想の興隆と私掠の廃止
第一次世界大戦の勃発とパリ宣言体制の崩壊


薩摩 真介[サツマ シンスケ]
著・文・その他