新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

新たな展開に期待したい若尾政希の「百姓一揆」

2018年11月21日 | 新刊書
百姓一揆 (岩波新書)
若尾 政希 (著)


百姓一揆というと、多くの時代劇などのドラマで通念が生まれていますが
この書物はそうした通念をひっくり返しながら
これが人々のパワーを発揮した自己主張の営みであったことを明らかにすることを試みるもののようです。
岩波新書では1982年に勝俣鎮夫の「一揆」が刊行されています。
この書物は一揆をその歴史的な発生からたどる有益な書物でした。
今回の「百姓一揆」がどのような新たな展開を示してくれるか、楽しみです。



新書: 240ページ
出版社: 岩波書店 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4004317509
ISBN-13: 978-4004317500

内容紹介
「反体制運動ではなかった」、「竹槍や蓆旗(むしろばた)は使われなかった」――百姓一揆の歴史像は、研究の進展によって大きく転換した。なぜ百姓は、訴訟や一揆を通して粘り強く自己主張することができたのか。各地に残る「一揆物語」には、どんな思想が織りこまれているか。その独特のピープルズ・パワーから、近世という時代を考える。

今から読むのが楽しみな「日本の同時代小説」

2018年11月21日 | 新刊書
日本の同時代小説 (岩波新書)
著者 : 斎藤美奈子


優れた書評の書き手である斎藤美奈子が、いわば総決算のようにして
現代の日本の小説について語った書物のようです。
詳しいことは不明ですが、いつもながらの筆力で
大いに読者を楽しませてくれることを期待します。
楽しみな一冊。



新書: 288ページ
出版社: 岩波書店 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4004317460

内容紹介
メディア環境の急速な進化、世界情勢の転変、格差社会の深刻化、そして戦争に大震災──。創作の足元にある社会が激変を重ねたこの50年。「大文字の文学の終焉」が言われる中にも、新しい小説は常に書き続けられてきた! 今改めて振り返る時、そこにはどんな軌跡が浮かぶのか? ついに成る、私たちの「同時代の文学史」。

眺めるだけでも楽しそうな「ウンベルト・エーコの世界文明講義」

2018年11月21日 | 新刊書
ウンベルト・エーコの世界文明講義
ウンベルト・エーコ (著), 和田忠彦 (監修), 石田聖子 (翻訳), 小久保真理江 (翻訳), & 3 その他


エーコが「見えないもの、聖なるもの、美と醜、絶対と相対」などの概念を手掛かりに、
古代からの歴史をたどりながら
文明論的な考察を展開する書物のようです。
図版も多数あって、眺めるだけでも楽しそう。
まずは図書館で手に取ってみてみたい。



単行本: 432ページ
出版社: 河出書房新社 (2018/11/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4309207529
ISBN-13: 978-4309207520

内容紹介
現代人は古代・中世・近代より進歩しているのか。
見えないもの、聖なるもの、美と醜、絶対と相対、パラドックス、嘘、秘密、陰謀……
太古からつづく普遍的課題をやさしく解き明かした、知の巨人による最後の贈り物。
絵画、音楽、文学、映画、漫画など、カラー図版120点以上! ! !

著者について
ウンベルト・エーコ(Umberto Eco)……1932年イタリア生まれ。小説家・記号論学者。現代を代表する碩学として幅広い著作を発表。中世の修道院を舞台にした小説『薔薇の名前』は世界5500万部を超えるベストセラー。小説に『フーコーの振り子』『プラハの墓地』など、評論に『記号論』『美の歴史』『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』など。2016年没。