新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

まだまだ知りたいAIについて「AIが人類を支配する日」

2018年11月16日 | 新刊書
AIが人類を支配する日 (人工知能がもたらす8つの未来予想図) 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/16
前野隆司 (著)


AIがわたしたちの仕事を奪うのではないかという懸念が強まっているためか
シンギュラリティについての書物が続きますね。
「シンギュラリティ (やさしく知りたい先端科学シリーズ3)」につづいて、
今度はAIが人類を支配するようになる未来を展望する書物が登場しました。
「AIがもたらす8つの恐ろしい未来」の章に始まって、「AIがもたらす8つの明るい未来」の章で締めくくるこの書物は、AIがもたらすものについてのわたしたちの誤解を解いてくれるかもしれません。
まだまだ知りたいAIについて、いろいろと考えるきっかけを与えてくれる書物は大歓迎です。




単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: マキノ出版 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4837672884
ISBN-13: 978-4837672883
発売日: 2018/11/16


内容紹介
シンギュラリティはいつ起こる?
AIにより社会と生活が大きく変わっていくとき、
私たちはどうすれば幸福になれるのか。
「単純労働がなくなる」「専門職もなくなる」
「格差が拡大する」「日本が負け続ける」
「忙しさが加速する」「ヒトが一番でなくなる」
「永遠に生きねばならない」「人類が滅亡する」
……予想される8つの未来について
ロボット工学者が独自の視点から大胆に切り込む!

目次
目次:
第1章: AIがもたらす8つの恐ろしい未来
第2章: ディープラーニングのどこがすごいのか ~AIとロボットと私~
第3章: われ思う、しかしわれなし ~受動意識仮設とAI~
第4章: 心のあるロボットの造り方 ~ヒトとゾンビとAI~
第5章: なぜ日本は負け続けているのか ~イノベーションとAI~
第6章: 経営学×幸福学 ~幸福学とAI~
第7章: 死ぬとはどういうことか ~死とAI~
第8章: AIがもたらす8つの明るい未来
終 章: 全体調和型の社会をめざして ~森とAI~


著者について
前野隆司(まえの・たかし)
山口県生まれ。東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了後、キヤノン株式会社でカメラの研究職に従事したのち、慶應義塾大学教授に転ずる。ロボット工学に関連して、人工知能の問題を追いかける途上で、人間の意識に関する仮説「受動意識仮説」を見出す。ヒューマンインターフェース、ロボット、教育、地域社会、ビジネス、幸福な人生、平和な世界のデザインまで、さまざまなシステムデザイン・マネジメント研究を行っている。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。

前野隆司さんには次のような著書があります。

1.
錯覚する脳 : 「おいしい」も「痛い」も幻想だった / 前野隆司著.-- 筑摩書房; 2007
2.
幸せのメカニズム : 実践・幸福学入門 / 前野隆司著.-- 講談社; 2013.-- (講談社現代新書 ; 2238)
3.
脳はなぜ「心」を作ったのか : 「私」の謎を解く受動意識仮説 / 前野隆司著.-- 筑摩書房; 2010.-- (ちくま文庫 ; [ま-41-1])
4.
幸せの日本論 : 日本人という謎を解く / 前野隆司 [著].-- KADOKAWA; 2015.-- (角川新書 ; [K-21])
5.
人類・社会の新たなる発展を目指して : 慶應義塾大学ソニー寄附講座連続公開シンポジウム / 所眞理雄編 ; 茂木健一郎 [ほか講演] ; 1, 2, 3.-- 慶應義塾大学大学院理工学研究科; 2012
6.
もうひとつのデザイン : その方法論を生命に学ぶ / 松岡由幸編著 ; 河口洋一郎 [ほか] 著.-- 共立出版; 2008


現代のイランはどのような国なのかを知る一助となる「現代イランの社会と政治」

2018年11月16日 | 新刊書
現代イランの社会と政治――つながる人びとと国家の挑戦 単行本 – 2018/11/16
山岸 智子 (著, 編集)


現代の中東の政治において、イランは中心的な位置を占めています。
そのことは、トランプ大統領のもとでアメリカがイランに強い圧力をかけ続けていることにも現れてします。
しかしわたしたちは、先日サッカーのAFCチャンピオンズリーグで鹿島が試合をしたばかりのこの国について、あまりにも知らなすぎるようです。
本書は、地域的に欠けていることの多いわたしたちの知識の地平を広げるために、一つの有益な刺激になるかもしれません。



単行本: 224ページ
出版社: 明石書店 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4750347337
ISBN-13: 978-4750347332
発売日: 2018/11/16

内容紹介
地政学的な条件もあり国際政治の厳しい局面に巻き込まれてきた近現代のイラン。その社会=政治運動は、知識人、エスニック集団や軍人、在外イラン人など、国境を越えた活発なネットワーキングに依拠し、国内外の力関係を反映して展開してきた。本書では、ネットワーク型社会運動の系譜と、その政治化における諸問題を学際的アプローチで捉え論考する。

作品 著者 ページ
大国政治のなかで 吉村慎太郎 著 16−46
国境を越える紐帯の輪 松永泰行 著 47−67
選挙と部族社会 鈴木優子 著 68−113
NGOの活動と役割 細谷幸子 著 114−137
近代との邂逅の現場 黒田卓 著 138−170
ネットワーキング 山岸智子 著 171−198


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山岸智子
明治大学政治経済学部教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は文化論とイラン地域研究

山岸智子さんには次のような著訳書があります。

■刺繍 : イラン女性が語る恋愛と結婚 / マルジャン・サトラピ著 ; 山岸智子監訳 ; 大野朗子訳.-- 明石書店; 2006
■イスラーム世界がよくわかるQ&A100 : 人々の暮らし・経済・社会 / 山岸智子, 飯塚正人編.-- 亜紀書房; 1998
■イスラームとジェンダー : 現代イランの宗教論争 / ズィーバー・ミール=ホセイニー著 ; 中西久枝 [ほか] 訳.-- 明石書店; 2004
■国際法・国際関係とジェンダー / 植木俊哉, 土佐弘之編.-- 東北大学出版会; 2007.-- (東北大学21世紀COEプログラムジェンダー法・政策研究叢書 ; 第7巻)




功利主義とシンガー哲学の入門に「功利主義とは何か」

2018年11月16日 | 新刊書
功利主義とは何か 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/16
ピーター・シンガー (著), カタジナ・デ・ラザリ=ラデク (著), 森村 進 (翻訳), & 1 その他


動物の権利を唱えたことで有名なシンガーは、功利主義の哲学者でもあります。
「実践の倫理」などは功利主義の見地から現代のさまざまな問題を考察したものでした。
今回の著作は功利主義について正面から取り上げたものとして注目されます。
原書には、A very short introductionというサブタイトルがついていることから分かるように、
ごく手短に要点だけを説明した本として、功利主義の入門書であると同時に
シンガーの哲学の入門書でもあります。気軽に読める功利主義の入門としてお勧めです。




単行本(ソフトカバー): 184ページ
出版社: 岩波書店 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4000229621
ISBN-13: 978-4000229623
発売日: 2018/11/16

内容紹介
功利主義は今日の世界で最も影響力を持ち、同時に論争を呼ぶ世俗的倫理である。世界的に名高い哲学者P・シンガーが、起源から現在に到る歴史をわかりやすく解説しつつ、これまで向けられてきた数多くの批判に回答する。そして貧困、安楽死、動物の権利といった現代的課題の解決に対し、功利主義がいかに応えうるかを示す。

シンガーの著作の訳書には次のようものがあります。

1.
生と死の倫理 : 伝統的倫理の崩壊 / ピーター・シンガー著 ; 樫則章訳.-- 昭和堂; 1998
2.
アニマル・ファクトリ- : 飼育工場の動物たちの今 / ジム・メイソン,ピ-タ-・シンガ-著 ; 高松修訳.-- 現代書館; 1982
3.
動物の権利 / ピーター・シンガー編 ; 戸田清訳.-- 技術と人間; 1986
4.
ヘーゲル入門 : 精神の冒険 / ピーター・シンガー著 ; 島崎隆訳.-- 青木書店; 1995
5.
私たちはどう生きるべきか : 私益の時代の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎監訳.-- 法律文化社; 1995
6.
マルクス / ピーター・シンガー著 ; 重田晃一訳.-- 雄松堂出版; 1989.-- (オックスフォード大学PMシリーズ)
7.
「正義」の倫理 : ジョージ・W・ブッシュの善と悪 / ピーター・シンガー著 ; 中野勝郎訳.-- 昭和堂; 2004
8.
現実的な左翼に進化する / ピーター・シンガー著 ; 竹内久美子訳.-- 新潮社; 2003.-- (進化論の現在 = Darwinism today)
9.
動物の解放 / ピーター・シンガー著 ; 戸田清訳.-- 技術と人間; 1988
10.
動物の解放 / ピーター・シンガー著 ; 戸田清訳.-- 改訂版.-- 人文書院; 2011
11.
飢えと豊かさと道徳 / ピーター・シンガー著 ; 児玉聡監訳.-- 勁草書房; 2018
12.
実践の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 塚崎智監訳.-- 昭和堂; 1991
13.
あなたが救える命 : 世界の貧困を終わらせるために今すぐできること / ピーター・シンガー著 ; 児玉聡, 石川涼子訳.-- 勁草書房; 2014
14.
グローバリゼーションの倫理学 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 樫則章監訳.-- 昭和堂; 2005
15.
人命の脱神聖化 / ピーター・シンガー著.-- 晃洋書房; 2007
16.
大型類人猿の権利宣言 / パオラ・カヴァリエリ, ピーター・シンガー編 ; 山内友三郎, 西田利貞監訳.-- 昭和堂; 2001
17.
実践の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 塚崎智監訳.-- 新版.-- 昭和堂; 1999