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新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

野心的なギリシャ哲学史の書物が登場「ギリシア哲学30講」

2018年11月11日 | 新刊書
ギリシア哲学30講 人類の原初の思索から〈上〉「存在の故郷」を求めて
日下部 吉信【著】
価格 ¥2,916(本体¥2,700)
明石書店(2018/11発売)
サイズ B6判/ページ数 418p/高さ 19cm
商品コード 9784750347424
NDC分類 131
Cコード C0010


哲学史の専門家である日下部氏のギリシア哲学史講義の記録。
現代の哲学史の研究姿勢にも異を唱える書物らしい。
面白そう。



内容説明
ギリシア哲学の権威にしてハイデガー研究の第一人者でもある著者が、存在の故郷を求むべく古代ギリシアの文献を読み解き、その自然哲学を「みずみずしい姿」で蘇らせると同時に、そこで繰り広げられた哲学者たちの抗争の帰結としての現代人の歪んだ思考に高らかに異を唱える。過激にして痛快な現代文明批判の書(上下巻)。

目次
ギリシア哲学俯瞰
ミレトスの哲学者(1)タレス
ミレトスの哲学者(2)アナクシマンドロス
ミレトスの哲学者(3)アナクシメネス
ピュタゴラス
アルキュタス
ヘラクレイトス
エレア派 故郷喪失の哲学者クセノパネス
エレア派 パルメニデス
エレア派 ゼノンとメリッソス
エンペドクレス
アナクサゴラス
デモクリトス
ハイデガーと原初の哲学者たち―アナクシマンドロス、ヘラクレイトス、パルメニデス

著者等紹介
日下部吉信[クサカベヨシノブ]
1946年京都府生まれ。立命館大学名誉教授。1969年立命館大学文学部哲学科卒。75年同大学院文学研究科博士課程満期退学。87‐88年、96‐97年ケルン大学トマス研究所客員研究員。2006‐07年オックスフォード大学オリエル・カレッジ客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報
人類にとって原初の思索・哲学を「みずみずしい姿」で復活させ、従来のギリシア哲学観に変更を求めるとともに、そこから西洋哲学一般、近代科学、人間の思考のあり方そのものに疑問を呈する、過激にして痛烈な現代文明批判の書(上下巻)。

 まえがき



 本書(上巻)に登場する主な哲学者 生没年早見表

 紀元前5世紀ごろのギリシアと周辺諸国地図



第1講 ギリシア哲学俯瞰

 言語について

 本講義の記述方針



第2講 ミレトスの哲学者(?) タレス

 哲学者、タレス。

 タレスの哲学

  コラム:逸話



第3講 ミレトスの哲学者(?) アナクシマンドロス

 アナクシマンドロス哲学の原理

 ヒューマニズムを徹底的に超える哲学

 アナクシマンドロス、自然の境内に住まう。



第4講 ミレトスの哲学者(?) アナクシメネス

 哲学者、アナクシメネス。

 アナクシメネスの自然哲学

  コラム:太古的概念「ピュシス」



第5講 ピュタゴラス

 哲学者、ピュタゴラス。

 ピュタゴラスとテラトポイイア



第6講 アルキュタス

 ギリシア世界に確信を持つ哲学者、アルキュタス。

 アルキュタスの哲学

  コラム一:ピュタゴラス教団

  コラム二:ピュタゴラス派の数形而上学



第7講 ヘラクレイトス

 ロゴスvs主観性

 ヘラクレイトスの自然哲学

  コラム一:世界大火

  コラム二:ヘラクレイトスの出自と著作



第8講 エレア派(?) 故郷喪失の哲学者クセノパネス

 クセノパネスの神観

 クセノパネスの哲学

  コラム:漂白の哲学者クセノパネス



第9講 エレア派(?) パルメニデス(其の一)

 天才も存在の構造を脱しえず、パルメニデス。

 古代のパルメニデス評価



第10講 エレア派(?) パルメニデス(其の二)

 近代のパルメニデス解釈史、ないしは誤解史

 再び歴史的存在としてのパルメニデスに

   コラム:哲学者パルメニデス



第11講 エレア派(?) ゼノンとメリッソス

 (1)ゼノン

 哲学者、ゼノン。

 ゼノンの哲学

 (2)メリッソス



第12講 エンペドクレス

 哲学者エンペドクレス

 エンペドクレスの自然哲学

  コラム:アクラガスの哲学者エンペドクレス



第13講 アナクサゴラス

 伝統の哲学者、アナクサゴラス。

 アナクサゴラスの自然哲学

  コラム:クラゾメナイの哲学者アナクサゴラス



第14講 デモクリトス

 哲学者、デモクリトス。

 原子論哲学概観



第15講 ハイデガーと原初の哲学者たち――アナクシマンドロス、ヘラクレイトス、パルメニデス――

 初期ギリシアに対するハイデガーの基本スタンス

 アナクシマンドロス

 ヘラクレイトス

 パルメニデス

 回顧と展望



著者の日下部吉信氏には以下のような著書と訳書がある。


1.
ハイデガーと西洋形而上学 : 講演集 / 日下部吉信著.-- 晃洋書房; 2015.-- (シリーズ・ギリシア哲学講義 ; 別冊)
2.
アリストテレス講義・6講 / 日下部吉信著.-- 晃洋書房; 2012.-- (シリーズ・ギリシア哲学講義 ; 3)
3.
プラトニズム講義・4講 / 日下部吉信著.-- 晃洋書房; 2012.-- (シリーズ・ギリシア哲学講義 ; 2)
4.
ヘレニズム哲学講義・3講 / 日下部吉信著.-- 晃洋書房; 2013.-- (シリーズ・ギリシア哲学講義 ; 4)
5.
初期ギリシア哲学講義・8講 / 日下部吉信著.-- 晃洋書房; 2012.-- (シリーズ・ギリシア哲学講義 ; 1)
6.
ギリシア哲学と主観性 : 初期ギリシア哲学研究 / 日下部吉信著.-- 法政大学出版局; 2005
7.
西洋古代哲学史 / 日下部吉信著.-- 昭和堂; 1981.-- (昭和堂入門選書 ; 7)
8.
パルメニデス : 断片の研究 / カール・ボルマン著 ; 日下部吉信訳.-- 法政大学出版局; 1992
9.
プレソクラティクス : 初期ギリシア哲学研究 / エドワード・ハッセイ [著] ; 日下部吉信訳.-- 法政大学出版局; 2010.-- (叢書・ウニベルシタス ; 934)
10.
カテゴリー論史 / A.トレンデレンブルク著 ;

ヘーゲルの「歴史哲学」の全貌「世界史の哲学講義」

2018年11月11日 | 新刊書
世界史の哲学講義(下) ベルリン 1822/23年 (講談社学術文庫)
著者 : G.W.F・ヘーゲル
制作 : 伊坂 青司
講談社 (2018年11月11日発売)




ヘーゲルの歴史哲学はすでに邦訳があるが、これは第一版の講義記録の全訳だという。
これは読んでみなければ。


作品紹介・あらすじ
G・W・F・ヘーゲル(1770-1831年)は、『精神現象学』、『大論理学』などを公刊し、その名声を確かなものとしたあと、1818年にベルリン大学正教授に就任した。その講義は人気を博したが、中でも注目されることが多いのが1822年から31年まで10年近くにわたって行われた「世界史の哲学講義」である。
この講義はヘーゲル自身の手では出版されず、初めて公刊されたのは1837年のことだった。弟子エドゥアルト・ガンスが複数の聴講者による筆記録を編集したものであり、表題は『歴史哲学講義』とされた。3年後には息子カール・ヘーゲルが改訂を施した第二版が出版され、これが今日まで広く読まれてきている。日本でも、長谷川宏氏による第二版の訳が文庫版『歴史哲学講義』として多くの読者に手にされてきた。
しかし、第一版は最終回講義(1830/31年)を基礎にしながらも複数年度の筆記録を区別をつけずに構成したものであり、その方針は初回講義(1822/23年)の「思想の迫力と印象の鮮やかさ」を取り戻すことを目指した第二版も変わらない。つまり、これでは初回講義の全容が分からないのはもちろん、10年のあいだに生じた変化も読み取ることはできない。
本書は初回講義を完全に再現した『ヘーゲル講義筆記録選集』第12巻の全訳を日本の読者諸氏に提供する初の試みである。ここには、教室の熱気とヘーゲルの息遣いを感じることができる。今後、本書を手にせずしてヘーゲルの「歴史哲学」を語ることはできない。

[目次]
〔序論〕世界史の概念
〔A〕歴史の取り扱い方
〔B〕人間的自由の理念
〔C〕国家の本性
〔D〕世界史の区分
〔本論〕世界史の行程
 〔第一部〕東洋世界
〔第一章〕中国
〔第二章〕インド
〔第三章〕ペルシア
〔第四章〕エジプト(以上、上巻)
 〔第二部〕ギリシア世界
〔第一章〕ギリシアの民族精神の起源
〔第二章〕ギリシア精神の成熟
〔第三章〕衰退と没落
 〔第三部〕ローマ世界
〔第一章〕ローマの権力の形成
〔第二章〕ローマの世界支配
〔第三章〕ローマの没落
 〔第四部〕ゲルマン世界
〔第一章〕初期中世の準備
〔第二章〕中世
〔第三章〕近代の歴史

アーレントとともにアイヒマン裁判を傍聴していた村松の「新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像」

2018年11月10日 | 新刊書
新版 ナチズムとユダヤ人 アイヒマンの人間像 (角川新書)
著者 : 村松剛
KADOKAWA (2018年11月10日発売)


====作品紹介・あらすじ
アイヒマン裁判を、ハンナ・アーレントらと共に傍聴していた「日本人」作家がいた!
裁判の現場にいた著者による、生々しき傍聴記とアイヒマンの評論。
絶対に許してはならない優生思想と排外主義。その負の歴史を語り継ぐために、当時ベストセラーとなった本書を復刊する。

人類史に残る、恐るべきナチスによるユダヤ人絶滅計画。
その実態と、その背景にある思想は何か、またこの計画の実際的推進者であったアイヒマンの思想はどのようにして形成されたのか。
当時、イスラエルに赴いてアイヒマン裁判を直に傍聴してきた著者が、この謎に独自の光をあてたものである。
まだハンナ・アーレントが著名になる前、裁判の翌年(1962年)に刊行された本書には、「凡庸な悪・アイヒマン」と、裁判の生々しき様子が描かれている。
====

アーレントの「イエルサレムのアイヒマン」はすっかり有名になったが
アーレントとともに村松が裁判を傍聴していたのは知らなかった。
どのような見地から「凡庸な悪」が語られているのか、ぜひ確認してみたい。




ジェンダー論の必読書「他者の影――ジェンダーの戦争はなぜ終わらないのか」

2018年11月10日 | 新刊書
他者の影――ジェンダーの戦争はなぜ終わらないのか
著者 : ジェシカ・ベンジャミン
制作 : 北村 婦美
みすず書房 (2018年11月10日発売)


====作品紹介・あらすじ
〈他者は「私」の影でしかないのでも、「私」が他者の影でしかないのでもない。他者はその人自身の影を持つ、もう一人の人間なのだ〉
フロイトのエディプス・コンプレックス論にも見られるとおり、草創期の精神分析では、男性を主体(=能動)とし、女性を客体(=受動)とする構図で理論が積み上げられた。しかし、時代とともに女性をとりまく環境と女性のあり方が変化し、フロイトの女性論は今日まで多くの対立を生んできた。
ベンジャミンはこうした精神分析の男性中心主義の乗り越えに、女性固有の優位点を謳い上げ、女性の権利を振りかざすことはない。問題の根源は、精神分析の「一人の人間がどのように環境や周囲の人間を利用し、うまく折り合いをつけ、最終的に自分の欲望を満たすか」という一者心理学的な基本姿勢にあるのである。
フロイトの女性論、そしてそれに向けられたフェミニズム思想の批判的言説を再検討し、対立を乗り越える共通の基盤を切り開く。精神分析における「ジェンダーの戦争」の終結への序章となる重要書。
====

「愛の拘束」(青土社 , 1996.5)の訳書のあるジェシカ・ベンジャミンの二冊目の訳書。
「愛の拘束」は精神分析の立場から人間の愛について掘り下げた好著だった。
精神分析によって「ジェンダー戦争」が終わるとも思えないが、この問題に関心のある人には、必読書だろう。



つい読みたくなる三浦しをんのエッセイ集「お友だちからお願いします」

2018年11月10日 | 新刊書
お友だちからお願いします (だいわ文庫)
著者 : 三浦しをん
大和書房 (2018年11月10日発売)


ダ・ヴィンチの紹介インタビューがよく内容を表している。
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さて、早速ページを開いてみよう。まずは、『お友だちからお願いします』から。エッセイ集は意外なことに3年ぶり。『人生激場』など数々の名著を世に送り出し、現代を代表するエッセイストの一人でもある三浦だが、今回は少し逡巡があった。
「エッセイは難しいなと改めて思いました。以前はあまり何も考えずに書いていたんですが。今はネット文化も発達して、日常を綴った文章は巷にあふれている。敢えてお金を出して読んでいただくほどの価値が私のエッセイにあるのか? そのジャッジがすごく難しいですよね。まあ、私は自分に対するジャッジはユルユルなので本にしちゃったわけですが(笑)」

 ユルユルなんてとんでもない。世の中の隠れたマナーや三浦流の旅行のこだわりなど、厳選されたネタばかりが盛りだくさんに並んでいる。本人曰く、コンセプトは“よそゆき仕様”!
「新聞などに掲載されたものを集めているので、当時の読者層に合わせてオタク話は少し控えめだったりします。でも結局、以前とあまり変わらない仕上がりですね。いつもシモがかったこと考えてるし(笑)」 

 このエッセイ集、電車の中で読んだら危険だ。絶対に爆笑を抑えられない。保阪尚希を知らないという女子大生の会話に自らの加齢を実感し、世にはびこる相づち“そうなんですね”の功罪を考察。『THEワイド』観たさに蕎麦屋を行脚する……。ヴィゴ・モーテンセンへの恋など、おなじみの“妄想”も健在だ。“私も!”と激しく共感し、同時に“なるほど!”と鋭い視点に感心する。三浦作品は初めてという人にも読みやすく、以前からのファンにも愛される。そんな美味しい一冊なのだ。
====

三浦しをんの小説はどれも読みやすく、楽しいものだし
エッセイ集もぜひ読んでみたい。


手軽に入手できるようになったのがうれしいサールの「MiND: 心の哲学」

2018年11月09日 | 新刊書
朝日出版社から出ていたサールの「心の哲学」がちくま学芸文庫で新たに刊行されるようです。
手軽に入手できるのはいいかも。


MiND: 心の哲学 (ちくま学芸文庫)
著者 : ジョン・R・サール
制作 : 山本 貴光 吉川 浩満
筑摩書房 (2018年11月8日発売)


内容説明
よく知られている理論、しかも影響力のある理論が、そもそも全部誤っているという点で、心の哲学は、哲学のなかでも類を見ないテーマである。本書の目的のひとつは、そうした誤った理論へ導かれてしまうやみがたい欲求から、真実を救い出すことにある。これまでにも他の著書、とくに『心の再発見』でこの課題に取り組んできた。だが、本書こそが、心の哲学というテーマ全体への包括的な入門書の試みである。

目次
第1章 心の哲学が抱える十二の問題
第2章 唯物論への転回
第3章 唯物論への反論
第4章 意識1―意識と心身問題
第5章 意識2―意識の構造と神経生物学
第6章 志向性
第7章 心的因果
第8章 自由意志
第9章 無意識と行動
第10章 知覚
第11章 自己

著者等紹介
サール,ジョン・R.[サール,ジョンR.][Searle,John R.]
1932年、米国コロラド州デンバー生まれ。1959年、カリフォルニア大学バークレー校に赴任、1967年より同教授として今日に至るまで教鞭をとる。言語哲学と心の哲学を主軸に、現在も第一線で研究・発表をおこなう。2004年、「心の哲学」にかんする業績にたいし米国人文科学勲章を受章

山本貴光[ヤマモトタカミツ]
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経てフリーランス。「哲学の劇場」主宰

吉川浩満[ヨシカワヒロミツ]
1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、フリーランス。「哲学の劇場」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報
「心とは何か?」――人々の心を捉えて離さない最難問に、現代哲学の第一人者が挑む。

哲学・心理学・生物学・脳科学の最前線である「心の哲学」を舞台に、従来の見解を次々に論破しながら、独自の「生物学的自然主義」を提示。心の哲学への、もっとも包括的で、もっとも新しく、もっとも明快な、魅惑のイントロダクション。

「自分自身が心の哲学について学ぶ際、最初に手に取りたいと思えるような本を書こうと思う」――言語哲学から出発し、近年は心の哲学においても精力的な研究と発言を続けるアメリカの哲学者ジョン・R・サール。哲学者としての円熟味を増したサールが、はじめて一般読者への入門書を書き下ろしました。

昨今の脳ブームは「脳を解明しさえすれば人間の心も説明できる」という風潮すら感じられます。
しかし、心と脳の関係とは、果たして入力信号のオンとオフのように単純なものだったのでしょうか?
サールはこの問題――「心脳問題」がさまざまな誤解のもとにたてられた擬似問題であることを指摘します。

従来の心的/物質的という二元論を廃し、因果的な還元/存在論的な還元、一人称的な存在論/三人称的な存在論という区別を新たに導入した点は本書の肝と言えるでしょう。

これにより、ミステリアスなものとして扱われがちな心を、胃の消化と同様、自然現象のひとつと捉え直し、現代の科学的知見との整合性をはかる――それがサールの提唱する「生物学的自然主義」なのです。


■著者紹介

ジョン・R・サール
1932年、米国コロラド州デンバー生まれ。1959年、カリフォルニア大学バークレー校に赴任、1967年より同教授として今日に至るまで教鞭をとる。言語哲学と心の哲学を主軸に、現在も第一線で研究・発表をおこなう。主著に、『言語行為――言語哲学への試論』(勁草書房)『表現と意味――言語行為論研究』(未邦訳)『志向性――心の哲学』(誠信書房)『心・脳・科学』(岩波書店)『心の再発見』(未邦訳)『意識の謎』(未邦訳)など。2004年、「心の哲学」にかんする業績にたいし米国人文科学勲章を受賞。

■訳者紹介

山本貴光[やまもと・たかみつ]
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。コーエーでのゲーム制作を経てフリーランス。「哲学の劇場」主宰。筆名・八雲出(やくも・いずる)。関心領域は書物、映画、ゲーム、原節子など。著書に『心脳問題』(朝日出版社、吉川浩満との共著)がある。
「作品メモランダム」(ブログ)
http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/

吉川浩満[よしかわ・ひろみつ]
1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、フリーランス。「哲学の劇場」主宰。筆名・吉田浩(よしだ・ひろし)。関心領域は哲学、単車、ロック、映画、犬など。著書に『心脳問題』(朝日出版社、山本貴光との共著)がある。
「哲劇メモ」(ブログ)
http://d.hatena.ne.jp/clinamen/

「哲学の劇場」(山本貴光と吉川浩満による共同企画ウェブサイト)
http://www.logico-philosophicus.net/
1997年開設。哲学・科学・芸術関係

サールには次のような訳書があります。

1.
社会的世界の制作 : 人間文明の構造 / ジョン・R・サール著 ; 三谷武司訳.-- 勁草書房; 2018
2.
意識の神秘 : 生物学的自然主義からの挑戦 / ジョン・R・サール著 ; 笹倉明子 [ほか] 訳.-- 新曜社; 2015
3.
行為と合理性 / ジョン・R・サール著 ; 塩野直之訳.-- 勁草書房; 2008.-- (ジャン・ニコ講義セレクション ; 3)
4.
ディスカバー・マインド! : 哲学の挑戦 / ジョン・R.サール著 ; 宮原勇訳.-- 筑摩書房; 2008
5.
表現と意味 / ジョン・R.サール著 ; 山田友幸監訳.-- 誠信書房; 2006
6.
Mind = マインド : 心の哲学 / ジョン・R・サール著 ; 山本貴光, 吉川浩満訳.-- 朝日出版社; 2006
7.
心・脳・科学 / ジョン・サール [著] ; 土屋俊訳.-- 岩波書店; 2005.-- (岩波モダンクラシックス)
8.
志向性 : 心の哲学 / ジョン・R・サール著 ; 坂本百大監訳.-- 誠信書房; 1997
9.
言語行為 : 言語哲学への試論 / J. R. サール著 ; 坂本百大, 土屋俊訳.-- 勁草書房; 1986.-- (双書プロブレーマタ ; 5)



神話学の分野からみた人身御供論

2018年11月09日 | 新刊書
人身御供論は、大塚英志か゜「通過儀礼としての殺人」というもっと広い観点から考察していますが、この書物はさらに神話学の立場から考察したもののようです。読んでみたい一冊。


人身御供論
高木敏雄


価格 ¥1,296(本体¥1,200)
筑摩書房 ちくま学芸文庫(2018/11発売)
サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
商品コード 9784480098962
NDC分類 387
Cコード C0139

著者の高木敏雄には次のような著作があります。



1.
比較神話学 / 高木敏雄著.-- ゆまに書房; 2003.-- (神話学名著選集 ; 第1期 ; 2)
2.
日本傳説集 / 高木敏雄著 ; 編集:山田野理夫 ; 修正版.-- 修正版.-- 宝文館出版; 1975
3.
人身御供論 / 高木敏雄著 ; 山田野理夫編.-- 宝文館出版; 1973
4.
童話の研究 / 高木敏雄[著] ; 関敬吾校閲.-- 講談社; 1977.-- (講談社学術文庫 ; [158])
5.
日本神話伝説の研究 / 高木敏雄著 ; 大林太良編 ; 1, 2.-- 増訂.-- 平凡社; 1973.-- (東洋文庫 ; 241,253)
6.
世界名著解題 / 平林松雄, 木村一郎, 高木敏雄共著.-- 太陽堂; 1927
7.
出雲神話・日向神話 / 高木敏雄[ほか]著.-- 学生社; 1977.-- (日本神話研究 / 伊藤清司, 大林太良編 ; 3)

詩と文学について造詣の深い藤井貞和さんの戦争論「非戦へ 物語平和論」

2018年11月09日 | 新刊書
戦争を言葉と物語の観点から眺めるという視点がユニーク。
多数の著作もどれか読んでみたい。本書との関連では「言葉と戦争 / 藤井貞和著.-- 大月書店; 2007」が面白そう。


非戦へ 物語平和論
著者=藤井貞和(ふじい・さだかず)


四六判並製 256ページ

定価[本体1,800円+税]

2018年11月9日発行

ISBN978-4-909291-03-5 C0095



「戦争の原因とその回避とについて、人類史的な深い問いかけへ考え進めるようにと、だれかが用意してくれた戦後70年という、日本歴史のすきまではなかったか。第一次大戦後では、世界的に不戦条約(戦争放棄)が構想されても、日本国はそれをおのれに利するように計らったのであり、日中、太平洋戦争下にあっては、戦争にあけくれこそすれ、『戦争とは、非戦とは』という問いから最も遠い時代としてあった。『戦争とは、非戦とは』を根底から問うことが、もしかしたらば戦争学なのだとすると、戦争時代には戦争学から最も遠いところで、その戦争なるものがあらわに人類をたたきのめしている。とするならば、この70年にこそ『戦争とは、非戦とは』を考察し尽くすのでなければ、もうチャンスはない」(本文より)

文学にかかわろうとしている限りにおいて、文学はいやおうなしに、人間性の根源的な悪の現場に、私たちを連れてゆく。戦争という人類的な悪を辞めさせるためには、その根源的な成立理由を曇りなく明るみに曝すことから始めなければならない。―『湾岸戦争論』『言葉と戦争』『水素よ、炉心露出の詩』と書き綴ってきた著者による、戦争論の完結編。

◉解説=桑原茂夫



主な目次

平和について考えました/平和

メモへメモから

チェーン―9・11のあとから



戦争から憲法へ



福島の表現する詩人たち

声、言葉―次代へ

「二〇一一~二〇一四」と明日とのあいだ



出来事としての時間が不死と対峙する―ブルガリア稿

亡霊の告げ―演劇物語論

新しい文学〈視〉像を求めて―石牟礼道子『苦海浄土』を巡り

『からゆきさん』と『帝国の慰安婦』



近代と詩と―主題小考

分かってきたことと不明と



著者略歴

1942年東京生まれ。詩人、日本文学研究者。『地名は地面へ帰れ』(詩作品書、永井出版企画)、『源氏物語の始原と現在』(三一書房、のち岩波現代文庫)、『釋迢空』(国文社、のち講談社学術文庫)以来、〈詩〉〈研究〉〈批評〉を経めぐるスタイルをつづける。『物語文学成立史』(東京大学出版会)、『平安物語叙述論』(同)、『源氏物語論』(岩波書店、角川源義賞)が物語三部作。『大切なものを収める家』(思潮社)、『「静かの海」石、その韻き』(思潮社、晚翠賞)、『ことばのつえ、ことばのつえ』(同、藤村記念歴程賞・高見順賞)と、言葉による実験が列なる。詩集はさらに『神の子犬』(書肆山田、現代詩花椿賞・現代詩人賞)、『人間のシンポジウム』(思潮社)へ広がり、『春楡の木』(思潮社、鮎川信夫賞・芸術選奨文部科学大臣賞)、『美しい小弓を持って』(思潮社)に至る。短歌形式について考える『うた―ゆくりなく夏姿するきみは去り』(書肆山田)、『東歌篇―異なる声 独吟千句』(反抗社出版)もある。岩波講座『日本文学史』は「古代」(三冊)、「口承文学Ⅰ/Ⅱ」、「琉球(沖縄)/アイヌ文学」の編集を担当する。『物語理論講義』(東京大学出版会)はシリーズ「リベラル・アーツ」の一冊。『湾岸戦争論』(河出書房新社)、『言葉と戦争』(大月書店、日本詩人クラブ詩界賞)、『人類の詩』(思潮社)、『水素よ、炉心露出の詩』(大月書店)は時代と拮抗する試み。南島論の集成である『甦る詩学』(まろうど社)で伊波普猷賞。近作に『日本語と時間』(岩波新書)、『文法的詩学』(笠間書院)、『文法的詩学その動態』(同)、『構造主義のかなたへ』(同)、『日本文学源流史』(青土社)、『日本文法体系』(ちくま新書)など。東京学芸大学、東京大学、立正大学の各教授を歴任。コロンビア大学で客員教授を務めた(1992〜1993年)。


藤井貞和の著作、図書目録から



1.
論集源氏物語の文化学 / 藤井貞和, 小嶋菜温子, 原岡文子ほか [執筆].-- 文化科学高等研究院出版局; 2018.-- (文化学documents)
2.
国語学史 / 時枝誠記著.-- 岩波書店; 2017.-- (岩波文庫 ; 青N(38)-110-4)
3.
対話のために : 「帝国の慰安婦」という問いをひらく / 浅野豊美, 小倉紀蔵, 西成彦編著 ; 東郷和彦 [ほか] 著.-- クレイン; 2017
4.
源氏物語 / [紫式部著] ; 柳井滋 [ほか] 校注 ; 1 - 4.-- 岩波書店; 2017.-- (岩波文庫 ; 黄(30)-015-10-黄(30)-015-13)
5.
日本文学源流史 / 藤井貞和著.-- 青土社; 2016
6.
構造主義のかなたへ : 『源氏物語』追跡 / 藤井貞和著.-- 笠間書院; 2016
7.
日本文法体系 / 藤井貞和著.-- 筑摩書房; 2016.-- (ちくま新書 ; 1221)
8.
文法的詩学その動態 / 藤井貞和著.-- 笠間書院; 2015
9.
落窪物語 / 藤井貞和校注.-- 岩波書店; 2014.-- (岩波文庫 ; 黄(30)-043-1)
10.
「過去の未来」と「未来の過去」 : 保坂一夫先生古稀記念論文集 / 保坂一夫先生古稀記念論文集刊行委員会編.-- 同学社; 2013
11.
蜂飼耳詩集 / 蜂飼耳著.-- 思潮社; 2013.-- (現代詩文庫 ; 201)
12.
折口信夫古典詩歌論集 / 折口信夫著 ; 藤井貞和編.-- 岩波書店; 2012.-- (岩波文庫 ; 緑(31)-186-4)
13.
文法的詩学 / 藤井貞和著.-- 笠間書院; 2012
14.
9・11変容する戦争 : 崩 / リービ英雄他著.-- 集英社; 2011.-- (コレクション戦争と文学 / 浅田次郎 [ほか] 編集委員 ; 北上次郎編集協力 ; 4)
15.
日本語と時間 : 「時の文法」をたどる / 藤井貞和著.-- 岩波書店; 2010.-- (岩波新書 ; 新赤版 1284)
16.
源氏物語の始原と現在 : 付バリケードの中の源氏物語 / 藤井貞和著.-- 岩波書店; 2010.-- (岩波現代文庫 ; 文芸 ; 160)
17.
日本文学からの批評理論 : アンチエディプス・物語社会・ジャンル横断 / ハルオ・シラネ, 藤井貞和, 松井健児編.-- 笠間書院; 2009
18.
他者との出会い = Encounter with the other / 宮本久雄, 金泰昌編.-- 東京大学出版会; 2007.-- (シリーズ物語り論 / 宮本久雄, 金泰昌編 ; 1)
19.
言葉と戦争 / 藤井貞和著.-- 大月書店; 2007
20.
タブーと結婚 : 「源氏物語と阿闍世王コンプレックス論」のほうへ / 藤井貞和著.-- 笠間書院; 2007
21.
物語理論講義 / 藤井貞和著.-- 東京大学出版会; 2004.-- (Liberal arts)
22.
自由詩学 / 藤井貞和著.-- 思潮社; 2002
23.
創発的言語態 / 藤井貞和, エリス俊子編.-- 東京大学出版会; 2001.-- (シリーズ言語態 ; 2)
24.
平安物語叙述論 / 藤井貞和著.-- 東京大学出版会; 2001
25.
特集「源氏文化の視界」 / 藤井貞和 [ほか述].-- 翰林書房; 2000.-- (源氏研究 / 三田村雅子 [ほか] 編集 ; 第5号)
26.
国文学の誕生 / 藤井貞和著.-- 三元社; 2000
27.
源氏物語論 / 藤井貞和著.-- 岩波書店; 2000
28.
折口信夫の詩の成立 : 詩形/短歌/学 / 藤井貞和著.-- 中央公論新社; 2000
29.
短歌における批評とは / 藤井貞和編.-- 岩波書店; 1999.-- (短歌と日本人 / 岡井隆 [ほか] 編 ; 6)
30.
詩の分析と物語状分析 / 藤井貞和著.-- 若草書房; 1999.-- (中古文学研究叢書 ; 7)
31.
物語の起源 : フルコト論 / 藤井貞和著.-- 筑摩書房; 1997.-- (ちくま新書 ; 113)
32.
文学の誕生より8世紀まで / 藤井貞和 [ほか執筆].-- 岩波書店; 1995.-- (岩波講座日本文学史 ; 第1巻)
33.
日本「小説」原始 / 藤井貞和著.-- 大修館書店; 1995
34.
湾岸戦争論 : 詩と現代 / 藤井貞和著.-- 河出書房新社; 1994
35.
源氏物語 / 藤井貞和著.-- 岩波書店; 1993.-- (岩波セミナーブックス ; 110 . 古典講読シリーズ||コテン コウドク シリーズ)
36.
物語の方法 / 藤井貞和著.-- 桜楓社; 1992
37.
古日本文学発生論 / 藤井貞和著.-- 増補新装版.-- 思潮社; 1992
38.
源氏物語の始原と現在 / 藤井貞和著.-- 砂子屋書房; 1990.-- (ディヴィニタス叢書 ; 3)
39.
「おもいまつがね」は歌う歌か : 古日本文学発生論・続 / 藤井貞和著.-- 新典社; 1990.-- (叢刊・日本の文学 / ドナルド・キーン〔ほか〕編 ; 8)
40.
古典の詩学 : 山口昌男国文学対談集 / 山口昌男著者代表.-- 人文書院; 1989
41.
落窪物語 / 藤井貞和校注 . 住吉物語 / 稲賀敬二校注.-- 岩波書店; 1989.-- (新日本古典文学大系 / 佐竹昭広[ほか]編集 ; 18)
42.
口誦(くちず)さむべき一篇の詩とは何か : 藤井貞和詩論集 / 藤井貞和著.-- 思潮社; 1989
43.
青木はるみ詩集 / 青木はるみ著.-- 思潮社; 1989.-- (現代詩文庫 ; 96)
44.
物語文学成立史 : フルコト・カタリ・モノガタリ / 藤井貞和著.-- 東京大学出版会; 1987
45.
物語・小説 / 藤井貞和他著 ; 1, 2.-- 大修館書店; 1987.-- (日本文学講座 / 日本文学協会編 ; 4-5)
46.
阿部岩夫詩集 / 阿部岩夫著.-- 思潮社; 1987.-- (現代詩文庫 ; 87)
47.
日本文芸史 : 表現の流れ / 古橋信孝編 ; 第1巻 - 第8巻 現代2.-- 河出書房新社; 1986
48.
言葉の起源 : 近・現代詩小考 / 藤井貞和著.-- 書肆山田; 1985
49.
物語の結婚 / 藤井貞和著.-- 創樹社; 1985
50.
小長谷清実詩集 / 小長谷清実著.-- 思潮社; 1985.-- (現代詩文庫 ; 83)
51.
藤井貞和詩集 ; [正], 続.-- 思潮社; 1984.-- (現代詩文庫 ; 80,104)
52.
吉本隆明論集 / 月村敏行〔ほか〕著.-- 灯書房; 1983
53.
佐々木幹郎詩集 / 佐々木幹郎著 ; [正], 続.-- 思潮社; 1982.-- (現代詩文庫 ; 76,139)
54.
語りとは何か / 佐藤泰正編.-- 笠間書院; 1982.-- (笠間選書 ; 141 . 梅光女学院大学公開講座論集||バイコウ ジョガクイン ダイガク コウカイ コウザ ロンシュウ ; 第11集)
55.
白楽天と日本文学 / 水野平次著 ; 藤井貞和補注解説.-- 大学堂書店; 1982
56.
深層の古代 : 文学史的批評 / 藤井貞和著.-- 国文社; 1978
57.
高橋睦郎詩集 / 高橋睦郎著 ; [正], 続, 続続.-- 思潮社; 1969.-- (現代詩文庫 ; 19, 135, 209)


衝撃のタイトル「バイオハッキング」

2018年11月08日 | 新刊書
バイオハッキングとはユニークなタイトル。
誰がどうハッキングするのだろうか。
詳しいことがしりたい。




バイオハッキング - テクノロジーで知覚を拡張する
カーラ・プラトーニ/田沢恭子



価格 ¥2,916(本体¥2,700)
白揚社(2018/11発売)
サイズ B6判/ページ数 437p/高さ 20cm
商品コード 9784826902052
NDC分類 141.2
Cコード C0045



テクノロジーは知覚の未来をどう変えるのか?

大学や企業の研究室で、バイオハッカーの地下室で、「世界の感じ方」を変える研究が進められている。キーワードは「バイオハッキング」。身体を「ハッキング」して知覚を操作しようという研究では、今まさにSFが現実になろうとしている。



視覚や聴覚などの五感の研究、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の開発の現場で、いま何がおこなわれているのか? 知覚能力を高め、未知の感覚を手に入れることはできるのか?



脳をハッキングして心の声を再現しようとする研究者や、AR装置で現実を拡張しようとする起業家、さらには自らの身体に装置を埋め込んで新たな感覚を得ようとするバイオハッカーなど、多彩な面々が挑む、いま最も刺激的な知覚科学の最前線。

目次
第1部 五感

1 味覚 ……第六の味を見つけられるか?

2 嗅覚 ……においが呼び覚ます記憶

3 視覚 ……人工網膜がもたらす新しい視覚

4 聴覚 ……心の声を機械で再現できるか?

5 触覚 ……手術支援ロボットと触覚



第2部 メタ感覚的知覚

6 時間 ……一万年時計と原子時計

7 痛み ……体の痛みと心の痛みの関係

8 情動 ……文化が感情に影響を及ぼす



第3部 知覚のハッキング

9 仮想現実 ……VRによる新たな知覚体験

10 拡張現実 ……AR装置による知覚の拡張

11 新しい感覚 ……バイオハッカーの身体改造

著者紹介
カーラ・プラトーニ
科学ジャーナリスト。カリフォルニア大学バークレー校ジャーナリズム大学院で修士号を取得し、現在は同校でレポーティングとナラティブ・ライティングを教えている。米国科学振興協会の科学ジャーナリズム賞など、数々の賞を受賞。


科学哲学の歴史書「科学哲学の源流をたどる」

2018年11月08日 | 新刊書
科学哲学の歴史をたどる興味深い本。
科学の歴史とは別の視点で。
著者にはほかに「倫理学的に考える - 倫理学の可能性をさぐる十の論考」や「生命倫理学と功利主義 叢書〈倫理学のフロンティア〉」などの著書もある。これらも読んでみたい。





科学哲学の源流をたどるー研究伝統の百年史
叢書・知を究める  13
伊勢田哲治
価格 ¥3,240(本体¥3,000)
ミネルヴァ書房(2018/11/12発売)


出版社内容情報
いったいなにを問うてきたのだろうか 広範な文献渉猟によって歴史的背景を知り、その問題意識を理解するための手がかりを探る。科学哲学は科学と離れて独自の問題意識を育ててきた。しかし、その問題意識を科学者に説明するには苦労することもある。どうしてなのだろうか。
本書では、現在とつながるような研究があらわれる1830年ごろから、ウィーン学団の結成が宣言されて科学哲学が学術分野として成立する1929年までの100年間におよぶ科学哲学の道のりをたどることで、この問いに答える手がかりを考えてゆく。


序 章 科学哲学の来た道

第1章 帰納と仮説をめぐる論争
 1 ジョン・ハーシェル
 2 ウィリアム・ヒューウェル
 3 ジョン・スチュアート・ミル

第2章 「サイエンティスト」の起源
 1 「サイエンス」と「サイエンティスト」
 2 「サイエンティスト」のその後

第3章 19世紀のクリティカルシンキング
 1 19世紀までのクリティカルシンキング
 2 ウェイトリーとミル

第4章 実証主義の成立
 1 観察可能な対象に科学のスコープを限る思想
 2 「実証主義」という言葉の起源

第5章 19世紀末から20世紀初頭の科学哲学
 1 ドイツ語圏における科学哲学の展開
 2 社会科学の哲学のおこり
 3 英米の科学哲学
 4 フランスの科学哲学

第6章 論理実証主義へと続く道
 1 ウィーン学団につながるさまざまな道
 2 哲学内部の運動としての科学哲学


あとがき
科学哲学関連年表
参照文献
人名・事項索引

市立図書館から

1 図書資料 岩波講座現代 2 ポスト冷戦時代の科学/技術 大澤真幸/編集委員 佐藤卓己/編集委員 杉田敦/編集委員 中島秀人/編集委員 諸 岩波書店 2017
2 図書資料 岩波講座哲学 11 歴史/物語の哲学 飯田隆/編集委員 伊藤邦武/編集委員 井上達夫/編集委員 川本隆史/編集委員 熊 岩波書店 2009
3 図書資料 応用哲学を学ぶ人のために 戸田山和久/編 出口康夫/編 世界思想社 2011
4 図書資料 科学を語るとはどういうことか-科学者、哲学者にモノ申す-(河出ブックス 057) 須藤靖/著 伊勢田哲治/著 河出書房新社 2013
5 図書資料 科学技術をよく考える-クリティカルシンキング練習帳- 伊勢田哲治/編 戸田山和久/編 調麻佐志/編 村上祐子/編 名古屋大学出版会 2013
6 図書資料 科学技術のフロントランナーがいま挑戦していること-AI・ロボット・生命・宇宙… 川口淳一郎/監修 秀和システム 2017
7 図書資料 疑似科学と科学の哲学 伊勢田哲治/著 名古屋大学出版会 2003
8 図書資料 健康不安社会を生きる(岩波新書 新赤版 1211) 飯島裕一/編著 岩波書店 2009
9 図書資料 心の科学と哲学-コネクショニズムの可能性- 戸田山和久/〔ほか〕編 昭和堂 2003
10 図書資料 社会哲学を学ぶ人のために 加茂直樹/編 世界思想社 2001
11 図書資料 生活知と科学知(放送大学教材) 奈良由美子/編著 伊勢田哲治/編著 放送大学教育振興会 2009
12 図書資料 哲学思考トレーニング(ちくま新書 545) 伊勢田哲治/著 筑摩書房 2005
13 図書資料 動物からの倫理学入門 伊勢田哲治/著 名古屋大学出版会 2008
14 図書資料 肉食行為の研究 野林厚志/編 平凡社 2018
15 図書資料 誇り高い技術者になろう-工学倫理ノススメ- 黒田光太郎/編 戸田山和久/編 伊勢田哲治/編 名古屋大学出版会 2004
16 図書資料 誇り高い技術者になろう-工学倫理ノススメ-第2版 黒田光太郎/編 戸田山和久/編 伊勢田哲治/編 名古屋大学出版会 2012
17 図書資料 もうダマされないための「科学」講義(光文社新書 541) 菊池誠/著 松永和紀/著 伊勢田哲治/著 平川秀幸/著 飯田泰之/編 SYNOD 光文社 2011