新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

学びなおす経済学史「経済学史への招待」

2018年11月15日 | 新刊書
経済学史への招待
柳沢 哲哉【著】


経済学史の本は多いのですが、
今回は時代背景を詳しく紹介したところと
原典からの引用を増やしたところに特徴があるようです。
内容はごくクラシックなものですので
経済学の歴史を学びなおすには最適かも。



価格 ¥2,484(本体¥2,300)
社会評論社(2017/04発売)
サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 21cm
商品コード 9784784518432
NDC分類 331.2
Cコード C0030

内容紹介
学説とその時代背景を学び、古典への関心を喚起する。
《経済学はそれぞれの時代の経済や社会の問題に答えることで発展してきた。経済学史を学ぶ場合には、時代背景とその時代の学説との関係を理解することが不可欠である。高校で学ぶ世界史の知識を前提とすることなく、時代背景を理解できるように心がけた。これが本書の特徴の一つである。もう一つの特徴は、原典からの引用を数多く入れたことである。必ずしも分かりやすくない引用もあえて掲載した。それは経済学者の声に触れることで、少しでも古典への関心を喚起したいと考えたからである。 (「プロローグ」より)》

目次
経済学誕生以前
前期重商主義の経済思想
後期重商主義の経済思想
重農主義の経済思想
市場社会論の系譜
古典派経済学の成立
古典派経済学の展開
歴史学派の経済学
マルクスの経済思想
限界革命
ワルラスの経済学
ケンブリッジ学派の経済学
1930年代の経済学
ケインズの経済学

著者等紹介
柳沢哲哉[ヤナギサワテツヤ]
1962年群馬県生まれ。東北大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。埼玉大学人文社会科学研究科(経済系)教授

外来種は排除すべきなのかを問う「なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか」

2018年11月15日 | 新刊書
なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか
トマス,クリス・D.【著】〈Thomas,Chris D.〉/上原 ゆうこ【訳】


災害や開発で多くの希少な生物の種が失われていますが
グローバリゼーションとともに、これまでみかけなかった生物たちが
わたしたちの国を訪れています。
在来種の生存を脅かすものとして外来生物は嫌われていますが
同時に、種の多様性を広げる可能性もあります。
最近話題の移民問題を含めて、外来種の問題は、
わたしたちの「外国人嫌い」を見直すきっかけになるかもしれません




価格 ¥2,592(本体¥2,400)
原書房(2018/11発売)
サイズ B6判/ページ数 343p/高さ 20cm
商品コード 9784562055937
NDC分類 468
Cコード C0098

内容説明
外来生物から生まれる新たな進化の時代。「世界の大部分の地域で生物多様性が増し、新たな種が形成される速度はおそらく地球史上最高のレベルに達している。自然は人間の時代に驚くほどうまく対処している」外来生物の排除に生態学の立場から異を唱えた話題の書。

目次
第1部 絶滅時代?(序文 勝者と敗者;チャンスを生かす)
第2部 4つの変化(大型哺乳類の減少;人間が変えた生息環境;気候変動と生物の移動;加速する移動)
第3部 大進化(世界を受け継ぐもの;急速な進化;生物のグローバル化;雑種の形成)
第4部 新たな世界(人類も自然の一部;新しい自然保護のかたち;おわりに 100万年後の世界)

著者等紹介
トマス,クリス・D.[トマス,クリスD.] [Thomas,Chris D.]
1959年生まれ。英国ヨーク大学の生態学者・進化生物学者。英国学士院の特別会員。ロンドン動物学会のサイエンティフィック・メダル、イギリス生代学会の会長メダル、保全生物学の分野と気候変動に関する研究でマーシュ・アワードを受賞した。『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』は初めての著書である

上原ゆうこ[ウエハラユウコ]
神戸大学農学部卒業。農業関係の研究員を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

出版社内容情報
進化生物学の大家が世界をめぐって見えた、生物多様性の「真実」。現代は人間による生物絶滅時代だといわれる。一方で人間社会から利益を得て、おどろくほど多くの新しい種が生まれ、適応している。外来種や雑種もそのひとつだ。進化生物学の大家が世界をめぐって見えた、生物多様性の「真実」。

トランプ大統領のアメリカを理解するために。「パラノイドの帝国」

2018年11月15日 | 新刊書
パラノイドの帝国
著者 : 巽孝之


正常とは思えないトランプ大統領のアメリカですが
本書はその背後にあるアメリカの病理を探りながら
文学の世界との結びつきを探るもののようです。
今、わたしたちにも強い影響を与えつつある
「狂った」アメリカを理解するためにも
読みたい本の一冊。



発売日:2018/11/10
出版社: 大修館書店
サイズ:20cm/244p
利用対象:一般
ISBN:978-4-469-24620-9

内容説明
「反知性主義」と並ぶアメリカ理解の鍵は“陰謀論”。最悪の危機から最良の芸術が生まれる!

目次
序章 パラノイド・ナラティヴの精神史―ホフスタッターから始まる
第1章 愚行のパラドックス―テイラー、ゴールドウォーター、トランプ
第2章 感電するほどの墓碑銘を―メルヴィル、ブラッドベリ、ヘミングウェイ
第3章 宇宙アパッチ族―ニール・ブロムカンプ『第9地区』論
第4章 空から死神が降ってくる―ラヴクラフト、アンダーソン、村上春樹
第5章 惑星思考のスラップスティック―オールディス、筒井康隆、シェリー・ジャクソン
第6章 都市は準宝石の螺旋のように―サミュエル・ディレイニー『ダールグレン』論
第7章 モンローは誘惑する―トルーマン、ケネディ、ボラーニョ
第8章 災害狂時代―トウェイン、バラード、ロビンスン
終章 内乱の予感―エル=アッカド、ウィンズロウ、エリクソン

著者等紹介
巽孝之[タツミタカユキ]
1955年東京生まれ。コーネル大学大学院博士課程修了(Ph.D.、1987)。慶應義塾大学文学部教授。アメリカ文学思想史・批評理論専攻