新刊の森

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人間の民族と文化について考える手掛かりとなる「文化が織りなす世界の装い」

2019年01月13日 | 新刊書
文化が織りなす世界の装い (シリーズ比較文化学への誘い)
山田 孝子 (著, 編集), 小磯 千尋 (著, 編集), 井関 和代 (著), 金谷 美和 (著), 坂井 紀公子 (著)


わたしたちはどんな社会においても、自分を装います。
ロビンソン・クルーソーのように漂流して
まったくの孤島に生きていたら、装うことはないかもしれませんが
それでもいつか人々のうちに暮らすときのことを考えて、装いの心を忘れることはないでしょう。
それほどまでに装いというものは、人間にとって深い意味のあるものだと思います。
モードという観点からではなく、「人はなぜ装うのか」という観点から編まれたこの書物は、
人間の民族性だけでなく、人間性も明かしてくれるのではないかと、期待されます。



単行本(ソフトカバー): 192ページ
出版社: 英明企画編集 (2019/1/11)
言語: 日本語
ISBN-10: 4909151044
ISBN-13: 978-4909151049
発売日: 2019/1/11
¥ 1,080


内容紹介
人はなぜ装うのか──。

どのような素材や染料を用いて、どんな文様が描かれた服を、いかなる場面で着用する選択をしているのか。

私たちも含む世界の人びとの装いには、個人の嗜好のみならず、帰属する社会や集団の文化や価値観が反映されています。

本書では、衣服の起源から素材や加工技術の発見とトランスナショナルな拡散までの「装い」をめぐる歴史を追い、現代における世界の「装い」の諸相を比較するなかから、装う行為および衣服そのものに表れる民族性や地域性を考えます。

◆座談会I「装う素材と技術の発見と伝播――なにを用いて、どう加工し、いかに染めるのか」
井関和代+大井理恵+金谷美和+川村義治+小磯千尋+坂井紀公子+鈴木清史+山田孝子

◆論考
「人はなぜ装うのか──「装い」の起源と多様な展開からみる」
山田孝子

◆論考
「更紗がつなぐ装いの文化──インドからヨーロッパ、アフリカ、そして日本」
井関和代

◆座談会II「地域性・社会性の表象としての衣服――いつ、どんな場面で、なにを、いかに纏うのか」
井関和代+金谷美和+川村義治+川本智史+桑野萌+小磯千尋+小西賢吾+坂井紀公子+鈴木清史+アヒム・バイヤー+山田孝子

◆論考
「伝統ある絞り染め布をファッションとしてまとう──装いからみる現代インド社会の変容」
金谷美和

◆論考
「装いからケニアの現在を読み解く――プリント更紗と生活環境を手がかりに」
坂井紀公子

◆「伝統と近代のつむぎかた──オーストラリア先住民アボリジニの場合」
鈴木清史

◆座談会III「現代の『装い』にみる宗教性・ジェンダー・個別化──宗教間・地域間・男女間・時代間の比較から」
川村義治+川本智史+桑野萌+小磯千尋+小西賢吾+坂井紀公子+アヒム・バイヤー+山田孝子+ジェームス・ロバーソン

◆論考
「インドを表象する装いの変遷──都市部の観察からみえる男女差」
小磯千尋

◆論考
「『加賀友禅』という文化表象──誰がブランドを生み出したのか」
本康 宏史

出版社からのコメント
世界のどの地域に出かけても同じような「もの」があふれ、文化の違いがなくなりつつあると感じる一方で、文化による差異を思い知らされ、異文化理解に当惑することも少なくありません。 比較文化学は、文化人類学のみならず、地域研究、宗教学、社会学、文学、言語学など、さまざまな視点からの比較によって、文化の相違と共通性とを明らかにする学際的な学問領域です。 比較文化学を学ぶことは、文化を相対化するまなざしを身につけ、他者(異文化)理解を深めることにつながります。 シリーズ「比較文化学への誘い」は、比較文化学の可能性を考え、その学びの世界へと誘う入門書です。


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