新刊の森

人文分野を中心に、できるだけその日に刊行された面白そうな新刊を、毎日三冊ずつ紹介します。役立ちそうなレシピにも注目。

歴史と音楽の組み合わせが巧みな「ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる」

2018年11月20日 | 新刊書
ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる (文春新書 1191) 新書 – 2018/11/20
片山 杜秀 (著)


タイトルはいかんせん誇大広告にみえますが、
歴史と音楽を巧みに組み合わせて
リーダブルな本に仕上がっていると思わせます。
ほんとうに「クラシック音楽を知れば世界史がわかる!」のでしょうか。



新書: 240ページ
出版社: 文藝春秋 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4166611917
ISBN-13: 978-4166611911


内容紹介
ベートーベンが「市民」をつくった?
「近代+土着」でドイツを勝利させたワーグナー。
歴史の流れがするすると頭に入る、斬新な音楽史&世界史。

「歌は世につれ、世は歌につれ」と言いますが、これは流行歌だけに限った話ではありません。
一般大衆から遊離したハイカルチャーに思えるクラシック音楽も、実は社会、経済と
深いつながりがあるのです。
19世紀に質量ともにピークを迎えたクラシック音楽は、
大都市の市民階級という新しい消費者に向けられた最新の文化商品でもあったのです。

誰が注文し、いかにして作られ、どのように演奏され、どこで消費されたか。
クラシック音楽を知れば世界史がわかる! といっても過言ではありません。

博覧強記の片山杜秀さんが縦横に語りまくる本書を読めば、
激動の近代ヨーロッパの歴史が楽しく頭に入ります。

・音楽が時代の影響を受けやすい経済的理由
・宗教改革で音楽は「簡素」になった
・「時代遅れ」だったバッハ
・トルコ軍楽隊が西洋に与えた影響
・なぜモーツァルトは就活で苦しんだのか?
・革命の騒音が音楽を「爆音化」した
・産業革命が楽器を一変させた
・ベートベン最大のヒット作は「戦争の再現ドラマ」
・世界中が真似たワーグナー・システム ほか


片山杜秀さんには次のように、音楽と歴史の分野での多彩な著作があります。




■「五箇条の誓文」で解く日本史
片山杜秀著
NHK出版 2018.2 NHK出版新書 543
■平成史
佐藤優, 片山杜秀著
小学館 2018.4
■憲法が変わるかもしれない社会
高橋源一郎編著 ; 長谷部恭男 [ほか著]
文藝春秋 2018.7
■現代語訳近代日本を形作った22の言葉 : 五箇条の御誓文から日本国憲法まで
片山杜秀, 荻上チキ著
朝日新聞出版 2018.10
■近代天皇論 : 「神聖」か、「象徴」か
片山杜秀, 島薗進著
集英社 2017.1 集英社新書 0865A
■「超」世界史・日本史 : 大学入試問題で読み解く
片山杜秀著
文藝春秋 2016.12 文春新書 1111
■ポストモダンを超えて : 21世紀の芸術と社会を考える
三浦雅士編 ; 芳賀徹 [ほか述]
平凡社 2016.3
■ジャーナリズムは甦るか
池上彰 [ほか] 著
慶應義塾大学出版会 2015.3
■大東亜共栄圏とTPP
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2015.6
■見果てぬ日本 : 司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦
片山杜秀著
新潮社 2015.11
■クラシックの核心 : バッハからグールドまで
片山杜秀著
河出書房新社 2014.3
■伊福部昭 : ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠
片山杜秀責任編集
河出書房新社 2014.5 KAWADE夢ムック , 文藝 別冊
■現代政治と現代音楽
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2013.10
■国の死に方
片山杜秀著
新潮社 2012.12 新潮新書 500
■線量計と機関銃
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2012.7
■未完のファシズム : 「持たざる国」日本の運命
片山杜秀著
新潮社 2012.5 新潮選書
■日本の作曲
片山杜秀 [ほか] 著
サントリー芸術財団 , アルテスパブリッシング (発売) 2011.3
■思想としての音楽
片山杜秀責任編集
講談社 2010.11 別冊「本」 . ラチオ||ラチオ ; special issue
■クラシック迷宮図書館 : 音楽書月評
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2010.1
■日本思想という病 : なぜこの国は行きづまるのか?
中島岳志 [ほか] 著 ; 芹沢一也, 荻上チキ編
光文社 2010.1 Synodos readings
■ゴジラと日の丸 : 片山杜秀の「ヤブを睨む」コラム大全
片山杜秀著
文藝春秋 2010.12
■音盤考現学
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2008.2
■音盤博物誌
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2008.5
■片山杜秀の本
片山杜秀著
アルテスパブリッシング 2008.2-
■近代日本の右翼思想
片山杜秀著
講談社 2007.9 講談社選書メチエ 396


エコロジーの枠組みを拡張する「自然なきエコロジー 来たるべき環境哲学に向けて」

2018年11月20日 | 新刊書
自然なきエコロジー 来たるべき環境哲学に向けて
ティモシー・モートン (著), 篠原 雅武 (翻訳)



「自然なきエコロジー」というのは衝撃のタイトルですね。
もちろんエコロジーですから、自然を否定したのでは始まらないわけで
わたしたちがふつうに自然として考えているものを見直すことを提案しています。
人工のものもまた、わたしたちにとっては「自然」なのものとなっていることは、都市を考えてみればすぐに分かることですから、自然の概念を拡張することが試みられているのです。
エコロジーの枠組みを拡張する重要な試みかもしれません。



単行本: 464ページ
出版社: 以文社 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4753103501
ISBN-13: 978-4753103508

内容紹介
従来のエコロジー思想を刷新する
「人新世」時代の来たるべき環境哲学! !

80~90年代に流行し、今日まであらゆるところで主張されているエコロジー思想や環境保護運動。特に地球温暖化や気候変動が問題視されるなかで、改めて注目が集まっています。
従来の環境思想のなかには、手つかずの「自然」を称揚する一方で、ディープエコロジーに至っては人間の存在をも否定するファシズム的発想を含みこんでいました。
本書では、こうした既存のエコロジー思想の基礎となる「自然」の概念について、コールリッジ、シェリー、キーツ、ブレイクといったロマン主義の詩やソローの『野生の生活』などといったネイチャーライティングの分析を通じて、その問題性を指摘します。
また、ブライアン・イーノのアンビエント・ミュージックやピンク・フロイド、ソニック・ユースらのノイズ音楽、アルヴィン・ルシエの実験音楽を取り上げ、「環境」や「アンビエンスなもの」に改めて注目。自然と人間を二項対立的に考える従来の思考枠組みから離れて、「とりまくもの」としての「自然」を提唱します。
「人新世」がホットワードとなった今日、人間や都市、テクノロジーを含みこむ新たな概念として「自然」をとらえ直すこと、本書は既存の概念枠組みを刷新し、共存の哲学を志向する、21世紀思想の幕開けを告げる思想書です。

出版社からのコメント
「INNOVATIVE CITY FORUM 2018」にて基調講演のため来日にしたティモシー・モートンの主著! ついに邦訳!

海軍提督の戦略書に注目。「海の地政学──海軍提督が語る歴史と戦略」

2018年11月20日 | 新刊書
海の地政学──海軍提督が語る歴史と戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 文庫 – 2018/11/20
ジェイムズ スタヴリディス (著), 北川 知子 (翻訳)


近年では、世界の政治情況の変動にともなって
地政学への関心が集まってきました。
政治学と地理学と歴史学が集約されるこの地政学という学問は興味深いもので
入門書も専門書も次々と登場しています。
この書物はマハンに次いで、海上権力という観点から地政学的な考察を展開した
ジェイムズ・スタヴリディス海軍提督の戦略書です。
注目! 文庫で読めるのもうれしい。



文庫: 400ページ
出版社: 早川書房 (2018/11/20)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150505322
ISBN-13: 978-4150505325

内容紹介
「今日の安全保障環境における海洋の重要性と影響力を、
 スタヴリディス提督ほど理解している人物はいない……必読書である」
――ジョン・マケイン(元共和党上院議員)

「著者はその知性を総動員して、
 われわれが海の世界をクリアかつ鋭敏に理解することを助けてくれる。
 荒れ狂う世紀に不可欠な分析だ」
――ロバート・M・ゲーツ(元米国防長官)

古代ギリシャ・ローマの地中海覇権をめぐる海戦から、
コロンブスやマゼランらの大航海、
太平洋を舞台にした日米の艦隊戦、
台頭する中国、不透明な北朝鮮の動向まで、
古今東西の海事史に照らしながら、
世界情勢の鍵を握る海洋戦略を徹底解説する。
NATO軍最高司令官を務めた元米海軍提督が、
歴史への深い洞察と自らの経験をもとに記した、
海軍理論家マハンの系譜を継ぐ新たな「シーパワー(海上権力)」論。

解説/中西寬
著者について
James Stavridis アメリカ合衆国海軍大将(退役)。1976年、アナポリスの海軍兵学校を卒業後、35年以上を海軍軍人として過ごす。複数の駆逐艦や空母打撃軍などの指揮を執り、7年にわたり四つ星の海軍大将を務める。2009年から13年まで、米海軍出身者としては初のNATO(北大西洋条約機構)欧州連合軍最高司令官を務めた。退役後、2013年から18年までタフツ大学フレッチャー・スクール学長 。国際安全保障に関する論評を《ニューヨーク・タイムズ》《ワシントン・ポスト》《アトランティック》などに寄稿している。他の著書にThe Accidental Admiralがある。


日本思想史研究の指導的役割を果たした村岡の研究に。「村岡典嗣:日本精神文化の真義を闡明せむ」

2018年11月19日 | 新刊書
村岡典嗣:日本精神文化の真義を闡明せむ (ミネルヴァ日本評伝選) 単行本 – 2018/11/19
水野雄司 (著)


村岡典嗣という思想家には、膨大な『日本思想史研究』という著作によって、日本思想史を試みる人はだれもが一度はお世話になる人だと思いますが、その人物が何を目指してこうした著作を執筆したのかについては、あまり考えるところがありませんでした。この書物はその欠落を埋めるものとして、戦前の思想史の潮流を照らし出すものとして、有益なものと思われます。日本思想史学のそなえていた歪みについて考えるためにも、役立ちに違いありません




単行本: 282ページ
出版社: ミネルヴァ書房 (2018/11/19)
言語: 日本語
ISBN-10: 4623084760
ISBN-13: 978-4623084760
発売日: 2018/11/19
内容紹介


「日本的なもの」とは…
国の本源、その思索の軌跡。

村岡典嗣(1884~1946)日本思想史学者。
不穏な世相が戦争へと繋がる大正末期から昭和前半期に「日本思想史学」を確立させた村岡典嗣。アカデミズムにおける
日本思想史研究の指導的役割を果たした村岡は、何を「日本」とし、何を伝えたかったのか。その想いに迫る。

[目次]

はしがき

第一章 精神的故郷
1 父と生い立ち
2 開成尋常中学校での学び

第二章 早稲田大学入学と波多野精一
1 明治期の大学制度と早稲田大学創立
2 波多野精一とキリスト教
3 結婚、そして就職

第三章 『本居宣長』
1 本居宣長を選んだ理由
2 宣長問題とは何か
3 『本居宣長』の後

第四章 「早稲田騒動」と学問的精神
1 「早稲田騒動」とは
2 波多野精一から受け継いだ学問的精神

第五章 東北帝国大学における日本思想史
1 欧州留学
2 東北帝国大学着任と山田孝雄
3 明治以降の「日本思想」
4 平田篤胤とキリスト教
5 時運としての「日本精神」
6 「日本思想」について
7 チェンバレンと国体思想

終 章 学問の永遠の相

主要参考文献
あとがき
村岡典嗣略年譜
事項索引
人名索引

内容(「BOOK」データベースより)
村岡典嗣(一八八四~一九四六)日本思想史学者。不穏な世相が戦争へと繋がる大正末期から昭和前半期に「日本思想史学」を確立させた村岡典嗣。アカデミズムにおける日本思想史研究の指導的役割を果たした村岡は、何を「日本」とし、何を伝えたかったのか。その想いに迫る。


Wikiによりますと、村岡典嗣には次のような著書があります。

著書
『本居宣長』 警醒社書店、1911年。
『本居宣長』 岩波書店、1928年。
『本居宣長』 岩波書店、1974年。 - 復刊。
『日本思想史研究』 岡書院、1930年。
『日本思想史研究』 岩波書店、1940年10月、増訂。
『日本思想史研究』 岩波書店、1975年、増訂。ISBN 4-00-001600-8。 - 復刊。
『国民精神の淵源』 青年教育普及会、1933年。 - 講演集。
『素行・宣長』 岩波書店〈大教育家文庫 第6〉、1938年。
『日本文化史概説』 岩波書店、1938年4月。
『日本文化史概説』 岩波書店、1987年。ISBN 4-00-001660-1。
『日本思想史研究』続、岩波書店、1939年2月。
『日本思想史研究』続、岩波書店、1975年。ISBN 4-00-001601-6。
『平田篤胤』 生活社〈日本叢書 59〉、1946年。
『日本思想史研究』第3、岩波書店、1948年12月。
『日本思想史研究』第3、岩波書店、1975年。ISBN 4-00-001602-4。
『日本思想史研究』第4、岩波書店、1949年2月。
『日本思想史研究』第4、岩波書店、1975年。ISBN 4-00-001603-2。
『村岡典嗣歌集』 青山なを・丸山キヨ子編輯、日本思想史學會、1952年4月。 - 小冊子。
『日本思想史研究』第1巻、村岡典嗣著作集刊行会編、創文社、1956年。
『日本思想史研究』第2巻、村岡典嗣著作集刊行会編、創文社、1957年。
『日本思想史研究』第3巻、村岡典嗣著作集刊行会編、創文社、1957年。
『日本思想史研究』第4巻、村岡典嗣著作集刊行会編、創文社、1961年。
『日本思想史研究』第5巻、村岡典嗣著作集刊行会編、創文社、1962年。
『新編 日本思想史研究 村岡典嗣論文選』 前田勉編、平凡社〈東洋文庫 726〉、2004年5月。ISBN 4-582-80726-7。
『本居宣長 1』 前田勉校訂、平凡社〈東洋文庫 746〉、2006年1月、増補。ISBN 4-582-80746-1。
『本居宣長 2』 前田勉校訂、平凡社〈東洋文庫 748〉、2006年3月、増補。ISBN 4-582-80748-8。
Muraoka Tsunetsugu (1988). Studies in Shinto thought. Classics on Japanese thought and culture. 5. translated by Delmer M. Brown and James T. Araki. Yushodo.

パレスチナでの生きがたさについて想像させてくれる「ガザに地下鉄が走る日」

2018年11月19日 | 新刊書
ガザに地下鉄が走る日
岡 真理 (著)


パレスチナで生きるのがどのようなものなのか、わたしたちにはうまく実感できませんが
地下鉄がまだ遠い夢であるという現実は、
そのような空間で生きることの息苦しさについて
わたしたちの想像力に訴えかけるところがあります。
ぜひ読んでみたい一冊。


単行本: 304ページ
出版社: みすず書房 (2018/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4622087472
ISBN-13: 978-4622087472


内容紹介
イスラエル建国とパレスチナ人の難民化から70年。
高い分離壁に囲まれたパレスチナ・ガザ地区は「現代の強制収容所」と言われる。
そこで生きるとは、いかなることだろうか。

ガザが完全封鎖されてから10年以上が経つ。
移動の自由はなく、物資は制限され、ミサイルが日常的に撃ち込まれ、数年おきに
大規模な破壊と集団殺戮が繰り返される。そこで行なわれていることは、
難民から、人間性をも剥奪しようとする暴力だ。

占領と戦うとは、この人間性の破壊、生きながらの死と戦うことだ。
人間らしく生きる可能性をことごとく圧殺する暴力のなかで人間らしく生きること、
それがパレスチナ人の根源的な抵抗となる。

それを教えてくれたのが、パレスチナの人びとだった。
著者がパレスチナと関わりつづけて40年、絶望的な状況でなお人間的に生きる
人びととの出会いを伝える。ガザに地下鉄が走る日まで、その日が少しでも早く
訪れるように、私たちがすることは何だろうかと。

目次
第1章 砂漠の辺獄
第2章 太陽の男たち
第3章 ノーマンの骨
第4章 存在の耐えられない軽さ
第5章 ゲルニカ
第6章 蠅の日の記憶
第7章 闇の奥
第8章 パレスチナ人であるということ
第9章 ヘルウ・フィラスティーン?
第10章 パレスチナ人を生きる
第11章 魂の破壊に抗して
第12章 人間性の臨界
第13章 悲しい苺の実る土地
第14章 ガザに地下鉄が走る日

あとがき

岡真理さんの著書や訳書には、次のようなものがあります。


■シンポジウム「《文学》からシリアを考える」
岡真理編
中東現代文学研究会 2018.3 中東現代文学リブレット 3
■アラブ、祈りとしての文学
岡真理 [著]
みすず書房 2015.11
■火によって
ターハル・ベン=ジェッルーン著 ; 岡真理訳
以文社 2012.11
■ガザの絶望を突き破る力を求めて
岡真理著 ; 第9条の会・オーバー東京編
第9条の会・オーバー東京 , 影書房 (発売) 2010.5 「あーてぃくる9」ブックレット 15
■格闘する思想
本橋哲也編 ; 萱野稔人 [ほか述]
平凡社 2010.11 平凡社新書 554
■ホロコーストからガザへ : パレスチナの政治経済学
サラ・ロイ著 ; 岡真理, 小田切拓, 早尾貴紀編訳
青土社 2009.11
■ガザ通信 = The message from Gaza
サイード・アブデルワーヘド著 ; 岡真理, TUP訳
青土社 2009.4
■アラブ、祈りとしての文学
岡真理 [著]
みすず書房 2008.12
■棗椰子 (なつめやし) の木陰で : 第三世界フェミニズムと文学の力
岡真理著
青土社 2006.7
■イスラム報道
エドワード・W・サイード [著] ; 浅井信雄, 佐藤成文, 岡真理共訳
みすず書房 2003.4 増補版
■シャヒード、100の命 : パレスチナで生きて死ぬこと
アーディラ・ラーイディ著 : イザベル・デ・ラ・クルーズ写真 : 岡真理, 岸田直子, 中野真紀子訳
「シャヒード、100の命」展実行委員会 , インパクト出版会 (発売) 2003.8
■テロ後 : 世界はどう変わったか
藤原帰一編
岩波書店 2002.2 岩波新書 新赤版 770
■アイデンティティ : 解体と再構成
青木保 [ほか] 編集委員
岩波書店 2002.12 アジア新世紀 / 青木保 [ほか] 編集委員 3
■いのちを考える
小林圭二, 岡真理著 ; [大地震から6年のセミナー実行委員会編]
大地震から6年のセミナー実行委員会 2001.6
■「グローバル・フェミニズム」について考える : 私たちは何を知らないのか
岡真理[述], 新潟ウィメンズ企画編
新潟ウィメンズ企画 2001.9 新潟ウィメンズ企画Women's studies in にいがた 2001
■彼女の「正しい」名前とは何か : 第三世界フェミニズムの思想
岡真理著
青土社 2000.9
■記憶/物語
岡真理著
岩波書店 2000.2 思考のフロンティア

これを読んでまた映画を見直したい「すごく科学的: SF映画で最新科学がわかる本」

2018年11月19日 | 新刊書
すごく科学的: SF映画で最新科学がわかる本
著者 : リック・エドワーズ マイケル・ブルックス


これはすばらしい企画ですね。
SF映画はたくさんありますし、その科学的な裏付けは、ハードSFなら
どうしても問われなければならないものです。
「2001年宇宙の旅」では専門家による考察の本も出ているくらいです。
また「宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学: イスカンダルへの航海で明かされる宇宙のしくみ」という本もありました。
この本を読んで、また映画を楽しみたいですね。
本日の一押しです。




制作 : 藤崎 百合
草思社 (2018年11月19日発売)
本 (367ページ) / ISBN・EAN: 9784794223623


作品紹介・あらすじ
絶滅種再生や人工知能、ブラックホールにゾンビまで。
映画から科学の最前線が見えてくる!

「デロリアン」は理論的に可能?――バック・トゥ・ザ・フューチャー
遺伝子操作で賢いサルは作れる?――猿の惑星
人間の行動を変える病原体が存在する――28日後…
カンフーを脳にインストールする方法はある?――マトリックス
火星旅行が健康に与える影響は?――オデッセイ
絶滅種の再生は原理的には可能――ジュラシック・パーク
……などなど!

初歩からわかるあっぱれな解説で、映画の世界が、現実の科学者の挑戦(と危険な実験!)や、私たちの日常へと結びついていく。『エイリアン』『猿の惑星』から『インターステラー』『エクス・マキナ』まで、新旧名作SF映画の科学に正面から切り込んだ、笑いも無駄に詳しい知識も満載の一冊。映画よりも面白い!

【本書に登場する映画】
『オデッセイ』……火星旅行は身体に良い?
『ジュラシック・パーク』……絶滅種は再生すべき?
『インターステラー』……ブラックホールで何が起こる?
『猿の惑星』……遺伝子操作でチンパンジーは人間並みになる?
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』……タイムトラベルでできること
『28日後…』……ウイルス感染で人間はゾンビになる?
『マトリックス』……人間はシミュレーション世界を生きている?
『ガタカ』……遺伝学は完璧な人間を生み出す?
『エクス・マキナ』……人工知能は意識を持つ?
『エイリアン』……地球外生命体に会いたい?



「クルアーン:神の言葉を誰が聞くのか」

2018年11月18日 | 新刊書
クルアーン:神の言葉を誰が聞くのか (世界を読み解く一冊の本)
著者 : 大川玲子


「コーラン」は奇跡のようにして生まれ
奇跡のように人々の信仰心に訴えかけた書物ですが
イスラム圏の外部の人々にとってはなかなか近づきにくい本です。
本書は作者論と読者論の観点からこの問題に取り組む興味深い著作です。
「世界を読み解く一冊の本」という新しいシリーズも楽しみですね。



単行本: 216ページ
出版社: 慶應義塾大学出版会 (2018/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4766425553
ISBN-13: 978-4766425550


作品紹介・あらすじ
▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(第1期・全10巻)、第二弾!

生きている聖典にふれる
極めて難解とされるイスラームの聖典『クルアーン』。
ではどう読めばよいのか? 
聖典を読む困難と楽しさを、丁寧に解説。
信徒のみならず、人類にとっての「聖典」となる可能性を問う

紹介
▼シリーズ「世界を読み解く一冊の本」(第1期・全10巻)、第二弾!

生きている聖典にふれる
極めて難解とされるイスラームの聖典『クルアーン』。
ではどう読めばよいのか? 
聖典を読む困難と楽しさを、丁寧に解説。
信徒のみならず、人類にとっての「聖典」となる可能性を問う。

目次
序 この聖典は誰のもの?

生きている書物
誰がクルアーンを読むのか――読者のタイプの六分類
本書の目指すこと

Ⅰ 「作者」は神か人か?

1  「作者」をめぐって――ムスリムと非ムスリムの間
 「聖典」としてのクルアーン
 ムスリムからみたムハンマドの生涯
 神の声を聞く
 ヒジュラ(聖遷)――メッカからメディナへ
 啓示が下された状況
 身の回りの状況の反映
 非ムスリムにとってのムハンマド
 ムハンマドの同時代人
 神の言葉の「創造」という神学問題の難しさ
2 議論を生む書物としての成立と展開
 ムスリム伝承の伝える編纂経緯
 「ウスマーン版」の誕生
 クルアーン編纂の研究史
 初期の写本を読み解く
 書承媒体の変遷││
 写本から印刷、そしてデジタルへ
 印刷はヨーロッパから
3 異文化との邂逅――翻訳と受容
 「翻訳」の是非
 西洋諸言語への翻訳
 アジア諸言語への翻訳
 日本語への翻訳
 西洋社会と日本社会での受容

Ⅱ 生の言葉による「説得」

1 生なまの言葉が訴えること
 構成と文体
 クルアーンは退屈か?
 言葉の「まとまり」として読む
 飲酒は完全に禁止?
 クルアーンの章構成
 散文と韻文の間
 メディナ期の文体の特徴
 頻繁に変化する人称
 井筒俊彦のクルアーン研究の意義
 ムスリム側からの学問アプローチ
 クルアーンの主要なテーマ
 唯一神アッラー
 九九の美称をもつ神
 ムハンマド以前の預言者たち
 預言者たちが遣わされた理由
 ムハンマドの周囲の人物たち
2 「神の言葉」が開いたもの
 格差社会メッカから平等社会メディナへ
 努力としてのジハードと戦闘の容認
 ユダヤ教徒・キリスト教徒をどう認めるか
 アラビア語とクルアーンの相関関係
 クルアーンから展開する諸思想潮流
 イスラーム神学――神をどう把握するか
 イスラーム法学――神にしたがって生きる
 イスラーム神秘主義――神を心の内面で体得する

Ⅲ  「説得」から「共有」へ――二元論を超えて

1 「説得」のための時間軸
 警告と吉報
 アッラーによる天地創造
 来世のための現世――人はどう生きるべきか
 男女の関係性
 飲食などの禁止規定
 戦闘とジハード
 終末から来世へ
2 今なお解釈される書物として
 前近代のクルアーン解釈(タフスィール)
 伝承によるクルアーン解釈
 シーア派のクルアーン解釈
 個人見解によるクルアーン解釈
 スーフィー的クルアーン解釈
 近代以降のタフスィール――科学的思考とイスラーム主義
 英国支配下のエジプトとインド
 科学的クルアーン解釈
 文学的クルアーン解釈
 イスラーム主義的クルアーン解釈
 現代のクルアーン解釈――西洋文明の影響下で
3 見るクルアーン、聞くクルアーン
 日々のなかのクルアーン
 芸術作品のなかで



参考文献

著者プロフィール
大川 玲子 (オオカワ レイコ) (著/文)
大川 玲子
明治学院大学国際学部教授。イスラーム思想専攻。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(学術)。
著作に、『イスラーム化する世界』(平凡社新書、2013年)、『イスラームにおける運命と啓示』(晃洋書房、2009年)などがある。

大川 玲子さんには次のような著作があります。

■チャムパ王国とイスラーム : カンボジアにおける離散民のアイデンティティ
大川玲子著
平凡社 2017.2
■イスラーム化する世界 : グローバリゼーション時代の宗教
大川玲子著
平凡社 2013.5 平凡社新書 682
■イスラーム基本練習帳
造事務所編著
大和書房 2013.8
■歴史と現在
原武史編 ; 高橋源一郎 [ほか述]
河出書房新社 2012.5 明治学院大学国際学部付属研究所公開セミナー 4
■イスラームにおける運命と啓示 : クルアーン解釈書に見られる「天の書」概念をめぐって
大川玲子著
晃洋書房 2009.3
■図解これだけは知っておきたいコーラン入門
島崎晋著
洋泉社 2007.6
■コーラン
マイケル・クック [著] ; 大川玲子訳
岩波書店 2005.9 1冊でわかる
■図説コーランの世界 : 写本の歴史と美のすべて
大川玲子著
河出書房新社 2005.3 ふくろうの本
■聖典「クルアーン」の思想 : イスラームの世界観
大川玲子著

わたちたちの思考を制約する言葉についての考察「考えるための日本語入門」

2018年11月18日 | 新刊書
考えるための日本語入門
著者 : 井崎正敏


わたしたちは言葉を使わなければ考えることができません。
そしてわたしたちにとっては言葉とは日本語であり、わたしたちの思考は日本語で作られています(ほとんどの人にとってはですが)。
そんなわたしたちの思考を日本語という言葉の固有性がどのように影響しているのかということは
重要な問題ですがあまり検討されたことはありません。
もしかしたら、日本語の特性のために、わたしたちの思考は大きく制約されているかもしれませんし
あるいは隠れた優位をもっているかもしれません。
これまであまり考えられてこなかったこの問題に、この書物は取り組むようです。



三省堂 (2018年11月16日発売)
本 (228ページ) / ISBN・EAN: 9784385360973


作品紹介・あらすじ
日本語で考えるとは、具体的に日本語の文法とどういうふうにかかわりあうことなのだろうか。「そこ」と「それ」、助詞の「は」や「が」などをキーワードに、思考という観点から日本語の文法構造を探究する試み。

著者プロフィール
批評家。
一九四七年東京生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業後、筑摩書房に入社。同社編集部長などを経て、批評活動に入る。
主な著書『天皇と日本人の課題』『ナショナリズムの練習問題』(洋泉社)『倫理としてのメディア』(NTT出版)『〈戦争〉と〈国家〉の語りかた』(言視舎)他


井崎正敏さんには次のような著書があります。


■吉田松陰 : 幽室の根源的思考
井崎正敏著
言視舎 2015.4 言視舎評伝選
■「戦争」と「国家」の語りかた : 戦後思想はどこで間違えたのか
井崎正敏著
言視舎 2013.11 飢餓陣営叢書, 6
■書物の現場
白百合女子大学言語・文学研究センター編 ; 篠田勝英責任編集 ; 津野海太郎 [ほか執筆]
弘学社 2013.11 アウリオン叢書 / 白百合女子大学言語・文学研究センター編, 12
■「考える」とはどういうことか? : 思考・論理・倫理・レトリック
井崎正敏著
洋泉社 2008.4
■倫理としてのメディア : 公共性の装置へ
井崎正敏著
NTT出版 2006.7
■ナショナリズムの練習問題
井崎正敏著
洋泉社 2005.4 新書y, 132
■天皇と日本人の課題
井崎正敏著
洋泉社 2003.9 新書y, 094
■天皇の戦争責任・再考
池田清彦 [ほか] 著
洋泉社 2003.7 新書y, 090

歴史の宝船を掘り当てる「海底に眠る蒙古襲来: 水中考古学の挑戦」

2018年11月18日 | 新刊書
海底に眠る蒙古襲来: 水中考古学の挑戦 (歴史文化ライブラリー 478) 単行本 – 2018/11/16
池田 榮史 (著)


蒙古襲来との関連では今年の夏に、アニメ「アンゴルモア 元寇合戦記」で楽しませてもらいましたが
嵐で沈んだ元寇船は、歴史学にとっては「宝の船」なのだと思います。
しかしなんといっても鎌倉時代のこと。並大抵の苦労ではないのでしょう。
現場の様子を再現しながら、水中考古学の手法を探る興味深い一冊です。



単行本: 253ページ
出版社: 吉川弘文館 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4642058788
ISBN-13: 978-4642058780
発売日: 2018/11/16


紹介
鎌倉時代の蒙古襲来時に沈んだ元寇船が発見された長崎県の鷹島海底遺跡。当時の造船技術や積荷などの解明に大きな期待が寄せられるが、水中という困難な環境でいかに調査は行われたのか。音波探査やダイバーによる発掘作業、映像撮影、実測図作成、船体保存など、試行錯誤で進められた現場の様子を紹介。水中考古学の手法と今後の可能性を探る。

目次

水中考古学とは―プロローグ/
鷹島海底遺跡と調査の歩み(鷹島海底遺跡/これまでの調査の問題点)/
蒙古襲来(蒙古襲来前夜/
文永の役/弘安の役)/
蒙古襲来の解明に取り組む―調査手法の模索(いざ、鷹島海底遺跡へ/
音波探査の試み/
水中考古学的調査手法の模索)/
鷹島一号沈没船と大型木製?の調査(元軍船の確認へ/
鷹島一号沈没船の水中発掘調査/
鷹島神崎遺跡の国史跡指定とさらなる調査へ/
鷹島一号沈没船の実像/
大型木製碇の調査と検討)/
鷹島二号沈没船の調査(鷹島二号沈没船の発見/
鷹島二号沈没船の構造と遺物)/
新たな研究ステージへ―エピローグ

モースの「間国民性」とはどのような概念だろうか。「国民論 他二篇」

2018年11月17日 | 新刊書
国民論 他二篇 (岩波文庫) 文庫 – 2018/11/17
マルセル・モース (著), 森山 工 (翻訳)


社会学者として贈与論などの著作が注目されているモースですが
若いころの社会主義者だった頃の著作が翻訳されました。
「間国民性」の可能性を探る議論がどのようなものだったのか
好奇心がわきますね。


文庫: 320ページ
出版社: 岩波書店 (2018/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4003422821
ISBN-13: 978-4003422823
発売日: 2018/11/17

内容紹介
フランス民族学の創始者マルセル・モース。そのもう一つの顔は、社会主義の実現を目指した活動家であり、思想家であった。第一次世界大戦とロシア革命を体験した世界は、どのような社会に向かうべきか? 文明・法・経済・言語・心性など「国民(ナシオン)」を構成する全体を吟味し、「国民」のあり方と「間国民性」の可能性を探る議論は、いまも示唆的である。

折口信夫の思想についての魅力的な一冊「折口信夫的思考」

2018年11月17日 | 新刊書
折口信夫的思考
上野誠 (著)


万葉集にも詳しい民俗学者である折口信夫の思考方法について、
この分野で最適な著者が執筆した書物ですね。
柳田國男と違って思考方法にわかりにくいところのある
そしてそれが一つの魅力となっている折口信夫についての魅力的な一冊です。
読んでみたい。


単行本: 368ページ
出版社: 青土社 (2018/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 4791771184
ISBN-13: 978-4791771189
発売日: 2018/11/17

気鋭の万葉学者がみた、もうひとつの巨人の実像
いまもっとも求められるのは境域を超えて思考することだ。そして、古典学の未来はまさにそこにこそある。万葉文化論を提唱する著者が、民俗学のパイオニアの一人にして、はじめて『口訳万葉集』をつくった折口信夫の実像に迫る。ジャンルを軽々と越境する姿を活写する、まったくあたらしい異色の折口論にして、古典学ルネサンスの可能性を模索する渾身の書。【商品解説】

著者紹介
上野誠
略歴〈上野誠〉1960年福岡県生まれ。国学院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得満期退学。奈良大学文学部教授(国文学科)。「万葉文化論」を提唱。著書に「万葉びとの生活空間」など。

上野誠さんは民俗学と文学の広い分野で活躍しておられます。主要な著作に次のようなものがあります。

1.
古事記 : 日本の原風景を求めて / 梅原猛 [ほか] 著.-- 新潮社; 2017.-- (とんぼの本)
2.
万葉集から古代を読みとく / 上野誠著.-- 筑摩書房; 2017.-- (ちくま新書 ; 1254)
3.
日本人にとって聖なるものとは何か : 神と自然の古代学 / 上野誠著.-- 中央公論新社; 2015.-- (中公新書 ; 2302)
4.
和歌のルール / 渡部泰明編 ; 上野誠 [ほか] 執筆.-- 笠間書院; 2014
5.
万葉びとの宴 / 上野誠著.-- 講談社; 2014.-- (講談社現代新書 ; 2258)
6.
書淫日記 : 万葉と現代をつないで / 上野誠著.-- ミネルヴァ書房; 2013
7.
遣唐使阿倍仲麻呂の夢 / 上野誠著.-- 角川学芸出版; 2013.-- (角川選書 ; 530)
8.
万葉挽歌のこころ : 夢と死の古代学 / 上野誠著.-- 角川学芸出版; 2012.-- (角川選書 ; 499)
9.
国文科へ行こう! : 読む体験入学 / 上野誠編著 ; 神野藤昭夫, 半沢幹一, 山崎真紀子著.-- 明治書院; 2011
10.
ヤマト国家の成立 : 雄略朝と継体朝の政権 / 和田萃著 ; 和田萃, 辰巳和弘, 上野誠鼎談.-- 文英堂; 2010.-- (新・古代史検証日本国の誕生 / 上田正昭監修 ; 3)
11.
万葉びとの奈良 / 上野誠著.-- 新潮社; 2010.-- (新潮選書)
12.
記紀・風土記論究 : 菅野雅雄博士喜寿記念 / 菅野雅雄博士喜寿記念論集刊行会編集.-- おうふう; 2009
13.
四季の万葉集 / 高岡市万葉歴史館編.-- 笠間書院; 2009.-- (高岡市万葉歴史館論集 ; 12)
14.
大和三山の古代 / 上野誠著.-- 講談社; 2008.-- (講談社現代新書 ; 1952)
15.
魂の古代学 : 問いつづける折口信夫 / 上野誠著.-- 新潮社; 2008.-- (新潮選書)
16.
三輪山と日本古代史 / 石野博信 [ほか] 著.-- 学生社; 2008
17.
日本語における空間表現と移動表現の概念意味論的研究 / 上野誠司著.-- ひつじ書房; 2007.-- (ひつじ研究叢書 ; 言語編 ; 第46巻)
18.
小さな恋の万葉集 / 上野誠著 ; 佐藤秀明写真.-- 小学館; 2005
19.
万葉民俗学を学ぶ人のために / 上野誠, 大石泰夫編.-- 世界思想社; 2003
20.
三輪山の古代史 / 上野誠 [ほか] 編.-- 学生社; 2003
21.
万葉古代学 : 万葉びとは何を思い、どう生きたか / 中西進編著.-- 大和書房; 2003
22.
芸能伝承の民俗誌的研究 : カタとココロを伝えるくふう / 上野誠著.-- 世界思想社; 2001
23.
万葉びとの生活空間 : 歌・庭園・くらし / 上野誠著.-- 塙書房; 2000.-- (はなわ新書 ; 078 . 美夫君志リブレ||ミフクシ リブレ)
24.
古代日本の文芸空間 : 万葉挽歌と葬送儀礼 / 上野誠著.-- 雄山閣出版; 1997
25.
泊瀬川の祭りと伝承 / 桜井満, 上野誠編.-- おうふう; 1997.-- (古典と民俗学叢書 ; 18)

着想がすばらしい「タコの心身問題 」

2018年11月17日 | 新刊書
タコの心身問題
ピーター・ゴドフリー=スミス (著), 夏目 大 (翻訳)


いやぁ、素敵なタイトルですね。もちろんわたしたちにタコの心が理解できるはずはないので
タコを手掛かりに人間の心身問題を考え直そうとするのでしょうが、それにしても
着想がすばらしい。
「哲学は常にこうあるべきだ」と、わたしも言いたくなります。
今日の一押しかな。



単行本: 312ページ
出版社: みすず書房 (2018/11/17)
言語: 日本語
ISBN-10: 462208757X
ISBN-13: 978-4622087571
発売日: 2018/11/17

内容紹介
■ 心は何から、いかにして生じるのだろう。進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、そしてもう一つがタコやイカを含む頭足類だ。哲学者であり練達のダイバーでもある著者によれば、「頭足類と出会うことはおそらく私たちにとって、地球外の知的生命体に出会うのに最も近い体験だろう」。私たち人間とはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。本書は頭足類の心と私たちの心の本性を合わせ鏡で覗き込む本である。

■ 海で生まれた単細胞生物から、現生のタコやイカへの進化の道筋を一歩ずつたどれば、そこには神経系の発達や、感覚と行動のループの起源、「主観的経験」の起源があり、それは主体的に感じる能力(sentience)や意識の出現につながっている。

■ タコはまるで心脳問題をまぜかえすためにいるような生物だ(脳よりも腕に多くのニューロンがあって、脳とは別に8本の腕が自律的に思考できるかのようにふるまう)。「タコになったらどんな気分か」という問題の中には、そもそも心とは何か、それは物理的な身体とどう関係するのかを解き明かす手がかりが詰まっている。

■ 知能の高さゆえの、タコやイカの茶目っ気たっぷりの行動や、急速な老化と死の謎など、知れば知るほど頭足類の生態はファンタスティック。おまけに著者の見つけた「オクトポリス」(タコが集住する場所)では、タコたちが社会性の片鱗を示しはじめているという。味わい深く、驚きに満ちた一冊。


「エキサイティング、ドラマティック、鮮烈で、目から鱗。……すべてのナチュラリスト、すべてのダイバー、そして人間以外の生物がどんな経験をしているかに思いをめぐらせたことのあるすべての人の思考を刺激して、愉しませてくれる本だ。つまりは、誰もがこの本を読んでほしい──それによって、この地球や海を共有している他の動物たちと、もっと複雑で相互に思いやりのある関係を結びたいという気持ちを、誰もがもつように。」──サイ・モンゴメリー(『愛しのオクトパス』著者)

「本書の哲学は海の岩礁の上、砂の中で始まり、じわりじわりと上方へ、高度な抽象概念へと這い上がっていく。こんなふうにボトムアップで哲学ができるとは。哲学は常にこうあるべきだ。」──チャールズ・フォスター、『リテラリー・レビュー』誌

著者について
ピーター・ゴドフリー=スミス(Peter Godfrey-Smith)
1965年生まれ。シドニー大学教授、およびニューヨーク市立大学大学院センター兼任教授。専門は哲学(Philosophy of science/biology)。著書に、Darwinian Populations and Natural Selection(Oxford, 2009, Lakatos Award受賞作)ほか。

夏目大
翻訳家。主な訳書に、ブルックス『あなたの人生の科学』(上下)、『あなたの人生の意味』(上下)(以上ハヤカワNF文庫)、リンデン『脳はいいかげんにできている』(河出文庫)、『つぎはぎだらけの脳と心』(インターシフト)、など多数。

まだまだ知りたいAIについて「AIが人類を支配する日」

2018年11月16日 | 新刊書
AIが人類を支配する日 (人工知能がもたらす8つの未来予想図) 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/16
前野隆司 (著)


AIがわたしたちの仕事を奪うのではないかという懸念が強まっているためか
シンギュラリティについての書物が続きますね。
「シンギュラリティ (やさしく知りたい先端科学シリーズ3)」につづいて、
今度はAIが人類を支配するようになる未来を展望する書物が登場しました。
「AIがもたらす8つの恐ろしい未来」の章に始まって、「AIがもたらす8つの明るい未来」の章で締めくくるこの書物は、AIがもたらすものについてのわたしたちの誤解を解いてくれるかもしれません。
まだまだ知りたいAIについて、いろいろと考えるきっかけを与えてくれる書物は大歓迎です。




単行本(ソフトカバー): 240ページ
出版社: マキノ出版 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4837672884
ISBN-13: 978-4837672883
発売日: 2018/11/16


内容紹介
シンギュラリティはいつ起こる?
AIにより社会と生活が大きく変わっていくとき、
私たちはどうすれば幸福になれるのか。
「単純労働がなくなる」「専門職もなくなる」
「格差が拡大する」「日本が負け続ける」
「忙しさが加速する」「ヒトが一番でなくなる」
「永遠に生きねばならない」「人類が滅亡する」
……予想される8つの未来について
ロボット工学者が独自の視点から大胆に切り込む!

目次
目次:
第1章: AIがもたらす8つの恐ろしい未来
第2章: ディープラーニングのどこがすごいのか ~AIとロボットと私~
第3章: われ思う、しかしわれなし ~受動意識仮設とAI~
第4章: 心のあるロボットの造り方 ~ヒトとゾンビとAI~
第5章: なぜ日本は負け続けているのか ~イノベーションとAI~
第6章: 経営学×幸福学 ~幸福学とAI~
第7章: 死ぬとはどういうことか ~死とAI~
第8章: AIがもたらす8つの明るい未来
終 章: 全体調和型の社会をめざして ~森とAI~


著者について
前野隆司(まえの・たかし)
山口県生まれ。東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了後、キヤノン株式会社でカメラの研究職に従事したのち、慶應義塾大学教授に転ずる。ロボット工学に関連して、人工知能の問題を追いかける途上で、人間の意識に関する仮説「受動意識仮説」を見出す。ヒューマンインターフェース、ロボット、教育、地域社会、ビジネス、幸福な人生、平和な世界のデザインまで、さまざまなシステムデザイン・マネジメント研究を行っている。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。

前野隆司さんには次のような著書があります。

1.
錯覚する脳 : 「おいしい」も「痛い」も幻想だった / 前野隆司著.-- 筑摩書房; 2007
2.
幸せのメカニズム : 実践・幸福学入門 / 前野隆司著.-- 講談社; 2013.-- (講談社現代新書 ; 2238)
3.
脳はなぜ「心」を作ったのか : 「私」の謎を解く受動意識仮説 / 前野隆司著.-- 筑摩書房; 2010.-- (ちくま文庫 ; [ま-41-1])
4.
幸せの日本論 : 日本人という謎を解く / 前野隆司 [著].-- KADOKAWA; 2015.-- (角川新書 ; [K-21])
5.
人類・社会の新たなる発展を目指して : 慶應義塾大学ソニー寄附講座連続公開シンポジウム / 所眞理雄編 ; 茂木健一郎 [ほか講演] ; 1, 2, 3.-- 慶應義塾大学大学院理工学研究科; 2012
6.
もうひとつのデザイン : その方法論を生命に学ぶ / 松岡由幸編著 ; 河口洋一郎 [ほか] 著.-- 共立出版; 2008


現代のイランはどのような国なのかを知る一助となる「現代イランの社会と政治」

2018年11月16日 | 新刊書
現代イランの社会と政治――つながる人びとと国家の挑戦 単行本 – 2018/11/16
山岸 智子 (著, 編集)


現代の中東の政治において、イランは中心的な位置を占めています。
そのことは、トランプ大統領のもとでアメリカがイランに強い圧力をかけ続けていることにも現れてします。
しかしわたしたちは、先日サッカーのAFCチャンピオンズリーグで鹿島が試合をしたばかりのこの国について、あまりにも知らなすぎるようです。
本書は、地域的に欠けていることの多いわたしたちの知識の地平を広げるために、一つの有益な刺激になるかもしれません。



単行本: 224ページ
出版社: 明石書店 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4750347337
ISBN-13: 978-4750347332
発売日: 2018/11/16

内容紹介
地政学的な条件もあり国際政治の厳しい局面に巻き込まれてきた近現代のイラン。その社会=政治運動は、知識人、エスニック集団や軍人、在外イラン人など、国境を越えた活発なネットワーキングに依拠し、国内外の力関係を反映して展開してきた。本書では、ネットワーク型社会運動の系譜と、その政治化における諸問題を学際的アプローチで捉え論考する。

作品 著者 ページ
大国政治のなかで 吉村慎太郎 著 16−46
国境を越える紐帯の輪 松永泰行 著 47−67
選挙と部族社会 鈴木優子 著 68−113
NGOの活動と役割 細谷幸子 著 114−137
近代との邂逅の現場 黒田卓 著 138−170
ネットワーキング 山岸智子 著 171−198


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山岸智子
明治大学政治経済学部教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は文化論とイラン地域研究

山岸智子さんには次のような著訳書があります。

■刺繍 : イラン女性が語る恋愛と結婚 / マルジャン・サトラピ著 ; 山岸智子監訳 ; 大野朗子訳.-- 明石書店; 2006
■イスラーム世界がよくわかるQ&A100 : 人々の暮らし・経済・社会 / 山岸智子, 飯塚正人編.-- 亜紀書房; 1998
■イスラームとジェンダー : 現代イランの宗教論争 / ズィーバー・ミール=ホセイニー著 ; 中西久枝 [ほか] 訳.-- 明石書店; 2004
■国際法・国際関係とジェンダー / 植木俊哉, 土佐弘之編.-- 東北大学出版会; 2007.-- (東北大学21世紀COEプログラムジェンダー法・政策研究叢書 ; 第7巻)




功利主義とシンガー哲学の入門に「功利主義とは何か」

2018年11月16日 | 新刊書
功利主義とは何か 単行本(ソフトカバー) – 2018/11/16
ピーター・シンガー (著), カタジナ・デ・ラザリ=ラデク (著), 森村 進 (翻訳), & 1 その他


動物の権利を唱えたことで有名なシンガーは、功利主義の哲学者でもあります。
「実践の倫理」などは功利主義の見地から現代のさまざまな問題を考察したものでした。
今回の著作は功利主義について正面から取り上げたものとして注目されます。
原書には、A very short introductionというサブタイトルがついていることから分かるように、
ごく手短に要点だけを説明した本として、功利主義の入門書であると同時に
シンガーの哲学の入門書でもあります。気軽に読める功利主義の入門としてお勧めです。




単行本(ソフトカバー): 184ページ
出版社: 岩波書店 (2018/11/16)
言語: 日本語
ISBN-10: 4000229621
ISBN-13: 978-4000229623
発売日: 2018/11/16

内容紹介
功利主義は今日の世界で最も影響力を持ち、同時に論争を呼ぶ世俗的倫理である。世界的に名高い哲学者P・シンガーが、起源から現在に到る歴史をわかりやすく解説しつつ、これまで向けられてきた数多くの批判に回答する。そして貧困、安楽死、動物の権利といった現代的課題の解決に対し、功利主義がいかに応えうるかを示す。

シンガーの著作の訳書には次のようものがあります。

1.
生と死の倫理 : 伝統的倫理の崩壊 / ピーター・シンガー著 ; 樫則章訳.-- 昭和堂; 1998
2.
アニマル・ファクトリ- : 飼育工場の動物たちの今 / ジム・メイソン,ピ-タ-・シンガ-著 ; 高松修訳.-- 現代書館; 1982
3.
動物の権利 / ピーター・シンガー編 ; 戸田清訳.-- 技術と人間; 1986
4.
ヘーゲル入門 : 精神の冒険 / ピーター・シンガー著 ; 島崎隆訳.-- 青木書店; 1995
5.
私たちはどう生きるべきか : 私益の時代の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎監訳.-- 法律文化社; 1995
6.
マルクス / ピーター・シンガー著 ; 重田晃一訳.-- 雄松堂出版; 1989.-- (オックスフォード大学PMシリーズ)
7.
「正義」の倫理 : ジョージ・W・ブッシュの善と悪 / ピーター・シンガー著 ; 中野勝郎訳.-- 昭和堂; 2004
8.
現実的な左翼に進化する / ピーター・シンガー著 ; 竹内久美子訳.-- 新潮社; 2003.-- (進化論の現在 = Darwinism today)
9.
動物の解放 / ピーター・シンガー著 ; 戸田清訳.-- 技術と人間; 1988
10.
動物の解放 / ピーター・シンガー著 ; 戸田清訳.-- 改訂版.-- 人文書院; 2011
11.
飢えと豊かさと道徳 / ピーター・シンガー著 ; 児玉聡監訳.-- 勁草書房; 2018
12.
実践の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 塚崎智監訳.-- 昭和堂; 1991
13.
あなたが救える命 : 世界の貧困を終わらせるために今すぐできること / ピーター・シンガー著 ; 児玉聡, 石川涼子訳.-- 勁草書房; 2014
14.
グローバリゼーションの倫理学 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 樫則章監訳.-- 昭和堂; 2005
15.
人命の脱神聖化 / ピーター・シンガー著.-- 晃洋書房; 2007
16.
大型類人猿の権利宣言 / パオラ・カヴァリエリ, ピーター・シンガー編 ; 山内友三郎, 西田利貞監訳.-- 昭和堂; 2001
17.
実践の倫理 / ピーター・シンガー著 ; 山内友三郎, 塚崎智監訳.-- 新版.-- 昭和堂; 1999